大晦日に身内のクズ4人で殺し合う惨劇の侘しさ「トーナメント」

トーナメント

「ウォーキング・デッド」の製作が関わっていると聞いたけれど、それに期待しないほうがいい。むしろ、ベクトルはまったく違う方を向いている映画であります。

パッケージからは「悪い奴らが集められてバトルロワイヤルで殺し合いをする話?」という印象を受けますが(そういえば就活試験がデスゲームに発展するというホラー映画もありましたが、今の日本のコミックってこんなんばっかしよね)、実は全然違う。

登場人物は主に4人。
何でもできる賢い姉・リンジー。リンジーのヒモと化している夫・ジェフ。リンジーとは正反対で男にぶら下がって生きる美女・ハンナ。そしてそのろくでもない彼氏・リチャード。

物語はリンジー夫婦が交通事故を起こし、人をはね殺してしまったところから始まります。しかも、男はなぜか夫婦のことを調べていたようで…?

実は、ハンナの彼氏が詐欺師であり、それが発覚して殺されたらしいものの、だまし取った金はまだ隠されていました。ハンナはその在処を知っていて狙われたというわけ。ジェフとハンナがその金を確保しに行き、大金をゲットします。
しかしその頃、家に留まったリンジーのもとには刑事が現れます。いかにも怪しいイケメン刑事。ハンナを狙う輩か!?と思いきや、その正体はハンナの彼氏・リチャード。しかしそれを知らないリンジーは彼のことをボコボコにして監禁することに成功します。

じゃあ殺された人は誰?と思いきや、ハンナの無事を確かめるための使いだったらしい。本当だったら、かわいそう…
再会したハンナに金を持って逃げようとほのめかすリチャードですが、ここらへんから話がこじれていきます。

リンジーは夫のジェフが大金のことを隠しておこうとしたと妹伝いに知りイライラ。
でもリンジーはハンナとリチャードがおそろいのアクセをつけていることに気が付きます。彼女とおそろいのアクセをつけている悪人っているのでしょうか。高校生か??

なんだかんだで悪人とみなされたリチャードは夫婦から拷問を受けます。ノリノリになったジェフはリチャードの歯を折り、遺体となって発見されても身元を隠すと宣言。
しかしリンジーは夫が妹までも殺そうとしているんじゃないかと疑心暗鬼に。喧嘩になります。

その裏でリチャードはハンナをあっさり絞殺。ジェフとリンジーも揉めていましたが、リチャードがジェフを殺害して、リンジーも殺されそうに。
しかし、警察に通報していたリンジーはやってきた警察官に助けを求めることに成功し、リチャードも射殺されて終わり。

最後はリンジーが金をゲットするのですが、実はしおらしくしていたハンナが金をまだまだ隠ししていたと見抜いており、残りの大金も全部ゲット。ラストシーンでは悲しみに浸るどころか、最後の最後でニチャニチャと笑うリンジーの笑顔でシメです。

ハンナは姉を騙そうとしていたし、ジェフもリンジーを騙そうとしていた。その彼らはリチャードに殺され、でも最後に笑ったのはリンジーだった。ということなのですが、この釈然としない感じを楽しむ映画なのでしょうか。
最大の盛り上がりは「殺した男が自分たちのことを調べていた」というミステリーなんですけど、そこにトリックどころかオチもないので悲しくなった。そもそも4人しかいないトーナメントってなんなんだ。

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