「ハンティング・ナンバー1」

ハンティングナンバーワン

2017年のアメリカ映画「ハンティング・ナンバー1」を見ました。もう、人間狩りそのものの映画です。ダメなチンピラ親父が迷い込んだ町。実は、その町では年に1度、悪人限定で人間狩りが行われていた……というお話。

ネタバレ

荒野を走るジジイ。目を撃ち抜かれる。

主人公のウォーレンは、メキシコで死んだ元恋人に子供がいたことを知る。彼の子だ。
彼は麻薬ディーラーを殺して逃げ、子供に会いに行こうとする。

ベッドフォードフラッツという街にたどり着いたウォーレン。子供たちは、なぜか彼と似たかかしを作り、飾り付けている。

ウォーレンは食べ物目当てで参加したアルコール中毒者の会にいた、スティーヴと知り合う。家に行ってディナーをご馳走になるが、薬を盗んだ彼は、夫婦に眠らされてしまう。
気が付いたら、4人の男と車の中にいるウォーレン。ホームレス、酒をやめられない中年男、ギャング、たまたま街を通りかかった素朴な青年、そしてウォーレン。
彼らは年に一度の祭りで、人間狩りのターゲットにされる。
彼らを狩るのは、雑貨店のオーナーであるドン・リンカーン。残虐なワコウスキー兄妹(3人)、そしてウォーレンを家に招いたスティーヴとシェリル夫婦だ。
スティーヴは「トンネルの先には光がある」と告げる。

ウォーレンは疲れ切っているホームレスに薬をあげるが、彼は座り込んだまま動かない。彼はボウガンで撃たれ、車で轢かれる。ギャングはドンに撃たれ、アル中の男もドンが横取りする。ウォーレンは夫婦に追われるが、車から体を乗り出していた妻を上着でからめとって引っ張り、車を事故らせる。銃をとって逃げるウォーレン。だが、岩と衝突した車の中で、スティーヴは生きている。

ウォーレンと少年は山小屋に隠れるが、顔を出した少年はそのまま撃たれてしまう。家の中に侵入する兄妹。ウォーレンは殺虫剤をまき、オノを使ったり、敵の持っているボウガンで頭を撃たせたり、喉を切ったりして次々と相手を殺す(主人公、チンピラにしてはスゲー強い)。

逃げる先で、メキシコからの密入国者に会うウォーレン。進もうとする彼らに、「悪人がいるぞ」と警告するウォーレンだが、「世の中、悪人ばかりだ」と返される。

スティーヴはかつて、追われる側だった。

ウォーレンは追ってきたドンを殺す。彼は手の中に銃の弾を持ち、それをナイフで突いて撃つ。ウォーレンの手はボロボロになるが、ドンは死んだ。彼は殺した男(麻薬ディーラー)の幻覚ばかり見ている。

スティーヴを止めようとする保安官(諸悪の根源)だったが、彼らは撃ち合いになる。スティーヴは保安官の孫を殺し、保安官も撃つ。スティーヴはブチギレまくり、それを無線で十人全員が聞いている。

密入国者の目印のリボンを辿りながら、歩き続けるウォーレン。トンネルを見つけるが、スティーヴが待っている。だが、ウォーレンはスティーヴに勝ち、国境を超える。
だが、彼は子供に電話したものの、メキシコギャングたちに見つかり、殺されそうになっている。

感想

人間狩りをイベントにしている街を舞台にしていますが、村人全員が追いかけてくるかと思いきや、そういうわけでもなかったので拍子抜け。
裏テーマに「密入国」があり、そこのシーンだけは面白かったです。アメリカよりもメキシコのほうが治安が悪く、生活がしにくい。でも、主人公はアメリカを追われ、メキシコに出て行かなくてはいけない。密入国者にとっては、彼が目指している場所のほうが地獄だった。
という対比は、とてもユニークです。また、主人公に似せたカカシが街の中に飾られているという警告にも似たシーンも、なかなかにスリリング。こういうシーンをもっと見たかったように思います。