前半は西部劇、後半は色白プレデターによる解体ショー『トマホーク ガンマンVS食人族』

トマホーク ガンマンVS食人族

2015年のアメリカ映画『トマホーク  ガンマンVS食人族』を見ました。なんと132分もある!のも当然、主人公は死霊館シリーズでもお馴染みのパトリック・ウィルソン、準主役をなななんとカート・ラッセルが演じております。

「映画史に残る、衝撃のラスト30分」とありますが、たしかにびびりましたよ。

ベースは西部劇なのですが、中盤まではさらわれたアーサーの嫁を探す4人の男たちの“ロードムービー”です。とはいえ、わりと単調っちゃあ単調かも… と思っていたら、途中から激変。

食人族と呼ばれる部族が登場してから映画の雰囲気が様変わりします。

体を白塗りにしているフンドシ姿の部族は、アーサーの仲間(アーサーの嫁のことが好きで、家族を部族に殺された過去を持つキザ男。プロフィールが漫画みたいだな)のブルーダーを殺し、ハート保安官とその補佐をするチコリーを洞窟にテイクアウト。襲撃された時に弓で射られたり、チコリーは額を割られたりとこれまでの流れとは違うえげつないビジュアルが出現。

しかしこれだけではもちろん終わらない。洞窟にはさらわれたアーサーの嫁も監禁されていて、保安官の部下(嫁がさらわれた時にそばにいた)は重体。その部下は彼らの目の前で殺されてしまう。しかも頭を剥かれ(脳みそボロン)、逆さにされて股間を割かれて…

ひとりだけ部族の手を逃れていたアーサー(足が悪いので後から到着する予定だった)のために部族の数を減らそうとする保安官だが、そのせいで部族の男に殺されかける。

辛くも間に合ったアーサーだが、保安官の傷は致命傷だった。保安官は町のことを知っている部族を殺すとその場に残ることを決意、アーサーと嫁とチコリーはその場を脱出する。

というラスト。この部族はルックスは明らかじゃないものの、ちょっとプレデターっぽい感じに見えなくもない。しかし保安官の部下の殺され方だけがひたすらにエグい。食べるために解体しようとしたのかしら。にしても脳みそを出したのは…珍味扱いか? 股間から割ったら消化器が傷ついて味が落ちそうだが。私はなぜ食人族の立場に立っているんだ。 それにしても、このための132分だったのか。

あっ、ちなみに物凄い撃ち合い(アクション)とかはありません。地味な撃ち合いはあるけど。ただ、地味なだけにアーサーが銃の装填にモタモタしているだけで膀胱が体内で暴れ出しそうなほどドキドキしました。

パトリック・ウィルソンのイケメンぶりも堪能できるし(なぜか濡れ場もある)、カート・ラッセルのイケオジぶりも素敵。とぼけたおじいちゃんのチコリーもかわいい。冒頭でコーンスープを食べる場面があるのですが、何か全然わかってなくて(「コーンの味がしますな」「コーンスープだからン」というおもしろシーンがある)「このじいさん大丈夫か…?」と思ったけど、後半ではめちゃ頼りになりましたよ。

ただ、アーサーくんは途中で足を切断する・しないの話で揉めていたのに、後半ではフツーに徒歩で帰宅していたので大丈夫かな?とは思いました。壊死してる足で帰るって超大変そう。

ちなみにこの映画の監督は『パペット・マスター』のリブート版の脚本を担当した方だそうです。は、はぁ~なるほど道理で…