美しい少女たちを集めた森の中。彼女たちは何も知らず踊り続ける『エコール』

エコール

2004年の映画『エコール』を見ました。ベルギー/フランス映画。ギャスパー・ノエのパートナーであるルシール・アザリロヴィックが監督したミステリアスで美しい映画、という触れ込みであります。「約束のネバーランド」を思い出させる、子供たちが大人たちの思惑に気付かないまま隔離されて暮らし、いつしか真実に気付くという内容。

ストレートに申し上げて、美しさ・繊細さというオブラートの中にロリータ・コンプレックスの異常性と気持ち悪さが包まれて描かれています。まぁ、キレイに描いているけれどイヤーな気持ちになりますね。監督は意図してそうしているのでしょうけど、イヤーね。

主人公のイリス(ちなみにこの子だけアジア系)は突然家からさらわれてきて、少女たちだけが暮らす謎の家に棲むことになります。森の中、塀に囲まれて外には出られない彼女たち。リボンの色で年齢が色分けされ、一番年上の少女は黒、年下の少女は赤のリボンをつけることになります。

と、ここから1時間ひたすら少女たちの日常が描かれるのですが、まぁお美しいのですね。大人もきちんといて、使用人やバレエのレッスンの先生、子供たちを取りまとめる先生、さらには校長も存在しています。もちろん全員女性。

主なエピソードは、イリスの友達のローラがボートで外に脱出しようとしてそのままボートが沈み、死んでしまうというもの。

そして、もうひとつはイリスと同じ寮のアリスという少女の話。少女たちが外に出るには黒リボンの順番が来るまで待たなければいけないのですが、待てないアリスは校長に選ばれる特別レッスンにすべてを賭けます。校長に選ばれると、特別に先に外に出られるのです(このあたりで勘のいい大人はえっ…それは…もしや?と思うだろう)。練習に打ち込む彼女に、先生は「あなたは選ばれないと思うよ」とくぎをさします。

当日、やっぱり選ばれなかったアリス(ちなみにバレエを見せて決めるのですが、めちゃくちゃ踊りがうまくてかわいい子が選ばれた)。彼女は塀を越えて脱走し、二度と戻ってきませんでした。どうなったのかは不明!

そして、終盤。実は年上の少女たちは夜な夜な謎の劇場で踊りを披露していたのですが、ビアンカは次の舞台で卒業を言い渡されます。このあたりから使用人は子供たちを見張るお目付け役兼劇場スタッフ(集金係)であることもわかりますし、見に来ている観客はおそらくオールロリコンであることも想像に難くない。

ビアンカは観客から「君が一番美しい」と言われて薔薇を投げられて微笑みます。そしてその夜、ある部屋にいるビアンカ。薔薇と劇場の客席で拾った手袋を持っています。自分で手袋をつけ、太ももをなでさするビアンカ(恋への憧れを表しているのか)。

しかし、次のシーンでは池に思いっきり薔薇と手袋捨ててるのね…

その後、ビアンカたちは謎の電車(この施設、電車も私設で持っているのか…??)に乗せられ、先生たちに案内されて都心に戻ります。外に出て興奮するビアンカや他の少女たち。噴水を見つけ、靴だけでなく上着まで脱ぎ捨てて中に飛び込むビアンカ。びしょ濡れでしどけない彼女に近付く同世代のイケメン。水柱越しに微笑むふたり…

という終わり方。ちなみにビアンカちゃんはほんとにかわいらしい女の子です。

おそらく、考察するとこの施設はロリコンのお金持ちの出資で成り立っており、彼女たちは誘拐されてきたのか?それとも親や施設に売られてきたのか?は不明ですが(イリスは弟には会いたがっていたが、両親のことは不自然なほど口にしていない。他の子たちも)、美しい少女たちを集めることを目的とされている模様。

体には絶対に傷をつけさせず、バレエのレッスンをひたすら行い、清らかで愛らしい少女を作り上げ、そして「卒業」の日あたりで客に売るんですね… ゾッとするわ…

アリスは家に戻ったのか、それとも殺されたのかも謎。そしてアリスが得ることができなかった「先に外に出られる権利」というのは、ビアンカの年齢(12歳)では満足できない男に買われていったのか…? と気付くとさらにゾッ。

なお、先生たちはそれをすべて知っており、なんとなくですがこの施設の卒業生っぽいエピソードもあってさらに怖い。2人しか出てこないけど、美人なのもより怖い。

「外に出たら、私たちのことは忘れてしまうわ。すぐに」と先生たちはビアンカに言い含めていましたが、そんなことあるか?外の生活が刺激的でも、施設の異常性のことは忘れないと思うが。

また、ビアンカたちが外に出る時、最初は大人たちが先導しているのですが、噴水につく時にはだーれもいないのも怖い。これからどうするんだこの子たち。現世に帰された、みたいなことなのでしょうか。

非常に美しいのですが、ちょっと媚のある美しさという感じで、私は二度と見ないと思います。あまりに無防備すぎてハラハラするわ。無防備は美しさでもあると思うのですが、これだけあけっぴろげだと心配になる。ただ、好きな人はすごく好きだと思う世界観。

ただ、フランスかベルギーかよくわからないけど、あちらのロリータ・コンプレックスをこじらせた方々は薔薇投げて求愛したりするんですね。その行動力はすごいなあと思いました。

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