「トワイライト・シンドローム デッドクルーズ」

トワイライトシンドローム

2008年の「トワイライト・シンドローム デッドクルーズ」。同タイトルの「デットコースター」とは対になっているタイトルですが、こちらは舞台は船となっております。こちらの作品は友達グループがゲームに巻き込まれ、仲間割れしつつ死闘するというストーリー。しかし、女子同士の仲の悪さがハンパなく、ある意味後味が悪いお話です。

登場人物

ハルカ:主人公。マジメな美人。仲の悪い女子をまとめているが、コイツが諸悪の根源じゃないかという気がする。
ゴロウ:なんと演じているのは野久保直樹。ハルカに恋するゲーマー青年。とにかく性格がいい。だが、ゴローと聞くと「孤独のグルメ」しか思い浮かばない。
ユウコ:性格は明るいが、いじめっ子タイプ。エリのことをひたすら嫌っているが、ハルカのことは好き。
イッペイ:ユウコの彼氏。ゴロウの友達でもある。調子がいいタイプであり、浮気をしちゃうこともある。
ミチ:ビッチタイプ。ゴロウを誘惑した後は、イッペイをひっかける。相当な男好きだが、なぜこのグループにいるかは不明。ユウコの子分的な存在なのか?演じるは原口あきまささんの嫁。意外としっかり演技されてます。
エリ:優等生タイプであり、ユウコに嫌われている。だが、本人も挑発したりしているのでどっちもどっち。いじめから救ってくれたハルカのことは好き。

不思議な少女:物語のキーパーソンとなる女の子。実はAKB48の向井地美音ちゃんでもある。

ネタバレ

トワイライトシンドローム デッド2

高校時代の仲間とクルーズで旅をしている6人。だが、ユウコはエリに喧嘩をふっかけ、ゴロウはハルカに告白したいと考えていてギクシャクしている。ハルカは船の中で少女に「ゲームをクリアしてほしい」とニンテンドーDSを渡される。
ミチはイッペイを浮気に誘っている。

エリは少女のゲームを押し付けられてプレイし始めるが、現実とゲームがリンクしていることに気が付く。
(ゲームの中にモノを出すと、リアルでも突然モノが出現したりする。けっこうシュール)
ゲームが始まる。 「ウェルカムトゥアナザーワールド!」(ダサイ)
ユウコは階段の上から転がってくる鉄球に追われ(コント?)、ハルカとゴロウはゾンビに襲われる。ミチとイッペイもナイフで襲われてしまう。エリはゲームのモンスターを解除してしまい、それは彼らにつきまとう。

ちなみに、このモンスターは
・頭が異様にでかい(筋肉のように盛り上がっている部分と、赤い肉が見えているような部分があり、目鼻立ちは崩れている。「グーニーズ」のスロースを誇張したような感じともいえる)
・ツナギのうえになぜかよだれかけをしている
・高身長
という感じ。
このモンスターはユウコをつかまえ、袋に入れてその辺に叩きつけ、使い終わった歯磨き粉のチューブのように端からくるくると巻いて殺してしまう。

だが、ゲームをリセットするとユウコは生き返り、みんなはゲームが始まった時と同じ場所に戻る。ユウコはゲームを勝手に進めたエリにリンチをして、ぞうきんを口に入れてホースで縛り、トイレの個室に放置する。
ここでゲームの最初のミッションが「女の子を探す」ことだとわかる。ゲームを利用しながら、冒頭に登場した少女を探すのだ。いなくなったエリをを探そうとするハルカだが、ユウコはエリをかばうハルカに怒りをぶつける。

ユウコ、イッペイ、ミチは3人で行動するが、ミチは釣り竿の針を体に引っ掛けられ、引っ張られる。ユウコは皮膚を引きちぎり、ミチは痛さで泣き叫ぶ。置き去りにされたミチは、刃物が刺さっている板(ちなみに手押し車で、誰かが押している)に貫かれて死んでしまう。
ユウコは自分を責めるが、イッペイは「ユウコは悪くない、俺はユウコの味方だ」と慰める。
ハルカに助け出されたエリはユウコをいたぶることに執着し、ゲームをリセットしてしまう。

