「ウォーキング・デッド」シーズン7・第5話「消せない憎しみ」のネタバレ

wds71

※12/2、セリフなど追記しました

第5話 消せない憎しみ(Go Getters )

ニーガンとの対峙後、ヒルトップで治療を受けていたマギーが目を覚ます。医師は“出産までここにいるべきだ”と言うが、リーダーのグレゴリーはすぐにでも出て行くように言う。救世主に見られたら、基地を襲ったアレクサンドリアと結託していたことがバレてしまうからだ。ジーザスもグレゴリーを説得しようとするが、彼は聞く耳を持たない。一方、アレクサンドリアを抜け出したイーニッドはマギーがいるヒルトップを目指していた。
http://tv.foxjapan.com/fox/program/episode/index/prgm_id/20608

ネタバレ

マギーは目を覚ますと、ヒルトップの医師であるカーソンがいる。彼女の目線の先には、青い花が飾られている。
「おかえり、(僕のことを)覚えてる?」
彼女の胎盤の一部が剥がれ落ちてしまったが、赤ちゃんは無事だった。カーソンは彼女が出産までヒルトップにいるべきだと主張する。だが、マギーはぼんやりしてしまっている。

サシャもヒルトップに留まっている。
サシャは、マギーがいる医務室(小屋)の外で待っている。マギーが出てくる。
「彼はどこに?2人はどこに?」
グレンとエイブラハムは、ヒルトップに葬られていた。グレンのポケットに残されていた懐中時計をマギーに渡すサシャ。
「エイブラハムは葉巻だけ」
サシャはかすかに微笑む。その後、泣き出してしまう彼女。マギーは懐中時計にキスをして、お墓に備える。
「何もかも間違っている気が」
「全部じゃない」
「医者は“大丈夫”と。数日安静にしていれば」
「出産までいろって。もしもの時、彼がそばにいれば安心だから」
「そうしましょう」
「まだ考えてる」
「残るのよ。私も残る」
そこに、ジーザスもやってくる。ジーザスは花を供えてくれていた。マギーの病室に花を置いたのも彼。青い花には強さを引き出し、鎮静作用があるからだ。お墓に供えた花は緑。「解放」の意味がある。

だが、そこにヒルトップのリーダー、グレゴリーが登場する。彼はマギーたちに出て行ってほしいと言い出す。
「やっと起きたか。“全員殺した”と」
「そう思ったけど、基地のひとつだった」
「あと何人いる?」
「大勢よ。何百といる」
「何と言った?マーシャ」
「マギーだ」
ジーザスが訂正する。
「何も。私たちの取引のことは……」
「元気になってよかった。出てってくれ、“リッチ”によろしく」
「カーソンは残れと」
「医師の彼に決定権はない」
サシャが彼を睨む。
「その眼はなんだ。彼女がいたら、私たちが危ない。マギーとは距離をおけ、仕事はどうした?
グレゴリーは、サシャをヒルトップの人間だと思い込んでいる。彼はマギーやリックの名前すら覚えていないし、コミュニティの人間の顔すら覚えていないようだ(酒浸りだから?)。
「君が墓を?私たちは火葬する」
「私は住人じゃない」
「彼女はサシャだ。アレクサンドリアから来た」
「知らんよ!全員は把握できない。刺されて養生していたんでね。救世主を始末すると言っていたのに、街を危険にさらしてる。結託したと思われる」
「したでしょ」
サシャは呆れる。
「こんなのはごめんだ。私たちも同じ目に遭う。見られたら言い訳できない」
グレゴリーは話し続ける。
「だったら解決策はひとつだ。出てってもらおう」
「日が暮れる、外は危険だ」
「わかった。一晩泊まっていい。朝には出てけ」
グレゴリーに話し合いを求めるジーザスだが、彼は突き放される。マギーたちの味方をするようならば、向こうに移ることになると暗に脅されるジーザス。彼は困ってしまうが、自分はヒルトップに戻ってくると明言する。
「終わってない。マギーは妊婦よ」
「(両手を広げて)とんだ過ちを犯したな」
「待って」
マギーはサシャを止める。グレゴリーは去り、ジーザスもいたたまれずに去っていく。
彼にはジーザスも逆らえない。というよりも、ジーザスは争いを恐れ、グレゴリーを尊重している。

