「グッド・ネイバー」

グッドネイバー

2016年のアメリカ映画「グッド・ネイバー」。隣人系ホラーは最近いろいろ出てきていますが、どれが一番人気があるんだろう?
「ドント・ブリーズ」近隣の家に強盗に入ったら、そこの家のじいさんに復讐される
「ネイバーズ」ワルイ夫婦の隣の家の奴らはもっと危なかった!監禁された妻と知らない女子を助け出せ!
「アブノーマルウォッチャー」大家が家に監視カメラをしかけていて、妻を観察
そしてこの「グッド・ネイバー」。動画サイトで人気者になりたい男子が、隣の家の変人じじいの家に監視カメラをつけ、実験対象に。だが、事態は思わぬ方向に……。

ネタバレ

実験の条件。
①物理的な接触は禁止
②結果はどうあれ、6週間で実験は終了する
③台本も編集もなし

ショーンとイーサンは、イーサンの家の隣に住む老人の家にカメラを備え付け、いろんな仕掛けをして心霊現象のようなものを起こし、幽霊を信じ込ませられるか同課の実験をしようとしている。
老人の留守中に忍び込み、カメラを隠しまくる2人。
企画はお調子者のイーサン、資金面での援助と機械のサポートはショーンが行う。2人は昨年から仲良くなったが、両親が離婚しているという共通点がある。イーサンは母親に育てられているが、ショーンは父と母の間を行ったり来たりしながら過ごしている。イーサンはこの実験をサイトに投稿し、人気者になりたい。イーサンの部屋には、カメラをモニタリングできる設備が整っている。ショーンはしょっちゅう、彼の家に入り浸っている。

そんな2人の映像が、裁判で流されている。彼らは何の事件を起こしたのだろう?

イーサンの部屋で、男3人・女子2人とおしゃべりしている若者たち。イーサンはアシュリーという女の子に夢中だし、ショーンはカーリーという女の子となんとなく両思いのようだ。彼らは計画を女の子たちに喋るが、女の子たちは「老人いじめだ」と引いてしまっている。

実験を始める2人。電気が消えたり、テレビが砂嵐になって消えたりするが、老人はあまり動じない。サイレンの誤作動(これも仕掛けなのか?)のせいか、警察官が老人の家にやってくるが、老人はすぐに追い返してしまう。

裁判。警察官が証言している。彼が現場に踏み込んだ時には、血まみれの遺体と被告人がいたという。それは誰と誰なのか?

老人の家に、謎の女性が現れる。「老人が妻を毒殺した」という噂は嘘だったらしい。でも、この女性は誰なのか?元妻なのか?老人は謎の女性を避けているようだ。

老人は犬を嫌っている。

ガンガンとなるドア。

老人はかつての妻のことを思い出している。自分の頼みごとを無視する夫に、ため息をつく妻。

夜、またガタガタと音を立てる仕掛けを発動するイーサンたちだが、老人はドアを斧で打ち壊してしまう。
カメラをじっと見ているように見える老人。
その直後に、イーサンの家の扉が鳴る。イーサンはおそるおそる対応しようとするが、突然カメラの映像がとぎれる。ショーンは誰かに突然、捕まる。
だが、それはショーンの父だった。父は彼を捕まえて、自分の家に引っ立てていく。

ショーンはおじけづいてきている。実験が終わっても、老人の心には“幽霊”が刻み込まれてしまうのではないだろうか?
彼らは深夜、老人の家で音楽をかけることにする。突然音楽がかかる。

老人の過去。突然音楽がかかったかと思うと、妻がお酒を飲みながら踊っている。妻はいくら言われても、それをやめない。

ショーンはイーサンのパソコンをいじっていて、何かを見つける。それ以降、ショーンはこの企画に対して前向きに振る舞う。

裁判。イーサンの母が、親としての監督不行き届きを責められている。

今度はガラスの割れるイタズラをしようとする2人。

老人の過去。彼はベッドの脇に立っている、女性と話す。
老人は地下室に閉じこもっている。

ショーンは、このイタズラの数々を経ても、どうして老人が警察を呼ばないのか訝しんでいる。
イーサンは玄関の会話を拾うために盗聴器を仕掛けに行く。そして、地下室から女性の悲鳴が聞こえたと通報する。だが、地下室を調べた警官は何も見つけられない。