トワイライトシンドローム デッド1

3度目のゲームがスタートする。
イッペイは今度はミチに「ずっと味方だ」と言う。ハルカとゴロウは、通気口の中に入り、その中を進んでいく。
エリは監視カメラのある部屋に行き、彼らを支配しようとする。鍵のかかる部屋に入ってエッチなことをしようとするイッペイとミチだが、なぜかモンスターが待っており、ミチは体をちぎられてバラバラにされてしまう。
ハルカはエリを止めたいと考えており、ゴロウはハルカの身を守るために、自分の幸運のお守りであるゲームメダルを渡す。ユウコはエリに翻弄されている。

エリを逃がしたことで、ユウコはハルカに怒りをぶつける。ハルカはエリを止めようとするが、2年以上いじめられていたことを理由に断られる。
(2年も陰湿にいじめてたら、そりゃあ仕方ないね……といいたくなる)

イッペイとユウコは合流するが、モンスターに追い詰められ、イッペイは腕を折られて殺される。ユウコはイッペイを見捨てようとするが、油ですべって(ドジ?)なぜか沸いていたお湯をかぶり、大やけどをする。
エリと掴み合いになったハルカは、そのまま倒れて気絶してしまう。エリは慌てて、ゴロウを探しに行く。

通気口の中をウロウロしていたゴロウは(何してんだコイツ)、人形(思いっきりグレイトフルデッドベアなんですけど)を見つけ、その中のヒント(女の子がどこにいるか写真で示されている)を見つける。女の子を見つけ、人形を渡すと「ママに会いたい」と言われるゴロウ。今度は母親探しが始まる。
ゴロウは倒れているハルカを見つけるが、敵たちが襲ってくる。閉じこもりつつ、デートの約束をする2人。ゴロウは逃げずに体を張ってハルカを助ける。なので、彼だけがモンスターに顔を殴られて死ぬという謎のエンディングを迎えます。やたらを顔を殴られる→かっこよくセリフを言ってガクリ、なんて不自然すぎる。
しかし、ここでモンスターが鏡が嫌いだという情報を得るハルカ。

エリはゴロウを探していたが、ヤケドをしたユウコに刺されてしまい、ゲームをリセットしようとする。
だが、エリを見つけたハルカは彼女を助けず、冷たく「たかがゲームなんでしょ?」と、前に言われた言葉を返す。それに、ゲームは既にバッテリー切れだった(こういうゲームも充電しなきゃダメなのかい?)。エリはモンスターに連れ去られてしまう。

ハルカは少女を連れ、デッキに出現した彼女の母親に少女を渡そうとするが、モンスターが彼女をさらっていってしまう。だが、あきらめずに追うハルカ。モンスターはボイラー室で少女の頭を撫でていた(カワイイ)。鏡を見てモンスターをひるませるハルカ。彼女は少女を連れ戻し、母親に会わせてゲームクリアする。
するとなぜか空にクリアデータが出現し、「セイセキ サイテー」と表示され、ハルカは落ち込む。

目を覚ますと、ハルカは元通り、船の上にいた。だが、他の5人は消えている。ゲームをクリアしたら、彼らは生き返ると思っていたのに……(という思い込み)。友達と撮影した写真も、自分1人しか映っていない。ポケットの中にあるゴロウのコインを船員に見せるが、当然困る船員。「ホラ、1人じゃなかった!」
ハルカはデッキの上で号泣する。デッキの上の人たちは彼女の奇行を無視している。

感想

・意外とキャスティングが豪華な気もするのですが、そうでもない気もする映画。主演の関めぐみよりもまわりの女子のほうがアクが強すぎて(いじめっ子、ビッチ、発狂して復讐を始めるマジメっ子など)、やや気の毒な感じすらする。
・仲のいい友達同士の裏切りを描ければ王道だったのかもしれませんが、もともと仲が悪いみたいなのでさほど意外性もありません。ただし、高校生でもイジメって幼稚なのに(イジメ自体が幼稚な行為ではありますが)、大学生の年齢でこんなことするかねっていうくらい、とげとげしい描写もあります。
・主体となるモンスターはすごく作り込まれているし、特殊メイクはクオリティ高い方だと思う。でも、小道具とエキストラの描写のチープさも悪い意味で目を見張る。鉄球なんてインディージョーンズのオマージュなのでしょうが、もっとやりようがありそうなもの。あと、昼間の明るい船の上で延々死闘が繰り広げられるのもなんだか変な感じがします。「サイレン2」くらいの恐怖を求めてしまう。