「アトラクション 制圧」

アトラクション 制圧

個人的に大好きでおすすめの映画。「アトラクション 制圧」。2017年ロシア映画。
とにかく映像が美しく、繊細です。恋愛を描いていますが、さほどベタついていないので男性でも見やすいかも(女の子のお尻もかわいいし)。ボディスーツ的な宇宙服を着た宇宙人(見た目は地球人)と恋に落ち、彼を宇宙船の内部へ返そうとする女の子。ですが、彼女のボーイフレンドの反乱、軍人の父との確執が物語を複雑にしていきます。

登場人物

ユリア:主人公。美人で気が強い。母が死に、厳しい父とはうまくいっていない。
チョーマ:ユリアの最近できた恋人。イケメンだが不良のリーダー。
グーグル:ユリアのクラスメート。とても賢いが、どこか抜けている。
スヴェタ:ユリアの親友。チョーマとも顔見知りで、ユリアの恋のサポートをしてくれる。

ヘイコン:宇宙人。地球の偵察に来たが、ボディスーツを奪われ、倒れているところをユリアに保護される。高等生物だが、地球の文化に驚き、親しんでいく。

ネタバレ

隕石雨を観測するために集まった人たち。ユリアとチョーマはイチャイチャするために、スヴェタの部屋を借りて閉じこもる。スヴェタはひとりで屋上に上り、隕石を観測しようとするが、彼女めがけて宇宙船が落ちてくる。スヴェタはあまりの光景に、動くことができない。
軍用機がUFOを撃ち落とそうとするが、それは墜落してしまう。逃げ惑う人たち。
その墜落とユリアの性行為がクロスしていく。

スヴェタはUFOの落下の巻き添えとなり、ユリアとチョーマも爆発に巻き込まれる。スヴェタの部屋は半分崩れ落ち、ユリアたちはかろうじて落下しなかったものの、下着で逃げるハメになる。

人間たちは、彼らが立ち去るまで攻撃しないでほしいとテレパシーでメッセージを受け取る。

ユリアは助かり、退院する。外出禁止となったが、彼女の祖母が来てくれた。
ユリアは宇宙人にムカついている。チョーマと仲間たちは、封鎖された区域に入るといいだし、ユリアもついていく。彼女はスヴェタの部屋を訪れ、彼女との思い出に浸る。
だが、そこで宇宙人(スーツ姿)と遭遇したユリア。しかし、彼女を助けてくれる宇宙人。
しかしチョーマはそれを勘違いし、宇宙人を攻撃してしまう。

チョーマたちは宇宙人のスーツを盗むが、ユリアは宇宙人を連れて帰り、助けようとする。

クラスメートのグーグルに助けを求めるユリア。彼は「輸血するべきだ」とアドバイスをし、彼女は父親の友人の医師がいる病院に侵入すると言い出す。
その計画は実行されるが、宇宙人の血液型を調べたところ、ユリアの血と一致していることがわかる。グーグルは血を見て気絶したので、彼女が自分自身でやるしかない。
宇宙人の男は目を覚まし、彼女の手を握る。すると、ユリアの腕にブレスレットがはまりこむ。

宇宙人は水を吸い上げていく。その行動に不安を感じた政府は、円盤を返さない計画を立てる。

宇宙人の男と意思疎通しようとするユリア。男はヘイコンと名乗る。
ヘイコンは外に出て行って逮捕されてしまう。

チョーマたちはスーツをいじっていて、遊んでいる。それを着ようとするが、スーツ内から大量のハリが飛び出してきて、体中を突き刺す!スーツをユリアの父に渡そうとするチョーマ。

水不足で、住人たちは不安になっていく。チョーマは反乱にまきこまれ、軍とぶつかる。彼はその対応に苛立つ。
ヘイコンも逮捕されて、指紋がないことで不審がられている。

ユリアは父に妊娠したとウソをついてコンタクトをとるが、溝を埋めることはできない。だが、ヘイコンを助けることはできた。しかし、たまたま見かけたチョーマのことは助けられず、カップルの間にも溝が生まれてしまう。

ヘイコンを家に連れ帰るユリア。彼女の愛犬の病気を治してくれるヘイコンだが、彼には感情がない。
だが、パンケーキには夢中になる。いたずらで、ホースラディッシュをかけたパンケーキを食べさせるユリア。

彼女は、ヘイコンをライブにつれていく。だが、それをチョーマの友達に見られてしまう。
ヘイコンは、そのリズムや熱狂する若者たちに夢中になる。
だが、彼は実は偵察部隊であると言い出し、宇宙船に戻るという。近くまで送っていくユリアだが、「死ぬときの気持ちを知りたい」と言い、人間に興味を持ち出したヘイコンとキスをしてしまう。

チョーマと電話でわかれるユリア。だが、その背後からチョーマ本人と、その友達が現れる。ヘイコンをボコボコにしようとする彼らだが、彼は強すぎる。そして、チョーマの友達を(襲われたとはいえ)殺してしまう。
チョーマは宇宙人へ憎しみを抱き、不安な人々を煽って扇動を始める。ユリアの学校の教師だけがそれを止めようとし、生徒たちだけが不安そうにそれを見守る。大人たちの多くが、チョーマについていく。

宇宙船に押し寄せる人間たち。チョーマはヘイコンの宇宙服を無理やり着てしまう。
宇宙船に潜んでいたスーツ宇宙人たちは、人間に応酬するが、やはり強すぎる。

ユリアとヘイコンの乗った車を、チョーマが追いかけてくる。チョーマを車で轢き、挟み込むユリア。軍も暴徒を鎮圧する。ユリアとヘイコンはキスをするが、2人ともまだ生きていたチョーマに射殺されてしまう。

ユリアの父は、それを見て絶望する。冷酷そうに見えていた父だが、本当はとても優しい人だった。
宇宙人たちは2人の体を船内に持ち込み、「ヘイコンはなぜ永遠の命を投げ出してまで、ユリアを助けたのか」を知りたいと願う。そして、彼らを蘇生する。

そして生き返ったユリア。父と抱き合い、UFOが去るのを見ている。
UFOは宇宙船の発動に必要だった水を集め終わり、地球から飛び立つ。

ユリアはその後も、彼が助けてくれた犬と共に、夜の空をたびたび眺めている。
宇宙人が、人間を信じてくれたのだ。

感想

私の文章力じゃあ陳腐ですが、「信じる」ということを知った、という感じの終わり方。
宇宙人のボディースーツへのこだわりやカッコよさは、「第9地区」「エリジウム」のスタッフだと感激するほど。とにかくカッコイイ。ただ、ここにありがちな恋愛要素(宇宙人版の「マイフェアレディ」を見ているような感覚)を足したことが謎ではあるのですが、個人的には好きです。いろいろある要素の中に、恋愛があってもいい。
スヴェタに向かってUFOが堕ちてくるシーンが美しくもあり、とにかく怖い。絶望です。だってほぼスヴェタ目線のシーンもあるんですもの。
お父さんのコワモテな感じもステキです。