「ソウル・ステーション/パンデミック」

ソウルステーションパンデミック1

2016年の韓国映画「ソウル・ステーション/パンデミック」。こちらはアニメ映画なのですが「新感染 ファイナル・エクスプレス」の前日譚です。あちらは実写、こちらはアニメ。しかも、両方のクオリティが高いのにびっくり。アニメとして動きはなめらかとは言いにくいのですが(おそらく、体や表情の動きはモーションキャプチャーなので、どことなくカクカクしている)、それぞれの登場人物が傲慢で、孤独で、たくましいという、素晴らしいホラーなのです。

ネタバレ

ソウルステーションパンデミック

フラフラと歩く老人ホームレス。若者は彼を助けようとするが、ホームレスだと分かったとたん、彼に毒づく。老人ホームレスの友達(彼もホームレスだが)は、具合の悪い彼を施設に預けようとするが、その施設を占拠している男たちに殴られ、叩き出されてしまう。

ヘスンとキウンはお金に困り、キウンはヘスンに体を売らせている。キウンはネット中毒者だ。だが、ネットのせいで、彼女の父親に居場所がバレてしまう。

ホームレスの友人は、駅員にも無視される。薬を購入できたものの、老人ホームレスの死には間に合わない。だが、死体は消えてしまう。

ヘスンの父はキウンを呼び出す。

老人ホームレスを探しているうちに、ホームレスはゾンビ化して人を食べている彼を見つける。

キウンたちは帰宅するが、大家や隣人がゾンビ化しており、彼らを襲う。ヘスン父はトイレのタンクの蓋でゾンビを殴るが、すぐに別のゾンビがやってくる。彼らは風呂に閉じこもる羽目になる。

ヘスンは駅にいたところを、パニックに巻き込まれる。ゾンビの群れに追われ、ヘスンはホームレスたち(冒頭の老人やその友人とは別の人たち)と警察署に逃げ込む。簡易留置所の中に逃げ込む、ヘスン達。だが、オリの中の警官は既に噛まれているし、外に倒れていた警官もすぐにゾンビになってしまう。

キウンたちは窓から脱出し、ヘスン父の車で逃げることにする。だが、キウンは弱虫で役に立たない。

噛まれている警官を、ホームレスが殺す。生き残った妙齢のホームレスとヘスンは、警察署から脱出し、外に停まっていた救急車に乗せてもらう。
だが、病院にも感染者がたくさんいると気付いたホームレスは、救急車の運転に割り込み、車を横転させる。
彼とヘスンは、地下鉄駅構内に逃げ込み、シャッターの下に潜り込む。それを、若くて太った女が見ている。怯え、焦る彼女たち。だが、その女はゾンビではなく単なる不審者で、慌てているヘスンたちを見て大笑いする。

キウンたちはヘスンからの情報で病院に行くが、ゾンビが蔓延していた。襲われていたのを、ヘスン父に助けられるキウン。

地下鉄の線路を歩き続けているヘスンたち。
「家に、帰りたい」
「俺だって、家に、帰りたいよォ~!」
ホームレスは号泣する。だが、次の駅もゾンビがたくさんおり、ホームに上がることができない(ガラスのホームドアがあるので、そこからゾンビは出てこない)。彼らは歩き続けるしかない。

高速道路にいるヘスン父とキウン。ヘスンとキウンはたびたび連絡を取り続けるが、なかなか会うことができない。ヘスンは地下鉄から外に出るが、運よく生存者のバリケードの中に入ることができる。だが、片側からはゾンビたちが押し寄せ、もう片側は機動隊が塞いでいる。
共産主義の陰謀だと怒る男をよそに、ヘスンと一緒にいたホームレスは道を塞いでいるバスの上に乗り、それを乗り越えようとする。だが、彼はすぐに撃たれてしまった。
しかも、大量のゾンビが押し寄せ、人間たちを食べ始める。
電線にぶら下がり、逃げようとするマッチョ男。だが、ヘスンを見つけ、彼女にも自分の後を追わせる。だが、ヘスンを助けようとして、彼が死んでしまう。

ビルの屋上に出て、建築現場の足場をつたうヘスン。追いかけてきたゾンビはどんどん落ちていく。彼女は何とか、マンションに入り込む。だが、そこはモデルルームで、誰もいない。
ヘスンは自分の家を思い出し、涙を流す。

だが、連絡のとれたキウンがそこにやってくる。彼はヘスンの父を連れてきたが、ヘスンは驚く。それは、彼女の父ではなかったからだ。彼女が逃げた、風俗店の店長だった。
店長は正体を現し、キウンの首を切り裂く。彼は倒れて、死んでしまう。
本当の父は、店長の取り立て(ヘスンは金を踏み倒して逃げたようだ)に屈して、夜逃げしてしまった。もう家がないと知り、ヘスンは絶望する。
彼女は逃げ、棚に隠れるが、店長はゆっくりと追い詰める。殺人鬼のように。
店長につかまり、蹴りまくられるヘスン。そして、店長は彼女を強姦しようとする。しかし、ヘスンはそのまま死んでしまい、ゾンビになって店長を喰い殺す。キウンは、死体のまま、転がっている。

ソウルの街は、パニックに包まれている。街はようやく、朝を迎える。

感想

「家族」を描きつつ、その家族そのものがまったく登場しないという珍しい作品。韓国でもホームレスや貧困、ネット中毒が問題化しているのでしょうか?(ネット中毒の話は有名ですね)
ヘスンの父親が、実はお父さんじゃなくて店長だったとわかるシーンはゾクゾクしました。
「あの人、お父さんじゃない……」
というセリフが、こんなにゾクゾクきたのは初めて。ゾンビの迫力も、アニメながらかなりのものです。
監督の「我は神なり」という、カリスマ牧師の正体を見抜く粗野な男の映画も気になります。

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