ところかわって、アレクサンドリア。リックたちはカールにも物資調達に参加するように言っているが、彼は反抗的だ。アーロンとリックは連れだって出かけていく。その前に、ミショーンとキスするリック。
残されたカールは、ミショーンと会話する。
「行かないの?」
「考えるのよ」
「何を?」
「どうやって対処するか」
「こんなの間違ってる」
「リックは正しいと」
「おかしいと思ってるだろ?」
ミショーンはすぐには答えない。
「間違っていたとしても、わからない」
彼女は日本刀を背負ったまま、家を出て行く。
「オリビアに優しくするのよ」と命じるミショーン。

カールは、イーニッドが外に出て行こうとしているのを見つける。
「イーニッド」
「マギーのところへ」
「歩いてヒルトップへ?遠いよ」
「大丈夫」
「かもね」
「大丈夫よ!両目あるから」
カールは下を向く。
「言い過ぎた」
「もう守らない」
「閉じ込めたのは、守るため?」
(前シーズンで、カールがイーニッドを閉じ込めて守ろうとしたシーンを指している模様)
「ああ」
「生きて戻れてよかったわね」
「そんな話じゃ」
「見たくなかったね」
「いいや」
イーニッドはアレクサンドリアの塀を登っていき、乗り越える。それを見送るカール。
2人はどことなく、ギスギスしている。

ジーザスの部屋に泊まることになったサシャとマギー。
「君がいてくれて助かる」とサシャに言うジーザスだが、サシャはグレゴリーの説得を望む。
「グレゴリーを説得して」
「努力する」
「努力だけ?」
「わかってるだ、俺はここに残らなきゃ」
「ボスになって」
「ボスってガラじゃない」
「私は出てく。マギーは置いて、物資を調達するから、彼女を守って。彼は納得する?」
「かもな。だが、ひとりで?」
「この街をどうしたいの?
「俺は……力になりたい」
「それじゃ足りない」
ジーザスはポケットから、ネックレスを取りだす。
(このネックレスは、ロジータが彼にプレゼントしたもの?)
「これはエイブラハムのだ。見つけたんだ。
残念だよ。いい奴だった。人を苦笑いさせることを平気で言う男だった」
そこにマギーがやってくる。ジーザスはできるだけ善処すると伝える。
「なぜ火葬を?」
「前進し続けるためだ」
「思い出の品は?」
「俺たちだ……また明日」
マギーとサシャはテーブルを囲む。マギーが口火を切る。
「どうする?」
「残るわ。追い出せない」
「グレゴリーが」
「バカな男!臆病者よ」
「もっと危険だわ。一晩ある。朝までに決める」

イーニッドは自転車で移動しているが、小屋の前を通りかかる。血だまりを見つける彼女。そこにウォーカーが現れる。困惑するイーニッド。しかし突然車が現れ、ウォーカーを轢き殺す。その運転をしているのは……カールだ。
「何してるの?」
「ドライブだ」

夜のヒルトップ。何かの気配で目を覚ますサシャとマギー。門がいつの間にか空いており、ウォーカーが入ってくる。車が突入しているし、何者かが大きな音楽を流してウォーカーを呼ぶ。サシャはひとりで車のところまで行き、事態を好転させようとする。
マギーは体調が悪いため助けられないが(サシャが止めた)、代わりにジーザスに叫ぶ!
「ジーザス!サシャを助けて!」
「マギーったら」
他のものには門を閉めるように指示するマギー。パルクールのような動きで、ウォーカーを倒すジーザスはサシャと見事なコンビネーションを見せる。だが、その車は簡単に開かないように溶接されており、ご丁寧に中指を立てたエンブレムまでつけられている。グレゴリーは窓から外を眺め、怯えて奥に引っ込んでいく。
車の音楽は止められない!そこに、トラクターが登場する。マギーだ。マギーはそれを運転して、ウォーカーごと車を潰してしまう。

カールとイーニッドは歩き続けている。
「見てたの?」
「ああ。見てた。目をそらさなかった」
「どうして?」
「忘れちゃいけないと思ったからだ。奴らを殺す時には、ためらわない」
「私も殺すわ。ひどいけど、仕方ない。愛する人のためよ。愛した人……」
「自分のためだ。閉じ込めてごめん」
「(謝らなくていい、そのおかげで悲惨な光景を)見なくて済んだ。彼女、無事かな」
「行けばわかる」
「ええ」
仲直りする2人。彼らはヒルトップに向かい続ける。

