「ラスト・シフト/最期の夜勤」

ラストシフト

2014年のアメリカ映画「ラスト・シフト/最期の夜勤」。
ラストシフトというと定年直前の1日っぽいですが、旧庁舎の取り壊し直前の日、新任の巡査が夜勤で入る……というお話。夢か現実かわからないというのがキモではあるのですが、低予算な印象は拭えません。ですが、特殊メイクの出来がすばらしすぎて若干チビります。

ネタバレ

巡査として初出勤するローレン。だが、旧庁舎での最後の日の宿直を1人でまかされ、意気消沈する。
産廃業者を待つことになるローレンだが(警察でそんなことあるのかはよくわからない)、彼らは遅れていてなかなかこない。

少女から通報が入るが、はっきりしない。
サンドイッチを食べるが、なかから髪の毛が出てきて、それを吐き出してしまうローレン。
何かがおかしい。

庁舎の中にホームレスらしい男がいるのを発見するが、彼は裸足でおしっこしている。男を外に追い出すが、この庁舎のトイレは汚すぎる!

ローレンはロッカールームで警察官の家族写真を見つける。
また少女(モニカ)から電話があり、彼女は牧場に拉致されているという。だが、電話は切れてしまう。
本棚が勝手に動き、怯えるローレン。

さっきのホームレスがまた庁舎に入ってきている。急にドアが閉まり、電気が消える。
女の子の声で「ここから出して」と聞こえる。
一瞬、袋をかぶせられた少女たちが見える。
天井にはなぜか「SOW」と刻まれている。

ローレンは庁舎の外でタバコを吸っているマリゴールドという女を見つけ、出て行くように命じる。
だが、彼女はペイモンという殺人一家のことを彼女に話し始める。彼らは女の子を次々殺した殺人鬼集団だった。ローレンの父も彼らとの小競り合いの末、殺されたことがわかる。
捕まった3人は首を吊っていたそうだが、死体はなかった。隣の房にいたが、彼らが口ずさむ歌がうるさくて眠れなかったというマリゴールド。死体はなくて落書きだけが残されていた。彼らの仲間が、まだ生きているという説を信じないというローレン。

だが、庁舎の中に戻ったローレンの前に、ペイモンファミリーの独白を記録したビデオが延々と流れる。

モニカからは他の女の子が殺されたとまた通報される。
そして知らないうちに、イスが積み上げられてる。彼女はふと、自分がからかわれていると思う。
そこにプライス巡査がやってきて、彼女の様子を伺う。彼女はからかわれているわけではないと知り、再度怯える。プライスと打ち解けるローレンだが、彼が立ち去る時に後ろを向くと、そこには大きな穴が空いている。
彼女の視野に死体が滑り込んできて、そのまま立ち上がってこちらを窺う。

彼女の耳元に、ペイモン一家の歌が聞こえてくる。

ローレンの後ろを、泥だらけの人が四つん這いで通る。
女の子たちの幻想を見るローレンだが、鏡に映る彼女たちは普通の姿なのに、こちら側にいる彼女たちは袋をかぶらされ、そこに血がにじんでいる。
ローレンは弱音を吐いて宿直をやめたいと連絡をするが、怒られて考え直す。だが、ペイモンたちの首吊り死体を見てしまうローレン。何が現実なのかわからなくなってくる。

モニカのことを何度も現庁舎に連絡していたローレンだが、モニカは既に死んでいるということがわかる。森の中でバッドで殴られて死んでいたのだ。彼女の電話を受けた男は、旧庁舎には幽霊が出ると言い出す。
廊下に警官が撃たれて死んでいる写真がある。唸り声でローレンの耳はキンキンし、写真が燃えていく。

気絶するローレンだが、母親からの電話で目を覚ます。

突然取調室で女と話しているのに気付くローレン。女は自分の目の前で自殺する。

そして、気が付けば固定電話がなっている(固定電話ごと震えている)。またモニカから電話だ。モニカからとった電話で「あなたは死んでいるはず」と問い正すと、電話の向こうの人物は笑い出し、女の声から男の声へと変わっていく。

ローレンの前に、顔をぐちゃぐちゃに殴られ、腐ったような半裸の女が迫る。
逃げようとするが、旧庁舎のドアは開かない。そこで父親からの電話を受ける彼女。励まされる。

廊下にはホームレスの男がいるが、彼は振り返ったら目玉が飛び出しそうになっている。
男をある部屋まで追い詰めるが、そこには「地獄の王」と書かれているのが見える。皮膚のような袋をかぶり、歯を剥きだす女たち。顔がずたずたになっている(五芒星のマークが刻まれている)男が彼女を襲う。
プライス巡査は彼女に微笑みかけながら、拳銃のように親指と人差し指を立てた手で口の中を撃つ真似をする。それは本当に彼の頭を貫いてしまう。

彼女のまわりを、袋をかぶった男たちが走り回る。ローレンは警察官として彼らを撃ち殺してまわるが、気が付いたら彼女自身もコーエン巡査部長に撃たれている。よく見たら、男たちは遅れてくると約束していた産廃業者だった。彼女は自分で自分のしたことを知りながら、絶命する。

感想

・ひたすらローレンが見ている夢の連続。モニカという少女の正体は?ホームレスの男は実際にいるのか?深読みしようと思ったらいくらでもできそうですが、そこまでの深さがあるのか実際に確かめたくはない。
・袋をかぶっている少女たち、ラストの方に出てくるのっぺらぼうで口だけある(のが袋をかぶっているように見える)女たち、顔がぐちゃぐちゃで傷つけられている薄着の女など、とにかく異形のメイクが怖い。他のお金を全部ここに注ぎ込んだんじゃないだろうかと思う。
・父の電話という救いから、やはり悪霊や怨念のようなものに負けてしまうローレンに絶望を感じる、という流れなのかもしれませんが、よくわからないうちにアラ、死んでしまった……と呆然とするしかない。
・産廃業者は何をしに来たのか全然わからなかったです。しかもめちゃくちゃ遅れて朝の4時に来るという地獄のようなシフトからの突然の死。かわいそすぎる。

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