バカばっかり!ゴンドラで雪山遭難したら全部が悪い方向へ行く『フローズン・ブレイク』

2018年のロシア映画『フローズン・ブレイク』を見ました。年越しを山頂で迎えようとゴンドラに乗ったら遭難してしまった4人の男女のお話なのですが、平たく言えば「自業自得」以外の何物でもない。

登場人物のほとんどに感情移入できないイライラサスペンスです。

登場人物をまとめると

カーチャ:イライラ度95パーセント。やたらと動画撮影にこだわり、「他の人と同じ人生なんてイヤ」というふざけた理由で彼氏のプロポーズを断り、妊娠をなかったことにしようとしている。主人公補正で頑丈。

キリル:イライラ度50パーセント。健気ではあるが、時々の行動にDQNらしさがにじむのがホント無理。

で、アマゾンプライムの吹き替え版で見ていたのですが、その時にはロア、ベン、リクと呼ばれていたと記憶しているのですが、確認するとデニス、ヴィク、マーシャでクレジットされているからわけがわからない。誰か教えて!(嘘)

カーチャの女友達(たぶんマーシャ?):イライラ度25パーセント。比較的まともな人だが、彼氏がピンチになると狂うので目に余った感じ。ただ、これくらいの感情のふり幅は理解できる。

女友達の彼氏(たぶんヴィク?):非常にまともな人。だが、カーチャと付き合いがあるくらいだから、この人もおかしいのかもしれない。冷静で理知的。だが、ドジっ子。惜しい!

デブ(たぶんデニス?):イライラ度100パーセント。なんできたんだかよくわからないデブ。カーチャが好きらしく、隙あらば口説きまくる。しかし、ピンチになると殺しにかかる。利己的。なんでこいつと友達なんだ。

ストーリーもイライラ度が高い。年越しを山頂でするために(というよりもそれを動画撮影するために、というあほらしさ)ゴンドラを手配した5人ですが、カーチャへのプロポーズ用の指輪をどこかにやってしまった彼氏はゴンドラに乗らず、二人の恋は終わります。

そもそもこの人たちが大遅刻してきたのでゴンドラは運転されない予定でしたが、金で抱き込んで動かしてもらいます。そしてその抱き込まれたおっさんは事故で滑車に巻き込まれ死亡。クロックタワー2でこんなの見たわね。

ゴンドラの中で最初は浮かれていた4人ですが、動かない→寒い→パニック状態に。カーチャだけは反対したものの、女友達の彼氏が床面を外してハーネスとロープを使って100メートル下に降りようと提案。いやいやいやいや、無事に降りられるわけないだろ。降りられても遭難するでしょ。

案の定山が滑落するわロープが外れるわで男性陣2人が落ちかけ、デブがロープを切って一人だけ生還。彼氏が死んだ女友達も大暴れした挙句にケガして脱落(いつの間にか眠るように死亡)。

カーチャとデブは大喧嘩になり、ゴンドラの横にぶら下がったカーチャをバールでぶん殴ろうとするデブという地獄絵図を経て、デブはゴンドラから落下。

床面も一部落ちているし、ゴンドラも破損し始めて(よく今まで大丈夫だったな…)追い込まれていくカーチャ。ここで心を改めて彼氏と結婚する、子供も産むと決めます。いや、相手の気持ち…

とはいえ彼氏も途中で異変に気が付き、帰宅しかけていたのを戻ってきてくれて助けてくれます。しかし、偶然出会って親切にしてくれた除雪車?の男性にめっちゃイキリまくるところがイヤでした。(故障したゴンドラを動かすために手伝ってもらっているのに「もっとひけー!もっとだ!」と命令。雪国の人のほうが勝手をわかっているのでは??)

主人公だけ助かるエンドですが、ちょこちょこ気になるところがあって集中できませんでしたね。ゴンドラの胴体(っていうのか?)を触って皮膚をもっていかれる時といかれない時があるのとか、主人公だけセーター姿でも大丈夫だったり(昼間だから?にしても寒くないの??)。

あと、友達の写真を燃やして暖をとろうとしていたら、次の瞬間にガラスが割れて風で火が消え「なんでよぉ!!」と怒ったところはまるきりコントでしたね。

死にかけている時に思い出しているのが彼氏や友達じゃなく親との記憶なのもなんだか生々しい。

10年以上前にリフトに宙づりになる『フローズン』という映画もありましたが、まぁ、どれも山をなめるな!って結論しか出てこないですね。