「ドント・ノック・トワイス」

ドントノックトワイス

たぶんイギリス映画「ドント・ノック・トワイス」。なんとなく既視感がある設定だなあ、と思っていたのですが、ちゃんと見たらなかなか素晴らしかった。
・仲たがいしている母と娘が、共通の敵(ばあさん霊)と対決
・少しずつ浸食されていく日常。ノックが怖くなる……
・衝撃のラスト。あの人がまさか、黒幕だったとは……
という3点がポイントかな?と思ったのですが、映像がけっこうキレイなのもポイント高いですね。

登場人物

ジェス:主人公。現在は売れっ子アーティストだが、ドラッグ中毒のせいで娘を施設に預けていた。そのことで恨まれている。現在はベンと結婚している。
クロエ:ジェスの娘。彼女自身にも絵の才能があるが、そのことは触れられない。母のことを嫌っている反面、どこかで許そうとしている一面も。あることをきっかけに、メアリーに追い詰められていく。
ベン:ジェスの旦那。あんまり出てこない。クロエとは血のつながりなし。

ダニー:クロエの昔からの男友達。クロエと共に、メアリ―の家をノックしてしまう。
マイケル:子供の頃に失踪後、死体で発見された、クロエの友達。
ティナ:ジェスのモデル(性格には、彼女の子供がメインモデルである)。霊感がある。
ボードマン刑事:クロエとも知り合いの刑事。メアリーの事件も担当していた。

メアリー:マイケル誘拐・殺害の容疑をかけられ、自殺した老女。その後、彼女の家のドアを2回ノックするとメアリーにとりつかれるという都市伝説が流布する。

ネタバレ

9年前に施設に預けたクロエを引き取ろうとするジェス。だが、娘からにらまれて拒否されてしまう。
彼女は有名なアーティストであり、赤ちゃんをモチーフに作品を作り続けている。

その頃、ジェスはダニーと遊んでいた。ダニーはピンポンダッシュならぬノックダッシュをする子供を見て、メアリーの話を始める。彼女の家に行き、ノックをする。1回目で目を覚まし、2回目で襲いに来る。2人はメアリーの家(誰も住んでないけど)に行き、ノックをしてしまう。

そしてダニーはその後、すぐに姿を消してしまう。ネット通話でそれを目撃するクロエ。そして、クロエは施設のキッチンでメアリーに襲われる。蛇口から血が溢れてきて、そのシンクからやせこけた老婆の手が覗く。絶叫するクロエ。

彼女は母の家に避難するが、やはりぎくしゃくする。
母のスープの中に浮かび上がる血と歯を見て、また絶叫するクロエ。
その夜、ジェスは泣いている女の声を耳にする。家のなかには、謎の女がいた。その老女は突然若返り、首をかっきって倒れる。そして、みるみるうちに腐っていく。
という夢だったが、本当に夢だったのか?

メアリーは施設の近くに住んでいた赤毛の女だった。彼女はいつしか魔女と言われるようになり、死んでから玄関をノックすると、彼女がやってくる。
そんな話をしながら、親子は久しぶりに一緒に眠る。

次の日、モデルのティナがやってくる。彼女はクロエを見て血相を変えて出ていく。彼女は霊感にあり、「その子は魂がうばわれかけている」と言われてしまう。
そして次に、親子のもとをボードマン刑事が訪れる。刑事はマイケルの失踪事件も担当しており、クロエとも顔見知りらしい。
ボードマン刑事は、クロエとダニーがマイケルの事件でメアリーを恨み、玄関をノックし続けた結果、自殺に至ったとジェスに話す。その死体はキツネに食べられていたらしい。

彼女は悪魔のつかいだったのかもしれない。悪魔のつかいがそれから逃れるためには、自殺するか、誰かを身代わりにするしかないのだ。彼女がつかいなら、胸に悪魔のしるしがあっただろう。

