「エヴォリューション」

エヴォリューション

2015年の映画「エヴォリューション」を見ました。
フランス/スペイン/ベルギーの共同製作らしいですが、「そこはユートピアか、ディストピアか。」というキャッチコピーもかっこいい。監督はルシール・アザリロヴィックさん。女性監督ですが、あの鬼才であるギャスパー・ノエのパートナーだそうです。

女性監督って、やはり映像の美しさに重点を置いているなあという印象。海、サンゴ、ヒトデが延々とアップで流れます。

少年と女性しかいない島で、謎の医療行為を受ける子供たち。それはなぜなのか?
SFとミステリーとホラーファンタジーが混ざったような展開が続きます。

ネタバレ

無人島。主人公のニコラは、海の中で死体を見つける。その死体の腹には、ヒトデが巣食っていた。だが、母はそんなことはあるはずないという。まずそうな食事を食べさせられるニコラ。

ある日、突然病院に連れていかれるニコラ。
島にいる女たちは、ウニに口をつけて啜りながら食べている。
看護師たちは、手術の映像をひたすら見続けている。

ニコラは病院を抜け出し、海辺に行く。そこでは、裸の女たちが寝転び、まぐわっている。

看護師は、ビンの中に胎児のようなものを入れて保管している。

看護師のステラと、得意な絵を通じて仲を深めるニコラ。だが、描いていた絵を母にとられ、処分されてしまう。
母に対して「本当のお母さんじゃないくせに」と口走るニコラ。
夜、薬で眠らされているようなニコラのもとに他の子たちもやってきて、「僕のお母さんも本当のお母さんじゃないんだ」と呟く。

ステラは、ニコラに絵を1枚だけ返す。それはおそらく、ニコラの本当の母の似顔絵だった。

この町の女性たちの秘密を、ニコラに教えるステラ。彼女たちの背中には、吸盤のようなものがついている。彼女たちは、人間よりも長く、海の中で泳げるようだ。

ニコラは、病室のひとつに入り込む。水槽の中に拘束されている子供がいる。

ニコラも手術を受けることになる。腹にメスが入り、気が付くと彼も大きな水槽の中にいて、頭だけが外に出ている。水中では、ニコラの腹のところに2体の赤ん坊がくっついており、まるで捕食しているようにも見える。水中から出てきた赤ん坊は、一瞬顔を出して、そのまま戻っていく。

だが、それをステラが助けてくれる。彼らは海へ行き、泳ぎだす。ぐいぐい泳ぐステラに巻き付き、唇を重ねている(それで酸素を供給されている?)ニコラ。
小さな船の上にたどり着いた2人だが、ステラはかいがいしくニコラに水を飲ませる。そして、ステラはそのまま海に飛び込み、消えてしまう。ニコラはステラの名を呼ぶが、彼は戻ってこない。
船はそのままニコラを乗せて漂い続け、そしてようやく夜も更けたころ、街の灯りがニコラに見えてきた。

感想

子供たちは誘拐され、女たち(ヒトデがモチーフなのか?)の子供のエサになっていたのか?
そして、ステラはニコラを助けて元の世界に返してくれたものの、その後はどうなったのだろうか?
とにかく「映像美」にこだわったのでしょうが、海の中の映像が多い!そして、セリフがとにかく少ない。
ただ、途中で出てくる赤ちゃんや汚れた水槽が湿度の高い恐怖を感じさせてくれます。
あと、この映画に出てくるごはんって青っぽいおかゆ?みたいなものに、白い虫のようなパスタ?が混ざっていて、すっごくまずそうです。こんなまずそうなご飯、初めて見ました。