「スクリーム・ガールズ」

screamgirls

2015年のアメリカ/カナダ映画「スクリーム・ガールズ」を見ました。製作総指揮にウェス・クレイヴンが名を連ねています。遺作扱いになっていますね。
この映画はすごく好きです。さびしさがあるホラーです。血がドバドバ~とか首がチョンギレ~とかいう派手なホラーもいいですが、しみじみと怖い。ラストが秀逸です。

ネタバレ

写真を撮影する行為には欲望が伴う
監禁の欲求 交わりの欲求 強烈な性的欲求

ホラー映画を見てきた女子学生。家に帰り、冷蔵庫を覗いているとその後ろに、“誰か”(仮面にフードの人物)がいる!
車で誘拐され、カメラで撮影される女。謎の人物は2人おり、殺して写真をプリントアウトしている。

主人公のコリーンは、コンビニで働いている。集金のために店を訪れると、店頭に死体写真が貼られており、それを見て驚くコリーン。だが、通報しても「写真だけで事件性なし」と言われる。
だが、コリーンは犯人のターゲットになっている。

犯人たちは、あるカメラマンの写真に影響を受けているようだ。このカメラマン・クリスは写真家として成功しており、この事件にも興味を示している。

コリーンはベンという彼氏がいるが、この男がなかなかのクズ。友人のジルが彼女を支えてくれている。

店の経理作業をしているコリーン。だが、店に謎の人物2名が忍び込んでくる。危うい!と思いきや、別の店の話だった(スカシ)。

その頃、クリスは、モデルたちや助手のピーターを伴い、コリーンの住む土地を目指していた。彼らはたまたま主人公のいる店を訪れ、買い物をしていく。コリーンの美貌は目を引き、彼らにモデルとしてスカウトされる。助手のピーターに好感を持つコリーン。
さらにクリスは駐車場にある車に目を止め、撮影に貸してほしいと名刺を挟む。だが、その名刺を挟んだ車の持ち主が殺人犯たちだった。
彼らのうちの1人、美青年のトムはコリーンのレジにわざわざ並び、親しげに話しかけている。だが、彼らが家に帰ると地下には女の子が監禁されている。その女性こそ、コリーンの親友のジルだ。ジルにネコ缶を与えるトム。だが、そのままジルを殺してしまう。
ジルと会う約束をするコリーンだが、そのメールを送っていたのは殺人犯だった。ジル本人はノコギリで首を切り落とされ、血がドバドバ出ている。

クリスたちは家を借り、そこで地元の女を集めてパーティしている。だが、あまりレベルの高い女がおらず、盛り上がりに欠けている。コリーンはそこにやってくるが、怒って出ていく。だが、車のボンネットにジルの死体写真が挟まっていて、また驚かされる。
ピーターはコリーンが殺人写真にたびたび遭遇していることを知る。

勝手に部屋に入ってきていたベンとコリーンは喧嘩になる。しかも、コリーンの部屋には殺人鬼が部屋にいるが……!

翌朝。クリスは、コリーンをロサンゼルスに連れて行くことを決める。「犯人はコリーンをスターだと思い込んでいる」「人がPCなら犯人はMac……」(ってメモに書いてあったんだが、すごいセリフですね)などと続け、ピーターにも協力を迫る。
コリーンも街を出ようと考えている。

明日ロサンゼルスに行こう!というクリスの誘いに乗るコリーン。荷物をまとめて、ベンの財布からも金を抜いていく。ジルにもメールするが、それを読んだのはトムだった。

クリスの彼女(モデルで、旅行についてきている)はコリーンに嫉妬している。しかし2人はセックスする。他にもついてきている男女モデルもセックスしている(なんだこいつら)。ピーターと同じ部屋に、とりあえず泊まることになるコリーン。お互いぎくしゃくする。

しかし、家にはトムたち殺人鬼が侵入しており、まずピーターを刺す。さらにモデルたちもタオルで窒息させられたり、続けざまに殺されていく。クリスはピーターを捜すが、自分の彼女の死体を見つけてしまう。彼本人も首を刺されて殺される。

コリーンがリビングに降りると、バラバラにされている死体や血まみれの死体が積み重なって彼女を待ち受けている。

翌朝。アイスクリームショップに出勤するポニーテールの少女。店先に写真が貼られている。驚く彼女。
そこにはクリスやピーター、モデルたちの死体に囲まれて、こちらを見ているコリーンの姿が映っている。

時々自分をこう思うの 母親のいない子供のように

私の家は 遠い彼方に

時々私をそう思うの 自分は全て終わってしまったと

感想

・ラストに出る「FOR WES」が泣ける!
・美青年トムとその友人?家族?の人物像がほとんど明かされず、ただコリーンにご執心。
・ラストの写真のコリーンのポカンと何かが抜けてしまったような感じが素晴らしい。そしてエンディングの歌も素晴らしい。
・全体的に説明されない部分も多いのですが(トムがなぜ写真を撮り続けたのか?トムともうひとりの男はどうして殺人に走ったのか?など)、そういうものを追求するのが無粋にも思える。ラストまで見ると。