「ラザロ・エフェクト」

razaro

2015年のアメリカ映画「ラザロ・エフェクト」を見ました。
・5人しか登場しない、密室劇に近い内容
・「死者の蘇り」を科学的に検証するチーム、実際に蘇らせると……
・なぜか超能力を発揮して、「パプリカ」並みに深層心理にダイブする主人公
死にとりつかれるヒロインをオリヴィア・ワイルドが熱演しています。細身の美人が悪魔にとりつかれると怖いですね。
死体を蘇らせる映画はいろいろありますが、この映画に関してはかなりのベタ……王道です。ただし、アイデアが面白いなあというところもありました。

あらすじ

「パラノーマル・アクティビティ」シリーズのプロデューサー、ジェイソン・ブラムが贈るサスペンス・ホラー。死者を蘇らせる禁断の研究に取り組む医療チームを待ち受ける戦慄の恐怖を描く。出演は「彼女はパートタイムトラベラー」のマーク・デュプラス、「ラッシュ/プライドと友情」のオリヴィア・ワイルド。監督はドキュメンタリー「二郎は鮨の夢を見る」で注目を集めたデヴィッド・ゲルブ。
医学研究者フランク・ウォルトン博士は、婚約者のゾーイ・マコンネル博士ら研究仲間たちと死者を蘇らせることができる“ラザロ血清”の研究に没頭していた。だがある日、実験中の事故でゾーイが感電死してしまう。ショックと悲しみで激しく動揺するフランクは、他の研究員の制止を振り切り、未完成の血清を投与し、ゾーイを生き返らせようと試みる。実験は奇跡的に成功し、死の淵から蘇ったゾーイだったが…。
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=355712

登場人物

エヴァ:主人公。普通の大学生。研究チームの撮影係を担当する。赤毛の美人。
ゾーイ:研究に没頭する美人博士。フランク博士とは結婚の予定があったが、研究のせいで先延ばしになっている。
フランク:ゾーイのフィアンセ。研究第一なところがある。
ニコ:チームの一員。黒人の好青年。ゾーイに思いを寄せている。
クレイ:チームの一員。チャラい。

ネタバレ

冒頭。実験VTRが流れる。

チームの撮影をまかされたエヴァ。チームと挨拶する。
(人間関係の説明がひたすら続く。ニコはゾーイが好き、エヴァは美人、フランクとゾーイはラブラブなど)
ゾーイの研究する「ラザロ血清」は死者を生き返らせることができる。
その一方で、ゾーイはフランクとの結婚が3年延期されていることを気にしている。

夜中に悪夢を見るエヴァ。
謎のアパート、火事、焼ける人形。

チームは、犬を生き返らせることに成功する。だが、犬は様子がおかしい。食事もしないし、もともと患っていた白内障が治っている。検査をすると、血清の成分がまだ体内に残っていることがわかる。
しかも、大学からは死者を蘇らせるというテーマ、動物実験を咎められ、出資してくれていた企業に何もかも奪われてしまう。ただし、血清を持ち出していたゾーイ。エヴァも、自身のカードキーを死守していた(彼女はゲストだから)。
彼らは諦めきれず、夜に大学に侵入して研究を完成させることを誓う。だが、ゾーイは感電死してしまい、フランクは彼女に血清を投与してしまう。

次の瞬間、ゾーイは生き返る!だが、蘇った彼女の脳は普段使われていないところまで動いていると知るニコ。
フランクは彼女にずっと渡したかったアクセサリーをプレゼントするが、ゾーイは幻聴を耳にする。彼女は超能力を発揮し、相手の考えていることを聞き取ることができるようになる。また、ものを動かす能力も手に入れている。
ゾーイは酷く混乱しており、死んでいた数分間を否定し、「あそこに何年もいたのよ!」と叫び続ける。

エヴァは夢を見ている。やはり謎のアパート。燃えている部屋で、ドアの下から指が出て助けを求めている。廊下には何かを手の中に隠している少女がおり、口元に指をもってきてシーッとされる。
混乱しながら目を覚ますエヴァだが、手首に指の跡がついている。
エヴァの見た夢は、ゾーイの過去に関係しているようだ。彼女も子供の頃、火事に遭遇したことがトラウマになっていたのだ。
エヴァはゾーイが悪夢に閉じ込められていると分析する。本来、人は死んだら「魂がドアから出て行く」はず。だが、ゾーイは扉を閉じられてしまっている。だから、彼女の魂は、悪夢を彷徨っているのだ。

ニコは、ニセのアカウントが彼らの実験データを全てコピーしていたと気が付く。おそらく、出資してくれていた会社が彼らをハメたのだ。通報される前に、逃げることにする彼ら。
だが、ゾーイは行動を始める。まず、ニコ。「普通に戻して」「信頼できるのはニコだけ」と言い、キスをする。だがそれを拒むニコを超能力でロッカーの中に飛ばし、そのままロッカーを外から潰してしまう。中から血が飛び出してくる。ゾーイはニヤニヤしている。

さらに停電して、彼らは地下に閉じ込められる。ニコがいなくなり、ゾーイを疑うエヴァとクレイ。だが、クレイが突然苦しみだす。そのまま死んだ彼の喉の仲から、くしゃくしゃに折れたペン(?)が発見される。
今度は完全に停電が起こり、真っ暗になる。

逃げるフランクとエヴァ。死体安置所からは、死体がたくさんはみだしている。
ゾーイと対峙することを決めたフランク。彼女を労わるが、内心ゾーイを殺そうとしていることを見抜かれ、彼女に殺されてしまう(ゾーイが頭を掴んだら、脳がパーンした模様)。

エヴァは取り残されているが、暗闇で鳴りだしたレコードに脅かされる。
彼女を見つけたゾーイの手のひらから光が飛び、そのままエヴァは後ろに吹っ飛ぶ(カメハメ波?)。
また、エヴァはゾーイの過去であり、悪夢の中に取り込まれる。だが、少女=ゾーイが火をつけた犯人だと知るエヴァ。少女を「あなたのせいじゃない」「もう気にしなくていい」(いや、そんなことはないだろ)と説得し、ドアを開けて外に向かわせる。ドアから出て行く少女。

現実では、その瞬間、エヴァはフランクからもらった薬(大量に投与すると死に至る)を注射器でゾーイの胸に刺している。
そして、助けに来た救命士に泣きながら助けを求めるエヴァだが、抱きついた体を離すと、そこには救命士の格好でニヤついているゾーイが立っている。ゾーイは、エヴァの首を折って殺す。

その後、彼らの死体を集め、まずはフランクを手術台に乗せてラザロ血清を投与するゾーイ。彼は大絶叫しながら、飛び起きる。

感想

・エヴァがどうしてゾーイの悪夢に侵入できたのかは謎。
・ゾーイは放火犯だったのか……これは「幼い頃の過ち」で済む問題なのだろうか。人、いっぱい死んでるし。
・さぞかし醜い人間関係が?と思ったのですが、ニコは最後までいい人で、クレイの死に方はあっけなく(チャライとかクズとか、そういう伏線はありましたが)、フランクがゾーイに想像以上に冷たいくらいで、あとはまぁ「ゾーイを生き返らせるべきじゃなかった」と思うのは仕方なくないか?とも思いました。しかし、3日間くらいの話だからかあっさりしている。てっきり「人里離れた廃屋」みたいなところで実験続けるのかと思いきや、大学内で話が終わるし。
・怖がらせる仕掛けも少ないので、ホラー慣れしている人にはおそらく物足りないでしょう。ただ、暗闇のシーンが多いので、映画館で見ていたら怖かったかもしれない。