翌朝、グレゴリーはジーザスを呼びつけている。
「答えはノーだ」
「妊婦だし、助けてくれた。サシャも恩人だ」
「サシャって?」
「滞在する」
「ボスは君じゃない、私だ。街の安全を守ってる。今さら席を譲れと?私がお膳立てした。どうしたい?壊れた門も、救世主も住人も、君が面倒を見るか?そうなったら、外を駆けまわれないぞ」
「グレゴリー」
サシャとマギーが彼の名前を呼びながら、部屋に入ってくる。
「ケイトリンに頼んでおいた。ルバーブジャムを君たちに贈ろう。昨夜のお礼だ」
「メイトリンだ」ジーザスが訂正する。
「早く出てってくれ。救世主がいつ来るかわからない」
酒を煽るグレゴリー。サシャは呆れているが、話し出す。
「私は行く、彼女は残る。それでチャラよ」
「取引はしない」
「何が望みか言って」
「そうだな、例えば……1対1で話せば」(体を許せと言っているのか?)
「くたばれ」
マギーは思わず口走る。
「聞き間違いか?ケイトリンにも土産は渡すなと言っておく」
しかし、そこにニーガンの手下たちがやってくる!たくさんの男たちが見え、焦るグレゴリー。
マギーとサシャはクローゼットの中に隠される。

イーニッドとカールは、行き倒れの人の荷物からローラースケートを見つけている。楽しそうに滑る2人。2人は自然と手をつなぐ。

グレゴリーの屋敷にぞろぞろ入ってくるニーガンの手下たち。グレゴリーは手下のなかでもリーダー格の男と話をする。
「例の件は聞いたか?」
「何のことだ」
「物資をとりにきてたろ。有能で武装した、兄弟や姉妹たちだ。ゲームから外されてね」
「兄弟や姉妹たちって?」
「わかるはずだ。話そう!」
彼はグレゴリーの肩を抱いて、書斎に入っていく。

男はグレゴリー自慢の絵を見せられている。感嘆する男。
「昨夜の件だが、意味は理解してる。はっきりとね」
「どんな意味だ?理解したんだろ」
「誰がボスか、よくわかった」
「まったく、すごいぜ。目を見張る(※絵の話)。
例を上げて示してやったんだ。“危険がいっぱい”とな」
「肝に銘じる」
「つまり昨夜、俺達はわざわざ汗水を垂らして、お前たちに教訓を与えた。
素晴らしい街だ。高い壁もある。ここの人間は、死人の姿を忘れかけていたろう。奴らの臭いも。(どうせウォーカーを殺せないから、自分たちが)殺してやろうと思った。俺たちのサービスを見せるためだ。だが、自分たちで倒した。よくやったぞ」
「君たちから技術を学んだおかげだ。つまり君たちが守ってくれたんだ」
「嬉しい言葉だね」
「チームプレイヤーだからここのボスに」
「ここに来てた連中は、おそらく、お前に甘やかされたんだな。だから油断しちまった。ぶっ潰されるわけだ」
「死んだのか?」
頷く男。
「死にまくった、大量にな。だが、結果オーライだ!仲間を殺した奴らは、今働いてくれてる。それにそいつらは、なかなかのやり手だ」
「残念だ、そんなこと起きてたとは。ニーガンに伝えてくれ。彼が変更を望むなら、喜んで受けると」
「いいや。必要ない」
「ない?
「今は、俺がニーガンだ。それが彼の望みだ。ありがとよ。俺達を理解してくれて嬉しいよ。だからまだ生きてる。他と違って。わかるな?」
「わかるよ」
「よし」
「ああ、いいことだ」
「ほかに知らせることは?」
「いや」
「知っておくべきことはないか?」
グレゴリーは詰まる。
「グレゴリー?」
彼は意を決する。
「実は、ある」

部屋の外に出て、廊下のクローゼットを開けるグレゴリー。ジーザスは表情と目線でカrを止めようとするが、彼はそこを開ける。そこには……グレゴリー秘蔵の貴重な酒があった。
ニーガンの手下は喜び、それを全て持って行ってしまう。彼は恩を売ることができたが、大好きな酒を失った。グレゴリーはジーザスを睨む。男たちは物資の半分と、先ほど見せられた絵も運び出そうとしている。
「最後にひとつ。跪いてくれ」
「なんだって?」
「跪け」
グレゴリーはゆっくりと、跪く。ジーザスもそれを見ている。
「素晴らしい眺めだ。次も頼むぞ」
彼らは外へ出て行く。

