「フォロイング」

フォロイング

タイ/アメリカ映画の「フォロイング」。「イット・フォローズ」の邦題をパクったせいで、意味がだいぶぼやけていますが、原題は「GHOST HOUSE」です。
キャッチコピーは「ババアが、憑いて来る」。たしかにババア、しかも日本人のババアがついてくるのですが、タイに嫁いだけれど孤独に死んだ日本人女性の幽霊に襲われる話という、まあまあ重い設定であります。

タイの幽霊観、死生観は他国と比べても独特と言われていますが(自殺率も高いと聞いたことがあります)、たぶん監督とかスタッフの誰かがタイが好きなんでしょうね。

登場人物

ジュリー:主人公。
ジム:ジュリーの恋人。

ロバート:タイで知り合った旅行客。ちょっと態度が悪い。
ビリー:ロバートの友達。ジュリーに優しくしてくれる。

ゴゴ:現地ガイド。ジムの力になる。

ネタバレ

タイに婚前旅行に来たジュリーとジム。「幽霊の家」(祠)に興味津々なジュリーだが、ジムからプロポーズされて浮かれている。さらに、ホテルでロバートとビリーと知り合った2人。まずエッチなことをしてから(待たせるなよ…)、4人で食事に出かける。

タイの幽霊は、「家」がなかったら人の体に住み着くという。

盛り場に向かうジムとロバートだが、ジュリーは外で待っている。セミヌードの女の子が、ブラをまきつけながらキスをしてくる。有頂天のジム。

その後、ジュリーの希望で、田舎に行って祠を観察することになった4人。だが、ジュリーはジムの唇に口紅がついているのを見つけて、イライラし始める。ジムは帰りたいとぐずり、2人は喧嘩になる。

ロバートとビリーは、ジュリーのスカーフを割いて、「幽霊の家」の中の像を包み込む。
彼らは、使われなくなった祠の墓場に来ているのだ。
自分のスカーフを見つけるジュリーだが、そこにはババアが浮いている。叫ぶジュリー。
ロバート達は、ジュリーとジムを置いて逃げてしまう。

象と象使いが森の中から出てくる(どういうことなのでしょうか?説明はありません。タイ要素??)が、役には立たない。
ジムは、ガイドのゴゴに連絡をとり、具合の悪いジュリーを運んでもらう。

ゴゴの生まれた村に案内された2人。
ここで、ジュリーに憑いている幽霊がタイに嫁に来た日本人女性であり、浮気されたことを機に発狂。そのまま家に放火し、皆殺しにしようとするも、反対に自分が死んでしまったという過去を知る。
彼女は、タイで「ワタベ」と呼ばれている。(渡部さん??)

ワタベは、若い女が大嫌いだ。このままだと、ジュリーは追われ続け、殺されて、幽界に連れていかれるだろう。

白いシーツ?をかぶった女が、ズルズルやってくる悪夢を見るジュリー。
お祓いをしてもらうものの、ジュリーたちが帰宅した後、村人たちは総出でお祓いタイムに突入する。

ホテルに戻っていきなりエッチなことをする2人(具合が悪いんじゃ?そしてロバートを先に探したほうがいいんじゃ?)。
その後にロバートを探すジムだが、彼らは既にチェックアウトしていた。そして、ロバートとビリーには連れの女性がいたこともわかる。

ジュリーが撮影した写真には、ババアが写り込んでいる(意外と目立ちたがりですね)。
その後、ホテルの闇に取り込まれ、迷子になるジュリー。
結局入院することになるが、同じ症状の女性が入院していたことを知る。それが、ロバートとビリーの連れだった。

ジムは空港まで追いかけるが、ロバートにボコられてしまう。代わりに、ビリーは「リノ」という男の連絡先を教え、あわただしく帰国する。

リノに会いに行くジムとゴゴだが、彼は売春宿に入り浸るダメ白人のおじさんにしか見えない。
彼から、ジュリーから別の人間に転移をさせれば、彼らは助かると聞いたジム。

その頃、ジュリーは病院で目覚めていたが、爪の長い女が外から窓をひっかいている様子に戦慄する。

ジムは老夫婦をターゲットにして、彼らを騙そうとするが、その夫婦があまりにいい人すぎて諦める。
それ以外にも方法があるはずだ。リノを襲い、ジュリーとジム、ゴゴは本当の霊媒師を紹介してもらう。もう時間がない。

移動中、老婆の幻影に苦しめられ、車から勝手に降りて森の中を彷徨うジュリー。
血まみれの男の子の幻影や、上から降ってくるババアに驚かされる。

なんとか霊媒師のもとにたどり着くが、彼女はジムに「重要なものを捧げろ」と命じる。ジムは婚約指輪を渡そうとするが、霊媒師は指を要求する。だが、ジムはそれを拒否する。

幻影の中で、ワタベは若い女性だったが、火にまかれ、一気に老化する。実体化したババアは霊媒師の部下たちを襲い、ジュリーの体を奪おうとする。しかし、ジムが自分の指を切り落とし、ババアはジュリーの体を諦めるしかない。

ジムとジュリーは帰国し、ゴゴは新しい客を勧誘している。
ジムが転移目的で仲良くなった老夫婦は、祠を購入して帰ろうとしている。その祠の中から、片目がこちらを睨んでいる。

感想

タイの繁華街のいかがわしさって、日本のそれと共通した猥雑さがあって面白いですね。
結局は、「神や幽霊を冒とくしてはいけない」という話でもあるのですが、「祠を買って持ち帰る」という選択肢なんてあるんですね。ちょっとした白人批判のようなものも全面に散りばめられていて、それが映画に奥行きを与えているような気もします。

ババアのルックスがなかなか強烈なのですが、ゴア、スプラッターというよりは、ふんわりしたダークファンタジーという気もする。とはいえ、まあまあドッキリします。