言い争うショーンとイーサン。ショーンはこのプロジェクトをやめたい。彼は、老人とイーサンの父の間に何かがあり、そのことでイーサンが老人を恨んでいると思っている。

裁判。ショーンが出廷している。
ショーンはイーサンの父から来たメールを盗み見ていたのだ。
実はイーサンの両親は離婚しているが、母が父に追われ、逃げ込んだのが老人の家だった。老人は夫婦の仲裁をして、その証言がもとで父は留置所送りになった。
父からのメールを読んで、イーサンは老人が自分の家庭を破壊したと信じているのではないだろうか?

ハロウィーンパーティをしているショーンやイーサン。
ショーンはいい感じになったカーリーと2人で話し込むが、イーサンはそれを隠し撮りして、会話も聞いている。ショーンはイーサンのやっていることが危険だと感じていると話しているが、カーリーがカメラを見つけてしまう。
喧嘩をする2人。ショーンはやめようとするが、イーサンはショーンを脅して、抜けるのを阻止する。

だが、真夜中にリビングのカメラが落ちてしまう。落ちたカメラを回収するために、イーサンが老人の家に侵入する。
噂の地下室にも潜入するイーサンだが、その時に、置いてあってベルに手を触れてしまう。
起きてくる老人。イーサンは地下室から出て、握っていたベルをそのままリビングに置く。
老人はベルを見て、リビングにやってくる。そして、自らの頭を撃ちぬいてしまう。

隠蔽しようとするイーサンにつられて、一緒にカメラを回収するショーン。だが、警察がそこにやってくる。

老人の過去。
妻の頼みを無視をしたおわびに、花が置いてある。微笑む妻。
酒を飲み、夜中に歌い踊る妻。
彼女は病気だった。妻はどんどん具合が悪くなる。プレゼントとして、ベルを渡す老人。
「何かあったらベルをならして。かけつけるよ」

※老人夫婦は、夫が不器用ながらも愛し合っていた。だが、妻が病気だと診断され、彼女は荒れた生活を送ったこともあった。回想に出てきた女性は、看護師だった。彼女はどんどん具合が悪くなる。老人はおそらく、親切にできなかった自分を責めていた。そして、今までの霊現象は妻が彼を呼んでいるのだと思い、ベルがなった=妻が自分を呼んでいる=自殺しなくてはいけない、と考えたのだ。

裁判。以前老人の家を訪れていた謎の女性は、死んだ妻・キャリーの友人だった。彼女は、妻が死んでから12年間、老人はずっと孤独で自分を責めていた。
老人は、彼らの起こしたニセの霊現象を、妻が起こしたものだと思い込んでいたのだろう。

イーサンとショーンは、未成年かつ初犯であることから、非常にタチの悪い重罪を犯したが、保護観察処分となる。マスコミや善意溢れる市民たちが彼らのもとに押しかけ、罵り、言葉を求める。ショーンは、目の片隅でアシュリーとカーリーが遠くでそれを見ていて、そのまま去っていくのを見ている。自分を恥じているショーンだが、横を見ると、マスコミたちのフラッシュを浴びているイーサンがいる。イーサンは、たくさんのカメラに見つめられ、微かに、出も満足そうに微笑む。

感想

・こんな寂しすぎるお話、久しぶりに見た。
・イジワルジジイと噂されているわりに、そんなにイジワルでもなかった(犬を連れている人を怒鳴ってたけど)。見ている私たちも、じいさんが意地悪だと思い込まされていたのかもしれない。
・結局、だれよりも狂っていたのはイーサンだった。彼は自己顕示欲を、逮捕されて時の人になったことで満たしたのである……ということ?SNSをテーマにしたホラーはここのところ増加傾向にあり、一時期増えていた「ユーチューバーになりたくて動画を撮影していたら恐ろしいことになったよ」という動画撮影をテーマにしたホラーはごそっと減ったイメージがありますが、久しぶりにユーチューバーになりたい系ホラーを見た。それにしても迷惑な若者たちであります。

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