「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」、2017年イギリス/アイルランド映画。「ロブスター」で知った監督で、後味の悪さや脇汗じっとり感ではトップクラス。たた後味が悪いんじゃなく、どこか文学的なのもいい。
主人公は心臓外科医のスティーヴン。彼は手術で死なせてしまった患者の息子マーティンをかわいがっています。
しかしマーティンは実はスティーヴンのことを恨んでおり、徐々に彼の家庭に入り込んでいき、親しい仲になってきたところでスティーヴンに家族を1人殺せと脅迫を始めます。たしか、選ばなきゃ皆殺しだったかな？
息子のボブはマーティンにストレスをかけられて体を壊し、娘のキムはたぶらかされる始末。スティーヴンはマーティンの母に誘惑され困惑し、妻のアンは夫が酒を飲んでから手術をして失敗したと知ります（夫の同僚に手○キして…）。
マーティンを監禁して痛めつけるスティーヴンですが、マーティンは自分の腕の肉を食いちぎって対抗。
マーティンの話を聞いたアンは子供のどちらかを殺すべきだといい、キムは自分を選ばないように媚をうるように。
結果、スティーヴンは縛られた家族3人をランダムに撃ち（ぐるぐるバット形式）、彼らの中で唯一無垢といえる息子を射殺。
その後。残された家族はしみったれた雰囲気でダイナーで朝食をとっていたところマーティンと遭遇。彼はなんとも満足げでありました。
途中、こんなむちゃくちゃに欲望を剥き出しあう家族なんているのか？というくらい唖然とする展開になりますが、この監督はけっこうな胸焼けエロスをぶっこんでくるので、より相乗効果がありましたね。賢さも美しさも、エゴと欲の前ではなんの役にもたたないのか？
あとはやはりコリン・ファレルの役者としての凄みを満喫できる映画。私の中で三浦友和的な人。