「シークレット・オブ・ハロウィン」

シークレットオブハロウィン

2016年のオーストラリア映画「シークレット・オブ・ハロウィン」を見た。
原題は「BOYS IN THE TREES」です。こっちのほうがカッコイイし、ちゃんと意味が通っている。「ハロウィンの秘密」って、なんとも言えずにダサいわね。

ネタバレ

オオカミの仮面をかぶった少年がスケボーをしている。
ハロウィンの夜。仮装した子供たちが彼の前に立ち、「その夜、墓場は喜びに満ちる」と囁く。

主人公の少年・コーリーは、不良仲間に混じりながら毎日をやりすごしている。好きな写真をニューヨークで勉強したいと考えているが、街を出ていくことに両親や友人は批判的だ。
親友のジャンゴは、ジョナというチビの少年をいじめている。彼の写真をコピーして、ハロウィン中の街にバラまいているのだ。また、子供たちにカラーの粉やタマゴをぶつけたり、ジョナの家にトイレットペーパーを投げたりしている。コーリーも、ジョナの家にカラスの死体を投げてしまう。

ジョナはひとりで仮面をつけ、川のそばで酒を煽っている。

コーリーたちは女の子と合流して、墓場で遊んでいる。「その夜、墓場は喜びに満ちる。魔法使いたちは戯れ、風は激しく吹きすさぶ。いや違う。あれは奴らだ」
そう彼に囁くのは、可愛い女の子・ロマニーだ。だが、ジャンゴは友の気持ちを知りながら、ロマニーにちょっかいを出している。

パーティを抜け出したコーリーは、スケボー場でジョナと再会する。
昔、彼らは親友同士だった。だが、イケていないジョナをコーリーは見捨てたのだ。2人は久しぶりに、ハロウィンの夜を共に過ごすことにする。橋を渡ったら、あちら側の世界に行ったふりをする。

ジョナは作り話を続ける。
仲のいい姉妹。だが、妹は置き去りにされた。姉の後を追って、妹は下水道に入っていき、そのまま消えたという話。しかし、その穴から白スーツのアフリカ系?の老人が出てくる。

ジャンゴは、コーリーの態度にイライラしている。

ジョナは新しい話をする。
妥協を覚えた男、エドワードは、どんどんと闇に浸食されていく。
2人の知っている廃屋の中に、まるでエドワードのようにテレビを見ている人物を見つけ、びっくりするコーリー。2人は逃げ出す。

ジャンゴたちは、花火をハンドルにつけた自転車を走らせている。

高校へ行くコーリーたち。
いじめっこたちをオオカミにたとえ、自分のいじめの話をするジョナ。
だが、ジャンゴたちと鉢合わせしてしまう。コーリーはジョナをかばって逃げ出す。

ロマニーがバイトしている店に遊びに行くコーリーだが、「男はアホ。この町がイヤなのは、あんただけじゃない」と怒られてしまう。そこにジャンゴがやってくるが、彼がジョナの母の墓にいたずらしようと提案したことにコーリーがキレ、2人は喧嘩してしまう。
店の外で待っているジョナだが、彼のそばに白スーツの老人が迫ってきている。

ジョナの話したエドワードのエピソードは、ジョナの父のことだったのか?
彼の父は、家でただテレビを見続けている。だが、他の家の大人たちも、テレビをただ見続けているようだ。

コーリーは帰宅する。
しかし、ジョナを探しに下水道の地下水路に戻るコーリー。ジョナの話に出て来た、死んだ少女が見えたような気がするコーリー。しかし、無事にジョナを見つける。

2人はジャンゴに仕返しをすることにする。彼の家にトイレットペーパーを投げて遊び、その後にコーリーはロマニーに会いに行く。そのまま、甘い夜を過ごす2人。
ひとりぼっちのジョナは、幽霊の女を見つける。一方、コーリーは死んだはずの愛犬・レックスを見かける。

コーリーはさらに不思議な体験をする。ジョナの葬式に迷い込み、白スーツの老人を目撃する。
彼を、死霊が追いかけてくる。

コーリーとジョナは電飾がついた美しい樹に上る。レックスもいる。思い出のおもちゃもぶらさがっている。そして、彼らは昔に戻っていく。
やっとコーリーは思い出す。ハロウィンの日に若者2人に襲われ、コーリーは逃げたもののジョナは襲われて、乱暴されてしまったこと。それ以来、コーリーはジョナを避けていたこと。

コーリーは自分の弱さを認め、ジョナが本当の友達だと思い出す。そして、彼に謝罪する。
ジョナは今夜、見せたいものがあると言っていた。しかし、結局それはなんだったのか?
ジョナは指差す。そこには、水辺に浮かぶ彼の死体がある。

それを見ているジョナは、白スーツの老人と一緒に森に消えていく。

警察が取り調べをしている中、コーリーはひたすら泣いている。ロマニーはまんじりとしていない。ジャンゴは自室でひたすら暴れている。
しかし、その後ジョナが死んだ現場にやってきたジャンゴは、バツが悪そうにしながら、そっとコーリーをハグする。

その2年後、お互いに夢を叶えて街を出たコーリーとロマニーは、スカイプでおしゃべりしている。
彼の部屋には、ジョナの大きく引き伸ばされた写真が飾られている。

感想

ラストがあまりにもあっけないので、けっこうびっくり。バッドエンドでもなく、グッドエンドでもなく、きれいごとエンドって感じ。映像はすごくキレイで、コスプレのクオリティも高い(かわいい)。スケーティング(スケートボード)や花火の映像がキレイっていうのも、ホラー映画にあるまじき感想ですが。
そもそも、これはホラー映画なのか?青春サスペンス映画って感じですが、けっこうホラーテイストのところもあるんですよ。

ジョナが話していたエピソードは全部彼になぞらえたもので、姉妹の話はコーリーに見捨てられて絶望したジョナの話、エドワードは妻を失って茫然自失となった父の話だったのでしょうか。

関係ないところだけど、コーリーたちが学校の白シャツにいっぱい落書きしていたのがカッコよかった。