呪われてるわ!よし、家を24時間増築し続けよう!という思考が怖い『ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷』

ウィンチェスターハウス

2018年のアメリカ映画『ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷』を見ました。

アメリカでも有名な心霊スポット(というのだろうか?)であるウィンチェスターハウスを建てた女性にクローズアップした話です。

ウィンチェスターって地名だと思っていたら、名前なんですね。ビックリ。しかもウィンチェスター銃を作った会社の人なのか!知らなかった。

ウィンチェスター銃で死んだ人たちの霊に呪われていると信じている未亡人が家の増築を繰り返しまくり、会社の経営陣は精神科医に鑑定を依頼。しかし、鑑定のさなか、彼女の姪の息子が霊に憑依され…!?というシンプルな展開です。

主人公がチョイワル精神科医であり、一度ウィンチェスター銃で妻に撃たれて死にかけた過去を持つことから、不思議な縁でこの憑依騒ぎに関わっていきます。この設定は面白いですね。

この映画のみどころのひとつは、ウィンチェスターハウスの様子を垣間見えるということ。まぁ、めちゃくちゃ変わった間取りってところです。ただ、それ自体はあんまり怖くないですね。霊と合わせ技で怖くなるって感じ。いるだけでゾクゾクする建物っていうわけではない。

見どころのもうひとつが、憑依騒ぎ。ウィンチェスター銃でテロ騒ぎのような殺人劇を巻き起こした犯人の幽霊が家に棲みつき、召使の中に紛れているという設定は面白い。正体がバレると大暴れする幽霊、必死で戦う精神科医と未亡人。ここらへんはサラ夫人を演じるヘレン・ミランとエリックを演じるジェイソン・クラークの演技でがっつり魅せられます。ヘレン・ミレン、私はあんまり詳しくないのですが、日本の女優さんで言うと岸田今日子さんのようにはんなりしっとりしつつ、芯のある感じで素敵。ただ、やってることは家の増築という狂気…

なお、霊を部屋に閉じ込めるために増築しまくっているのですが、職人さんは24時間働きっぱなしなんですね。工事の音がすごくうるさそうだけどよく耐えられるな。

正統派大衆向けホラーという感じですが、カップルで見るのに向いているとも言えず、誰に勧めたらいいのかわからない。怖いけどすごく怖いわけじゃない、ラストはいい話だけどそれだけでこの話を勧められない。サスペンス好きの人?幽霊好きの人?そんなざっくりした嗜好の人いる?

わかりやすい反面、ニッチな勧め方ができないんですよね。うーん、建築好きにはハマりそう。