パンツをかぶった殺人鬼の下品な殺戮劇「ドール・フェイス」

ドールフェイス

ホラー映画といえば「女性が脱ぐ」イメージがありますね。たま~に「こんなに美人の女優さんでも脱ぐんだなあ」とギョッとする映画もありますが、ほとんどの映画では「しまえ!しまえ!」と連呼したくなるようなおちちがボロンと出てきて悲しくなります。
おわんのような入れ乳。おばちゃまの垂れ乳。まったく売名行為につながっていない無駄乳。
2019年最後の映画にもそんなおちち(@岡田あーみん先生)が出てきます。「ドール・フェイス」。アメリカ映画。

簡単に言ってしまえば「13日の金曜日」な映画なのですが、こんなにしょうもない映画久しぶりに見ました。マジメに見たら損します。マジメに見なくても損しますけど。
そもそもDVDジャケにあるような『惨劇のドールハウス』なんて存在せず、殺人鬼の母親が人形を作る仕事をしていただけ。しかもDVしていたとかトラウマに関連しているわけでもなく、普通のカーチャンです。
心臓発作を起こした母のそばにいた少年、なんと母親の肉を食べて生きながらえ、なぜかそのまま殺人鬼に転身。その殺人鬼「クリノリン・ヘッド」を巡る物語であります。

そしてときは流れ…
クリノリン・ヘッドの被害者であるダナー教授(ちなみに被害者と言われているものの、具体的な描写もストーリーも本編には登場しないため、わたしゃ知らずに続編から映画を見たのかと思いました)から資料を盗み出し、殺人鬼について調べようとしている学生のデイビッドとジェイムス。そこにデイビッドのことを好きなシェルビーと友達のドナも加わり、現地調査に乗り出します。

一方、クリノリン・ヘッドが住んでいたと言われるエリアに現れたのはドラァグクイーンたち。クラブをどさ回り中のドラァグクイーンたちを襲うクリノリン・ヘッド!しかし、頭にドレスのような生地の布をつけ、顔に割れた人形の仮面をつけたデブがドラァグクイーンをぬるっと襲っているシーンって情報が渋滞しすぎ。

デイビッドたちはクリノリン・ヘッドが現在も住んでいるらしきエリアに到着したものの、若者たちが悪さをしないように見張りをしている番人・ベッツィと出くわしてビックリ。なんとか調査は許してもらえたものの、嫌われ者のジャネットやムキムキのスコットも後を追いかけてきて無駄に人数が増えていきます。

ジャネットと恋愛のことで喧嘩になったドナは、顔にタンポンを投げつけられる(使用済)という超ド級の侮辱を受け、処女を捨てることを決意。スコットの友達を誘って大麻入りのピニャータを割るという謎の遊びを始めたものの、クリノリン・ヘッドのイタズラですりかえが起こり、スコットの友達の腹をオノで裂いてしまうドナでありました。そのドナも腸で絞殺されるというすさまじい展開。無理ではないか?腸のパワーを拡大解釈しすぎです。
ここで殺人鬼の仮面の下の顔が見えるんだけど、特に伏線という訳でもなく、普通のおじさんであります。

ジャネットもそのへんで用を足そうと腰を下ろしたところに包丁があり(座ったタイミングで殺人鬼が包丁をスッと差し出しただけなんだけど)、死亡。
主人公の友達のジェイムスはテントから顔を出しただけで首をちょんぎられて死亡。
スコットはなぜかベッツィと関係を持ち、洗濯物の前で立ち小便をしている時(どうでもいいけどすごくマナー悪いですね)に足元をひっくり返されて車の下に引きずり込まれて死亡。
ベッツィはベッドの中にいる殺人鬼をスコットと間違えて殺されて死亡。このあたり、ベッツィのおちちが見えるんですけどまったく嬉しくない。

デイビッドとシェルビーがキャンプに戻ってくると、なぜかカニ用の捕獲罠を調べようという話に。カニ食べたいのか??が、そこに入っていたのはジェイムスの生首。逃げる2人ですが、唐突に自分たちを追いかけてきたダナー教授と遭遇します。
ここでシェルビーが「教授が殺人鬼だ」と言い出して逃げ、ジェイムスがそれを追いかけるというめんどうくさい展開になってしまいました。映画を見ている側(すでに脱落したくてたまらない)からすると「いや、どう考えても教授と殺人鬼の体型が違いすぎるのでは?」というシンプルな結論に至るのですが、シェルビーにそんなことがわかるはずもない(殺人鬼を直接見ていないから)。むしろシェルビーが殺人鬼の仲間なのかな?と思わせるほどのムチャクチャ行動です。

逃げたシェルビーはベッツィのキャンピングカーに隠れることに。そこにあった銃で殺人鬼を撃退するも、なぜか死なないクリノリン・ヘッドはデイビッドの胸にナイフを投げて殺してしまいます。追い詰められたシェルビーを助けたのはダナー教授でした。しかも、デイビッドってば胸にナイフが刺さったのにフツーにピンピンしていて、歩いて合流してきます。

帰宅しようとする3人ですが、クリノリン・ヘッドの大事にしていたオルゴールを見つけていじるダナー教授。そして教授の後ろには突然、死んだはずのクリノリン・ヘッドが現れ…

まんま『13日の金曜日』のジェイソンのような存在の殺人鬼なのですが、この映画のすごいところはずーっとお昼なんですね。殺人鬼って普通、夜の闇に紛れて襲いに来るイメージがありますが、この殺人鬼は白昼堂々やってきます。夜になると眠たくなっちゃうタイプなのかな?
殺しても殺しても死なない意味もよくわからないし、殺すターゲットを選ぶ基準もよくわからない(湖を荒らす人間だけを殺しているわけでもないし、カップルだけが憎いわけでもなさそう)。

ちなみにクリノリンについて調べてみたところ、19世紀なかばに流行した下着(といってもスカートをふくらませるために履くパニエみたいな感じ)の一種らしい。ってことは、端的に言えばパンツかぶった殺人鬼だったのか…???

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