ストレスで異物を飲み込み続ける妊婦の選択『Swallow/スワロウ』

めちゃくちゃ映像が美しい映画。『Swallow/スワロウ』。アメリカ映画、2019年。『シラノ』にロクサーヌ役で出演しているヘイリー・ベネットが主演しています。美人ですね。

ある重い過去を引きずる美しい女性・ハンター。金持ちの実業家・リッチーと結婚するも、夫や義理の両親から受ける仕打ちからストレスを感じ、妊娠を機に異食症に苦しめられるようになるというストーリー。

めちゃくちゃいい家に住み、ハンサムな夫と暮らしながらも、義父には話を遮られ、義母には過干渉され、夫にはモラハラされ… といっても、ハンターが絹のネクタイにアイロンをかけたせいで怒られたのですが。

妊娠するもストレスは減らず、彼女が始めたのは異物を食べること。ビー玉やピン、乾電池など、いかにも危なそうなモノを飲むのが快感なのか。とはいえ、エコー検査中に彼女のしたことがバレ、監視役をつけられてしまいます。

しかし、異食症のことを友人や知人にバラされて、カウンセラーを信用して話した秘密は夫に伝わり、彼女はまた異食を始めてしまいます。しかも、看護師の目を盗んで注射器を飲み込んだことで事態は悪化。とうとう施設に入れられることになってしまう… のですが、ハンターはこっそり脱出。モーテルに逃げ込み、向かったのは…

実は彼女の母親は乱暴されて身ごもり、出産。その子がハンターなのですが、その加害者に会いにいくことにしたのです。彼は幸せそうに暮らしていたものの、ハンターが自分の子だと知るや、だんだんと本音を語り始めます。

彼のやったことは許されることではないけれど、彼はそれを非常に悔いている。それが伝わるのですが、不思議なもので、この加害者のほうが夫やその両親よりも話していることがまともに思えてくるのです。

結局、ハンターは家に戻らず、子供を流す薬を飲んでどこかに立ち去るという終わり方。

女子トイレでエンドクレジットが流れるというのが新しいですね。

異食症をモチーフにした映画なので、もっととんでもないもの食べるかなあと思ってはいたのですが、さほどでした。すげぇでっかいものとか食べそうと勝手に勘違いしてたよ。