サイコパスババアに「おめぇの席ねぇから!」をリアルで言われる『マー -サイコパスの狂気の地下室-』

マー

2019年のアメリカ映画『マー -サイコパスの狂気の地下室-』を見ました。主演のオクタヴィア・スペンサーが製作総指揮も手掛けています。

サブタイトルで全部ネタバレしていくスタイルの配給会社!!

まぁわかりやすくいうと、高校生にパーティ会場として自宅の地下室を貸してくれるおばちゃんが実はサイコパスで、執着されて怖すぎるよ~!という感じの話。

主人公のマギーは転校生で、母の地元に戻ってきたばかり。のちに彼氏になるアンディ、ムキムキのチャズ、お調子者のダレル、そしてマギーの親友となる毒舌家のヘイリーと仲良くなり、酒盛りをすることに。そのため、親切な大人に自分たちの代わりに酒を購入してもらおうと声をかけまくりますが(このこと自体がゲームっぽい)、その時に助けてくれたのがスー・アン。

※アメリカは酒を買うのに身分証の提示が必要なため、未成年は購入できない。

実はスー・アンはマギーの母親のエリカと同級生であり、アンディの父親のベンには片思いしていたほど。そして、ベンの現在のセフレのメルセデスはスー・アンをいじめていた張本人と、人間関係がこじれております。さすが田舎といえばいいのか。

自宅の地下室を解放して酒盛りを容認してくれるスー・アンのことを高校生たちは「ママ」と呼んで慕うのですが、一方でだんだんとキナ臭くなってくるのも事実。

  • 入ってはいけないと言われた上階に誰かいる→のちに娘を軟禁していることが発覚
  • 皆に避けられたら「私、実はガンなの」と大嘘言い出す
  • 高校生から盗んだアクセサリーを堂々とつけている

で、警戒心を強めていくマギーたちですが、スー・アン自身もベンに「アンディに近付くな」と警告されてブチ切れまくり。ここ、うまいのよ。最初は恋愛モードでウキウキなのに、警告されるとめちゃくちゃぴりぴりしだすスー・アンの演技にこちらはヒヤヒヤしました。

実は高校生の時、ベンとメルセデスは彼女を騙して性的な奉仕をさせたことがありました(スー・アンはベンだと思い込んでいたが、よく知らんクソ男だった)。そんなことをさせておいて、どの口でそんなことを言うんだい!といわんばかりにスー・アンのストッパーは外れ、メルセデスがまず轢き殺され、次に口うるさい職場の獣医(彼女は獣医のクリニックで働く看護師。なお、医師は悪い人ではなく正当な注意しかしていないです)が殺され、次は高校生たちだ!

彼女たちは呼び出されて薬で眠らされます。目が覚めて鎖でつながれている高校生たちですが、イケメンのチャズはアイロンで肌を焼かれ、おしゃべりなヘイリーは口を縫われ、ダレルは「黒人はひとりでいい」という理由で白く塗られ、アンディはベンの息子だから熱烈にキスし、卒業アルバム用に記念撮影もさせられます(撮影は主人公)。

やってきた警官は殺されるも、助けてくれたのはなんと、娘のジーニー!彼女が母の行いを知り、それを深く恥じて同級生を助けることを選びます。えらいぞ!

そして母親を地下室の階段から突き落としてみんなで脱出、火が燃え広がって家が焼失!(どうでもいいが、ラップみたいに韻を踏んでしまった)と大事に。実は既に殺されていたベンのそばにいき、添い寝しながら自らこんがり焼けるのを待つスー・アンであった…

という衝撃のラスト。いや、ホラー映画としてのギャグセンもわりと高い映画だったのでは?

美女のマギーに「お前の席ねぇから!お前、撮影係だから!!プギャー」とやるシーン、そしてアンディとねっとりキスシーンは衝撃的でしたね。

関係ないけど、マギーの母親がジュリエット・ルイスだったんです。彼女は地元に出戻りしたのですが、カジノでドリンクを運ぶバニーガールみたいな仕事をしている設定にもびびりました。ジュリエット・ルイス、キレイだけどさ。このバニーガールみたいな恰好にジャケットひっかけて通勤してるのはすげぇな。あと、この母親の職場でできた友達がすごくいいおじさんなんですけど、そこはかとなくオネエだったのも気になった。かわいいおじさんでした。

非常にわかりやすく面白い、そして後味も悪くない(実は生きていて…とか、そういう裏切りがないから安心して見られるともいえる)ので、この手の映画をぱぱっと摂取したい時にはおすすめ。