「新感染 ファイナル・エクスプレス」

新感染

「新感染 ファイナル・エクスプレス」を劇場で見てきました。非常にスピーディでスリリングな映画。まぁ、相変わらず感染映画なのでゾンビ映画とは違う!という気もしなくもないけど、細かいことはいいじゃない!
監督はなんと、アニメ監督出身らしい。「ソウル・ステーション/パンデミック」というアニメ映画も公開されていましたが、こちらは残念ながらスルー。でも、超面白そうでした。

韓国のソウルからプサンヘの高速鉄道の車内で、ゾンビが発生したら?という話なのですが、いまいち韓国の地名に詳しくないので、あとどれくらい猶予があるのか、どの地点まで来たのかなどまったくわからず。
その点は残念。自分の知識不足ですが……。

登場人物

ソグ:やり手のファンドマネージャー。別居中の妻と娘がいる。娘のことは愛しているが、距離を感じている。自分がよければいいというタイプだったが、サバイバルを通じて成長していく。
スアン:ソグの娘。母になついているが、父のことも嫌いではない。だが、自己中心的なふるまいをする父を諫めることもある。
サンファ:ソグが電車の中で出会った夫婦の夫。妊娠している妻を気遣いつつ行動し、助けている人は救わずにはいられない。ソグとは正反対の性格で、すぐに他人を見捨てようとする彼と対立するも、途中からは協力し、よき仲間になる。
ソギョン:ソグが電車の中で出会った夫婦の妻。妊娠中。夫をものすごく愛している。スアンをたびたび助けてくれる。
ヨングク:新幹線に乗り合わせた野球部の少年。他の部員たちは全員感染してしまい、大好きなジニを守るために奮闘する。
ジニ:野球部の応援をするために、部員たちと同じ電車に乗り込んできた同級生。ヨングクのことが好きで、果敢にアピールしているが、シャイな彼からはあまり反応がなかった。

ホームレスのおじさん:電車にむりやり乗ったホームレスの男。ソウルでのパンデミックを目撃し、電車に飛び込んできた。とても怯えていて役に立たないかと思いきや、スアンやソギョンとたまたま行動を共にすることも。基本的には善人である。
インギルとジョンギル:旅行中の姉妹。なんでも人に譲ってしまうおおらかな性格の姉と、きびきびせっかちな妹。とても仲がいいが、やや年配のため、グループで行動する時に脚を引っ張ることも。

ここまでが、主人公とその周辺人物です。あと、悪役?もいます。

ヨンソク:電車に乗り合わせた客のリーダーになる。鉄道会社の重役らしいが、途中から暴走し始め、生存者たちを率いて感染の疑いのあるものを隔離したり、自分だけ助かろうと画策したりする。

ネタバレ

ソグはやり手のファンドマネージャーであり、利益のためには不本意ながらも法律に反することも行ってきた。だが、家庭はボロボロであり、実母と娘と共に暮らしているものの、妻とは別居中だった。娘の学校イベントを見に行くこともできず、誕生日プレゼントは前にあげたものとダブっている。
娘のスアンは母に会いたいと頼み込み、ソグはスアンを妻に会わせることに合意する。

翌朝早く、駅に向かって出発する親子。なんだか街が騒がしいが、電車に乗り込む。
出発時間間近に、感染者に噛まれた女性が無理やり電車に乗り込んでくる。そして、発症後に女性乗務員に噛みつき、感染が拡大していく。
だが、トイレに行ったスアンと、座席にいたソグははぐれてしまう。

新感染1

その頃、感染者から近いところに座席があった野球部たちが真っ先に襲われる。ヨングクやジニたちは逃げるが、多くの者が噛まれていく。
スアンとソグは合流するも、サンファとソギョン夫婦を見捨ててドアを締めきろうとするソグ。その行動を、サンファは非難する。

感染者たちは、人間の見えなければ攻撃性が減るらしい。ソギョンが水を使って新聞をドアに貼り付けると、彼らはようやく静まる。

電車はテジョン駅で停車することになり、ほとんどの生存者が駅で待ち受けている軍のもとに行くことになる。だが、ソグだけは自分のコネを使い、確実に脱出できる道を選ぼうとする。