クロエはやはり、メアリーが追いかけてきていると感じる。

アトリエの作品がグチャグチャになる事件があり、ジェスはクロエを犯人だと思って怒鳴りつける。だが、そこには「あの子は私のもの」というメッセージが残っていた。クロエはやはり「ここなら来ないと思ったのに」と絶望する。
クロエは出て行こうとするが、それを止めようとするジェス。

しかし、母は締め出され、クロエは①突然バーさんが横に立っている②逃げて閉じこもった部屋のクローゼットからバーさん出てくる攻撃を受ける。母はドアをブチ破って娘を助け出し、2人は夜、ドアをすべて外して燃やしてしまう。

朝になってから海外に逃げようとする2人だが、突然燃やしたはずのドアが出現し、それが異世界に通じてしまう。そして、クロエは空中に引き上げられる。娘を引っ張って血だらけになるジェス。

ジェスは、ティナのもとに逃げて助けを求める。
彼女はメアリーは無実の罪で死に、デマを広げたクロエに復讐するつもりなのだと霊視する。
ジェスの車のなかには、メアリーのメッセージなのか、自分の作った赤ちゃんの像の顔の部分だけが残っている。

ジェスは家に戻り、ボードマン刑事のファイルや映像(ここらへん、ボーッとしてたのであんまり覚えてないけど、忘れていったっんだっけ)を見つける。そこには、メアリーを厳しく取り調べている刑事の姿があった。

養護施設に戻されているクロエのもとに行くジェスだが、彼女は危険人物としてマークされていると明かされる(言動がドラッグをやっていたころと似ているから)。
ジェスはその施設で、ボードマン刑事がボランティアをしていて、マイケルとも顔見知りだったと知る。「こういう犯行は、顔見知りが犯人なことが多い」その刑事の言葉を思い出す。
クロエはジェスとともに施設から逃げ出すが、メアリーに囚われてしまう。

メアリーの家に侵入し、釘を踏んでしまうジェス。あっという間に警察が来て、彼女は逮捕される。
だが、彼女は警察の不意をついてメアリーの家に走り、玄関を二度ノックする。

取り調べで、刑事を逆に問い詰めるジェス。彼女はメアリーが自分を襲うのを待っているのだ。真っ暗になった取り調べ室の上から、メアリーは彼女を襲う。
ドアが開き、それは森につながる。男の声に導かれるジェス。

その頃、クロエは檻の中にいた。その前にはマイケルが見える。だが、マイケルは誰かに殺されてしまう。迷い込んできた母は娘を見つけ、2人で逃げる。
その頃、ボードマン刑事は親子を探してメアリーの家にいた。彼は玄関のドアを何気なく、2回ノックしてしまう。外に逃げる親子と入れ替わりで、刑事は中に引きずり込まれていく。
帰ろうとする2人の背後で、またドアが開く……。

同じころ、ベンが家に帰ってきていた。それを誰かが待っている。
「何をしている?ジェスはどこだ?警察を呼ぶぞ!」
彼は殺されてしまう。そして、ベンを殺したのはティナだった。彼女の胸元には、悪魔のつかいのしるしが見える。

親子は刑事のことを話しているが、クロエは刑事が本当にいい人であり、マイケルを殺すようなタイプではないと主張する。ボードマン刑事は味方だった。メアリーは本当に悪魔の手先で、逃げるために自殺したのだ。呆然とするジェスだが、胸元が突然熱くなり、叫ぶ。それはティナがお守りにとくれたネックレスだった。そのネックレスが肌に焼き付き、悪魔のつかいのしるしを彼女の胸に刻み込んでいた。

感想

・「刑事が犯人」ではなく、メアリーは悪魔のつかいだった。彼女はすべてから逃れるために自殺をした。ティナが本当の黒幕であり、ジェスを身代わりにした(しかし、こんなことしたら速攻で復讐されそう)というエンド。まあ、ティナはなかなかに怪しかったのですが、最後にちょこっと出てきた時にはゾクッとしました。
・親子が呆然としているところでブツリと終わるので、後味の悪さがすごい。闇堕ちエンド(悪魔のつかいとなって、別の人を貶めている)ならまだ「あるある」と思えるのですが、本当にブツ切りなので、モヤモヤがすごい。