心に残るは高島礼子の犬演技。邦画ホラーの頂点は今ココなのですか?『犬鳴村』

犬鳴村

めちゃくちゃ怖いという口コミが多かったものの、そのウソに2分で気付いちゃった映画『犬鳴村』。2019年公開。その後シリーズ化され、『樹海村』『牛首村』シリーズが出ていますね。

主演は三吉彩花。本当に実在する心霊スポットとその都市伝説をベースにして、犬鳴村の呪いと謎に翻弄されるヒロインとその家族を描いています。

とはいってもさあ、予算不足なのかわからないけれど、村は全然出てきません。私はそれを期待していたのですが。廃墟っぽい村見るの大好きなので。ドラえもんの漫画に登場するダムに沈む村の描写とかにも、ノスタルジーと寂しさと美しさを感じていたタイプ。

トンネル、峠、鉄塔、公衆電話とかは出てきますが、SIRENっぽい村を期待していたら損します。

ストーリーを振り返りましょう。

まず、カップルユーチューバーが犬鳴村を見に行って襲われるところからお話がスタート。はい、萎えた!ユーチューバーから話が始まるの、本当に邦画だと多いですよね。『としまえん』でも見たパターン!『サニー/32』だとニコニコ動画のドローン少年をモチーフにしたキャラが出てきてたけど、あれは面白かった。

主人公の臨床心理士の奏は、幽霊が見える特異体質。奏の兄が冒頭のユーチューバーであり、一緒に撮影にいた彼女が狂ってしまったことで家族も崩壊し始めます。だって彼女、おしっこしながら徘徊してそのまま鉄塔に登り、目の前で鉄塔から飛び降りて自殺しちゃうんです。

兄はワル仲間を連れてまた犬鳴トンネルを訪れますが、こっそりついてきた幼い弟ともどもトンネルの奥に引きずり込まれて失踪。探しに来た母親(高島礼子)は発狂、地元の名士の父(高嶋政伸)もふさぎ込むようになります。

逃げることができた兄の悪友たちも次々と亡霊たちに連れていかれてしまい(電話ボックスの中に立てこもったら幽霊に取り囲まれ、中に水が満ちてきて溺死という目まぐるしい展開)、何か知っているらしい父を問い詰める奏。同じく何かを隠していた父の知り合いである医師(寺田農)も亡くなり、わりと八方塞りになります。

犬鳴村はわりと幽霊が大量に登場し、ぼんやりとした形状(輪郭がゆるく描かれていて)でおどろおどろしくそれでいて素早く動く感じ。わりとこういうところにキャストを割くのは好感度が高いですよね。

実は奏の亡くなった祖母は霊能力があり、犬鳴村の出身であることが祖父の口から語られます。

ここで謎の青年と接触した奏は村を撮影したフィルムを見せられます。

  • 犬鳴村では山犬を食っていたからそういう名前がつけられた
  • 謎の人たちが現れて村人を助ける、正体は電力会社。彼らは徐々に村人を従えるようになる。
  • 村人の敵の子孫にあたるのが奏

このあたり、プロジェクションマッピングを使って奏の白シャツに当時の村の残虐な行為が投影されたりとカッコイイ演出が続きます。しかもその中から幽霊がはい出てきたりする演出もあります。

幽霊に追いかけられ、投身自殺の遺体が車に落ちてくる幻覚を見て、さらに車の後部座席に死んだ兄の彼女と悪友たちが乗り込んでくるし、追い詰められる奏。さすがホラー映画。なぜ仲良くもない人の後部座席に乗り込むのか、よくわからなくて怖いけど怖くない。相乗りしているという事実がなんだか和ませるし。

しかもお母さんは狂ったまま犬になっており、残飯を食べて楽しそうにしています。しかしたびたび出てくる「犬が白ければ、尾も白い(お面白い)」というセリフでゲラゲラ笑うの、怖いよりもすべってて引いちゃうよ。マジでおやじギャグじゃないか。別の意味で真顔になっちゃうわ。

犬鳴村を訪れて兄弟を探すことにした奏ですが、なぜかすんなり入れた上に、なぜかフィルムを見せてくれた謎の青年が待ち受けていて村を案内。無事に兄弟を発見できます。とはいえ、電力会社に殺された村人たちの遺体を山犬が食っていて、このシーンは怖い。

謎の青年・成宮の目的は、奏に自分と摩耶という少女の子供を託すこと。抵抗する摩耶ですが、「この村の血を絶やすな!」という成宮の暴走で奏と兄弟はトンネルまで脱出。犬と交わったと噂を流されたのは摩耶でしたが、それは当たり前だけど間違いで、摩耶には愛犬がいて彼女を守っていたよう。しかしこの犬がさっき人肉を食っていたような… 犬違い??

しかし諦められない摩耶は犬化(牙が生えてウネウネとステップを踏みつつ追走してくる)し、追いかけてきます。しかも自殺した兄の恋人も赤ちゃんを取り戻そうと邪魔をしてきて… そう、この女の子も妊娠していたんですね。

お兄ちゃんは奏と弟をかばって村の闇に呑まれ、2人はおじいちゃんの家の前で倒れているのを発見されます。救った子供=奏のおばあちゃんってことなんでしょうけど、さらっとタイムスリップしているのはなんなんだ。そしてお兄ちゃんはダムで遺体となって発見されるのですが(発見者がダムを見て「海キレー」と言っている謎のギャグも見どころのひとつかもしれない)、その遺体には2人分の白骨遺体がしがみついていて…

って、摩耶は子供を連れていかれて感情的になったのはわからんでもないが、成宮までどうしてしがみついてきたんだろうか。アンタが子供を託したのでは?

病院に戻った奏は、担当だった子供の退院のお見送りへ。遼太郎くんは奏と同じく霊が見えるのですが、ラストに目がぐりぐりっとひきつけて黒目だけになってびびった。どうやら彼もまた、犬鳴村の末裔なのか…?そして彼を見送った奏も黒目で牙が生えており… と、バッドエンドを予期させる終わり。

なんだかよくわからない感情しか残らない。というよりも、高島礼子のキレキレの演技しか残ってない。

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