新感染2

テジョン駅で降りたソグとソヨンは、他の者たちとは別のルートで逃げようとする。だが、それをホームレスに見咎められ、騒ぎになる。しかも、軍隊は既に感染者と化していた。一度下車した生存者たちは、軍隊ゾンビたちに追いかけられることになる。ソグやサンファ、ヨングクたちがドアを閉じて感染者の群れを押しとどめるも、すぐにガラスの扉にはヒビが入り始める。

ここで、
①ジニとヨンソク、姉妹の妹であるジョンギルは、比較的安全な15号車に
②スアンやソンギョン、ホームレス、姉妹の姉・インギルは、13号車手前へ。だが、感染者たちから身を守るためトイレに立てこもる
③ギリギリで電車に飛び乗ったソグ、サンファ、ヨングク
と、グループは分断される。

武装し、自分たちの大切な人を守るため、前に進むことにしたソグとサンファ、ヨングク。
彼らは「音に反応する」「トンネルの中に入って真っ暗になると、動かなくなる」というゾンビの特性に気付き、時には真っ向から戦い、時にはこっそり進みながら、スアン、ソンギョン、ホームレス、インギルたちと合流する。

さらに彼らは、ジニやジョンギルとの合流を目指すが、ゾンビたちが後ろから押し寄せてくるなかで、ヨンソクは「お前たちも感染しているかもしれないから、中には入れない」と主張する。
そのせいで、みんなを守るためにサンファが犠牲になり、さらに姉妹の姉・インギルがゾンビの餌食になってしまう。
ソグはドアを開けさせ、ヨンソクの態度を責めるが、他の生存者はヨンソクの味方をして、彼らを別の号車に隔離する。

インギルの死の直前の優しい微笑みを思い出し、ショックを受ける妹・ジョンギル。犠牲になった姉のことを考えているうちに、ジョンギルは自分たちが立てこもっていた号車の扉を開き、感染者たちを中に招き入れてしまう。
そして、ヨンソクと男性乗務員だけがトイレに隠れて助かる、

しかし、プサンに着く前に、電車事故のせいで線路が普通になっていた。別線路にある電車への移動を促す運転士。彼は素早く電車を止め、そこから抜け出し、新しい電車(一部分だけ。おそらく、貨物車の運転席部分でしょうか?)を動かし始める。

ヨンソクは男性乗務員を犠牲にして、自分だけが電車に乗ろうとする。しかし、その身勝手な行動のせいでジニが噛まれてしまい、彼女を抱きしめるヨングク。しかし、次の瞬間、ジニは彼に噛みつく!

ソグ、スアン、ソンファ、ホームレスたちも電車を降りて乗り換えようとするも、倒れてきた電車の下敷きになりかけるという事故に巻き込まれる。ソグだけは外に出られたが、感染者も彼らを追い詰めるし、切れた電気ケーブルも彼らの安全を脅かす。外からスアンたちを助けようとするソグだが、ここでホームレスが犠牲になり、スアンとソンファを逃がしてくれる。

ソグたちも走り出していた電車に間に合うが、既にいたヨンソクが運転士の男をゾンビたちのほうに突き落として、運転席を牛耳っていた。しかも、彼は感染している!
ソグはヨンソクと戦って彼を電車から叩き落とすが、彼自身もヨンソクに噛まれてしまっていた。
ソグは自分の娘を守るため、ソンファに娘を託し、自分は電車から飛び降りてしまう。娘が生まれた日のことを思い出しながら。

ソンファとスアンは、封鎖されたポイントまでたどり着く。そのトンネルに入っていく2人だが、出口には軍隊が待ち構えていた。感染者と間違われ、撃たれそうになるソンファたち。しかし、彼らは気付く。スアンが歌を口ずさんでいることを。それは、スアンが学校イベントで父のために歌った曲だった。

感想

非常にテンポがよく、キャラクターもそれぞれ面白く、ゾンビ映画や感染映画にありがちな美しい犠牲も描かれ、ハッピーエンドなのもよかったです。とても見やすかった。それに、非常に丁寧にいろいろなものを描いており、ゾンビメイクや動作への演技が徹底しているのはもちろん、些細な喧嘩やほっこりするような会話もそれぞれ完成度が高く、映画館で見てよかったなぁと思った次第です。