バッドエンドぶりがピリ辛すぎる!15歳の恐ろしすぎる夏『サマー・オブ・84』

2017年の『サマー・オブ・84』を見ました。要は「1984年の夏(におきた、あのできごと)」みたいな意味ですね。カナダ映画ですが、『スタンド・バイ・ミー』のような郷愁を感じられつつ、ピリッとスリリングで、かつ後味が悪いホラーです。

1984年の夏。記者の父を持つデイビーは、犯罪事件のことを考えるのが大好き。隣人の警官・マッキーが自宅に少年を招き入れていたこと、さらにはその少年が失踪したことから、マッキーが殺人犯ではと考えるように。

その行動は徐々にエスカレートし、仲間を巻き込みながら推理が続きます。仲間はぽっちゃりで愛情深いウッディ、不良のイーツ、メガネでシニカルなファラディの3人。『グーニーズ』やら『it』やらを思い出すようなメンツですが、中盤まではさわやかな青春サスペンスなんですよ。

しかし、親にその行動がバレてからイーツとファラディは協力しつつもほぼ離脱(イーツは家庭環境に問題があり、そのせいで深く悩んでいたこともある)。

ウッディと、デイビーが好きな年上の幼馴染・ニッキーがデイビーに協力して、マッキーの家の地下室に入ります。

そもそも、マッキーは初登場シーンでデイビーに「15歳か…冷凍保存したいほどいいねェ」みたいなことをねっとり言い出したので、こんな気持ち悪い警官がサイコパスじゃないわけないだろ!吉良吉影みたいなこと言いやがって!と思っていたのですが…

案の定、地下室にはバスタブに入った死体・拉致された少年(生きてる)・ターゲットとなった少年たちの家族写真(戦利品として飾っているのか?)など、危ない証拠がザクザク。しかもデイビーは、次のターゲットが自分だったことを知って…

マッキーは逃亡し、デイビーとウッディはデイビーの家に戻ります。そして眠りにつくのですが…なんとデイビーの家の屋根裏に隠れていたマッキー!2人の少年を拉致します。

いや、マッキーの家を調べている警察もいるだろうし、加害者が逃亡しているなら逆恨みの可能性を考えて警官が配置されないか?? 入るのはできても、2人の子供を連れてよく脱出できたなぁ。そしてデイビーの親はグースカ寝てたのか?? 私ならその日は家族全員で寝るわ… というムカつきの気持ちでいっぱいになりました。

森の中で強制鬼ごっこをさせられ、殺されるウッディ(かばってもらったのをかばい返すという、ものすごいいい奴)。「お前はすぐに殺さない、いつか殺しに行く。その恐怖に何年も何十年も怯えて震えていろ」と言いながら、姿を消したマッキー。

夏の終わり。キスまでしたニッキーはおそらく引っ越ししてしまい、友達ともバラバラに。

「連続殺人鬼もどこかの家に住んでいる。それはあなたの家の隣かもしれないんだ」

という、ものすごいシメの文句で終わります。

いや、ウッディのお母さんがかわいそうすぎる… そして、デイビーのせいじゃないんだけど、彼はずっと自分を責めるんだろうか。ものすごいバッドエンドですよ、これは。残酷なシーンはちょこっとしかない(子供の遺体損壊シーンはイヤですね…)のに、めちゃくちゃ後味悪いの。

84年らしさ、みたいなファッションやメイク、髪型、セットはすばらしい。昔の映画を見ているようでした。また、マッキー役の俳優さんもうまいので、引き込まれました。