中国のビーチは巨大サメにとって「すたみな太郎」なのか『MEG ザ・モンスター』

megザモンスター

2018年のアメリカ映画「MEG ザ・モンスター」を見た。ジェイソン・ステイタム主演なのですが、脳筋のムキムキおじさんが巨大なサメに勝っちゃうというトンデモネー話です。あと、「フィアー・ザ・ウォーキング・デッド」でトラヴィス役を演じていたクリフ・カーティスが脇役で登場。もしかしてこの映画に出演するために降板…??と思ったけど、なんで降板したんですかね。

とにかく中国での興行成績をあげようと思ったのか、中国推しがすごい映画。別に文句はありませんが舞台も中国近辺の深海、ヒロインは中国系アメリカ人の女優さん??となっております。

登場人物

ジョナス:主人公。ムキムキ。
スーイン:海洋研究所の所長の娘。無鉄砲。
メイイン:スーインの娘。おしゃま。

マック:ジョナスとは旧知の仲。プロジェクトの指揮をとる。
ジャン博士:偉い人。
ローリー:ジョナスの元妻。彼女の乗った探査船が行方不明になり、ジョナスが手を貸すことに。
DJ:ホラー映画によくいるおもしろ黒人枠。通信担当かな?
ジャックス:女の子。設計などを担当しているらしい。
ヘラー:医師。ジョナスが引退することになった事件で救助されたひとりだが、当時海のなかに化け物がいると主張して仲間を見捨てた(というより、優先順位をつけて他者を救った)彼を嫌っている。医師だってこういう選択を迫られる場面がありそうなものですが…???
モリス:研究所のスポンサー。化け物で儲けたいひと。
ウォール:ローリーとともに探査船にのった気のいいデブちん。
トシ:ローリーとともに探査船にのった日本人。演じるはマシ・オカ。

全体的に派手なシーンが多く、サメパニック映画としてはかなりの費用がかかっている印象です。
主人公のジョナスはレスキュー・ダイバーとして活躍していたものの、海の中に化け物がいると主張して変人扱いされ、そのままタイに行って世捨て人に。その後ローリーの乗った探査船を救助してもらうため、マックとジャン博士がタイに向かうのですが、とにかくジェイソン・ステイサムにタイっぽい格好が似合わない。酒に溺れているのになんであんなにムキムキなんだってくらいマッチョだし、竹で編んだような高い帽子かぶってるし…これが似合わないんだよなあ。

海洋研究所に連れ戻されたジョナス。無事にミッションを成功させるも、トシは犠牲になって死亡。ですが、スーインと喧嘩を経ていいムードになったのでそのへんの余韻はありません。しかし、シャワーから出たところに出くわして「キャッ!」(顔を手で覆いつつ指の隙間から見ているイメージ)となるシーンなんか、古典的すぎて少女漫画みたいです。ジェイソン・ステイサムの裸が見られるのはファンサービスなのか。サメ映画ファンは喜ぶのか??

その後、
・巨大なサメ、研究所の水中通路にガブっと噛み付いて歯型を残していく
・薬を打ち込んで殺すため、スーインが巨大なプラスチックのケースのようなものに入り潜水するが、案の定サメのおもちゃになる
・サメ、殺したと思ったら2匹いた(これもよくあるパターン)
しかも大概、残っているサメのほうがでっかいですよね。ここでウォールがぱっくり食べられ、ヘラーはジャックスを救うために犠牲になり、ジャン博士も死んでしまいます。また、化け物でこっそり大儲けしようと、巨大サメを殺すプロジェクトを独自に立ち上げていたモリスも勝手に食われて終了。しかもモリスがボートから落ちたと気付かない部下に置き去りにされる…というこちらも定番の展開。

サメを殺すために再度動き出すジョナスですが、問題はサメが中国のビーチに上陸したという点。中国のビーチはたびたびニュースでも拝見していますが、ナガシマスパーランドぐらいの大混雑。そしてこの映画でも、まさに芋洗い状態。しかし、ちょっとおバカなナンパ男や美人の水着ギャルをぱっくんぱっくん食べまくるサメくんであります。ジョナスとスーインたちが力を尽くし、サメをやっつけるのですが、正直パニックシーンのほうが面白い。「ピラニア3D」みたいにぱっくんぱっくんシーンをもっと増やしてくれてよかったのに。

こう思うのには、やはり全体的に荒唐無稽な設定があるからです。ジェイソン・ステイサムが強すぎて、さすがに水中でも息が続きすぎじゃない?(『浅草橋ヤング洋品店』の江頭2:50を思い出すわたし)とか、水中のロープにつかまって引きずり回されるのなんて肩が脱臼して無理じゃない?とか、気になるところが多すぎる。サメはアホみたいに強くて不気味でいいのですが、それよりもジェイソン・ステイサムの生命力が勝るというのが恐ろしい。

「サメ」はホラー映画における「ゾンビ」と同じくらいの“沼”だと思っているのですが、ただ、ちょうどいいハマり心地を感じられる映画っていうのが少ない。今後も研究していきたいものです。

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