こんな怖くないゾンビ映画あっていいのか。虹のコンキスタドール主演ホラー映画『聖ゾンビ女学院』

聖ゾンビ女学院

2017年の映画『聖ゾンビ女学院』を見ました。聖と書いてセントと読むらしい。あー、こっぱずかしい。

主演は虹のコンキスタドール。既に解散しているってとこが悲しい。もう少し早く見ればよかったね。

そういやゆるめるモ!も解散したと思ったらまだ続いてました。勉強不足ですみません。最初「あの…ゆ… ゆ… あっ、ゆりありくだっけ…」と思ったのもごめんなさい。猿かわいいよね。

で、それはいいんですけど。虹コンはあんまりメンバーのこと知らなかったのですが、みんなかわいいですね。でもこの映画自体はなかなかにベタベタ展開×イミフ脚本という、アイドルホラーらしい仕上がりです。

もともとのストーリーが新型ウイルスによってゾンビが増殖して文明の99パーセントが消滅した世界が舞台。ゾンビじゃなくて「ギンプ」と名付けられているのがまずよくわからない。どうしても『フォレスト・ガンプ』が頭をよぎる。

で、主人公たちは隔離された女学院で戦闘訓練に励んでいるのですが…という設定もなかなかにキてる。ひたすら座学、銃、座学、銃であります。食料がないから謎のゼリーを食べさせられ、たまに混入している虫はご馳走という描写でおなかいっぱい。

ちなみにキャスト名は芸名と同じなので、その点はアイドルの名前を覚えるのにはいいですね。ただ、それでもどの子が主演だったのかすっかり忘れてしまいました…

※調べたら奥村野乃花ちゃんでした。私のパソコンでは一発変換できない…

お話を振り返ります。

主人公の野乃花は自分の母親が目の前でゾンビ化する夢を見て悩んでいた。というところから話はスタート。

ちなみにこのシーンは相当グロい。ほっぺたがべろんと剥がれ落ちるところなんてブルっちゃいます。ただ、この世界観のゾンビの特徴で目が青く光るという演出があるのですが、これが最高に安っぽい。チープだね、というよりもMADっぽく見えてしまう。いや、アルバトロスっぽいとも言える。〇〇シャークとかである演出だ。

で、冒頭は学園生活の描写になるのですが、敬礼のシーンで『愛には愛を、死には死を!』(キリッ)と復唱したので座ってもないイスからズッコケ落ちました。ちなみに生徒は7人だけ。もちろん男はいません。女子校なんだけど、制服シーンは少ないし、こういう映画でありがちな教会でお祈り描写もないし、ちょっと物足りない。劇場版『零』みたいな、ゴスっぽくてかわいい制服なら見てて飽きないんだけど… まあオカルト映画じゃないから無理か。

どっちかというと、タンクトップのシーンが多いんですよね。アクションシーンが多いからでしょうが。運営にミリオタがいたのかな?

おそらくそれぞれの担当カラーのジャージを着て銃の稽古に励むのですが、それをただただ繰り返す毎日。クラスメイトの中には自分たちがなぜここにいるのか、どうやって物資が供給されているのか、不自由なく暮らせるのには理由があるのかと悩んでいる子もいます。

そんな当たり前の日常が続く中、ギンプとの戦闘訓練でモタモタしていた野乃花をかばって友達の萌が噛まれてしまいます。すぐ殺処分されるのかと思いきや、隔離処分となる萌。彼女を助けようとする乃野花と学級委員長の恵実里。しかし、そこで校長(いかにも黒幕)に見つかってしまいます。

実は生徒たちはギンプと人間のハーフであり、そんな彼女たちを兵士として利用しようと訓練を続けてきたこと、野乃花、萌、恵実里の3人は同じギンプから生まれてきた姉妹だったことがわかります。実は3人が同じ夢を見ているという伏線があったのですが、それは同じギンプから生まれたからさ… と言われて納得できる人がいるのでしょうか。あ、三つ子ってこと??相当似てない三つ子ですね(かわいいけど)。

しかし、そんなヨタ話をしているうちに学園が停電になり、大量のギンプが学園になだれ込んできます。合流した7人は、自分たちの部屋でギンプを待ち受け、とにかく撃ちまくる。そしてバックに流れる虹コン歌唱の劇中歌。悲壮感もなにもないので、「お、おう」としか言えない。

こういう銃乱射のシーンって、「信じていた大人に裏切られた!」「親友を目の前で殺された!」みたいな、怒りと悲しみで顔を歪めながら発砲。みたいなのが正しい流れだと思うんですよ!!この映画だと、もう余裕で勝てるっしょ(そもそも彼女たちはハーフなので、ギンプに襲われることはあっても噛まれたところで感染しない)みたいなノリがあるのが嫌だ。助かるの前提、全滅しないの前提、みたいな設定の撃ち合い見てて楽しいか?

で、主人公をネチネチいじめていた女軍人に行く手を阻まれるもお腹を撃って退け(でもこの人、起き上がってギャーギャー怒ってましたけど)、校長は7人で八つ裂きに。わりとおぞましいのが、校長が「僕は君たちのお父さんなんだよ(ネットリ)」と言い出すのが最高にレジェンド校長でしたね。ってことは、7人は異母姉妹なの?そのうち3人は母親も同じってこと?すげえ複雑ですね。

そして彼女たちは実は文明は消滅していなかった(ズコー)ということも知り、用務員のおじさんの助けを借りて渋谷107(マルナナっていうのか?)を目指すことに。しかしおじさん(この人、プリンプリンの田中さんかと思っていたら違ったようだ…)もギンプ化してしまい、途中から徒歩になります。霧の中、森以外何もない道をまっすぐ歩いていく7人。マジで何もない。渋谷まですっげぇ歩いたんだろうな。でも対向車線をぼんやり歩いていたらはねられますよ!

そして渋谷について、ウキウキ店を覗いているところでエンド。「私たちはこれから、なんだってできる!」的なエンディングかな。スクランブル交差点をサカサカと何度も走らされたり、渋谷109を見上げたり、センター街をうろついたりする映像が流れて終わるんですけど。

にしても、生きていくには金がないだろ、金が…という気持ちになってしまうのは、大人の哀しいところですね。ゾンビメイク自体はすごくよかったんですけど、ホラー嫌いでも見られるゆるっゆるの優しい映画です。

一番ビックリしたのが、用務員さん役かと思ってプリンプリンのことを調べていたら、今までうな加藤さんだと思っていた人が田中章さんだった。びっくりした。どうでもいいですね。あと、「プリンプリン」と検索エンジンに入れたら『プリンプリンのお尻』とワードが補足されてびびった。もっとどうでもいいですね。