ヒルトップに到着したカールたちだが、ニーガン一味のトラックを見つけて姿を隠す。
「ニーガンはいない。黒い車だった」
カールは男たちを見ている。
「ドライブじゃない。私のためでも……」
「あいつらを許せない。絶対に」
「そうね」
「君も来て。一緒に殺そう」
「言ったよね。自分のためって。エイブラハムでも、グレンやマギーでもない。あなたのため」
「ああ」
「奴らを殺せたとして、どう逃げる?」
「どうでも……」
「よくない」
距離を縮め、見つめ合う2人。カールとイーニッドは初めてキスをする。だが、そのキスの直後、イーニッドを置いてカールは帰ってしまう。
「私といて」
「帰るよ」
「ウソ」
「ウソじゃない」
「止めても―ムダよね」
イーニッドは彼のもとから離れていく。
「見られるぞ」
「いいえ、見られない」

グレゴリーは激怒している。マギーとサシャは、ジーザスの機転でグレゴリーの寝室のクローゼットにいた。彼はすぐに2人を追い出そうとするが、ジーザスが彼女たちを初めて堂々とかばう。
「なぜかばう?彼女たちがしくじったからこうなった」
「刺されたろ」
「あれは誤解だ。救世主が去ったら、彼女たちを追い出す」
「黙れ!滞在させるか、公表するかだ。彼らとの取引を。言い訳できないし、地位を失う」
「代わりに君がボスに?」
「いや、だがあなたじゃない。2人は残る。俺も残る」
マギーとサシャを残すように強く主張するジーザス。
「幸せでいびつな大家族だ」
グレゴリーは鼻で笑う。
「いいだろう、どうなるかな?救世主と一歩前進できた」
「違うね」
「いや、そうさ。お互い円満に過ごせた。彼らは分別がある」
グレゴリーはマギーに近付くが、彼女は彼をグーで殴り、グレンの遺品である懐中時計を取り返す。グレゴリーは、マギーがグレンの墓に供えた時計を盗んでいたのだ!
「言い時計が雨ざらしだったから」
「一緒に暮らすんだから、名前で呼んで。“マーシャ”でも“ハニー”でもないわ。マギーよ。マギー・リー」

「皆が彼をボスに選んだと思っていたが、成り行きだったようだ。適任ではないが、他に誰もいないから。今はいる」ジーザスはサシャ、マギーと窓から外を見つめている。
「誰?」
「そのうち話す。もっと早くこうすべきだった。ごめん」
ジーザスはマギーたちに謝る。
「埋め合わせさせてくれ」
「そうね」
ヒルトップの門が閉められる。
「門が閉まった」
「まだ荷を積んでる」
「先にトレーラーへ」
マギーは先に出て行く。サシャはため息をつきながら、話し出す。
「埋め合わせする?ニーガンの居場所は?」
「トラックの1台はそこへ。居場所を突き止める」
「このことは、あなたと私の秘密に」
「マギーは?いいのかな」
「仕方ない」

マギーはグレンの墓に行くが、そこには緑の風船がある。イーニッドだ。
(イーニッドは前シーズンでアレクサンドリアを出るが、たまたま巡り合ったグレンに戻るように説得される。そして、彼が街の外からマギーに無事を知らせるために飛ばしたのが緑の風船だ。彼女は、この緑の風船を守るために、前話でニーガンの部下に立ち向かってすらいる)
マギーは思いがけない再会に喜ぶ。
「来たの?」
「大丈夫?」
「いいえ」
彼女は時計を握りしめながら、何かを考える。
「でも、そのうち」
ハグする2人。

マギーの面倒を見るイーニッド。マギーがトラクターで車を潰した話になるが、実は彼女は高校時代にボーイフレンドのスポーツカーを同じようにトラクターで潰した経験があるらしい。
夕食の時間になって、サシャもそこに合流し、エイブラハムの墓に供えられていた風船のお礼を言う。カールが送ってきたことは秘密にするイーニッド。マギーは彼女に、父の形見でありグレンの形見でもある懐中時計を渡す。
「思い出の品はいらない。私たちがいる」
彼女たちは手を取り合って、祈りを捧げる。

ニーガンたちのトラックが走り出す。
エイブラハムの葉巻を吸いながら、ナイフを研ぐサシャ(カッコイイ!)。
走り出すトラックに、何かがひらりと飛び乗る。ジーザスだ!彼は荷台にあったグレゴリー秘蔵の酒を一口飲むが、そのトラックの中に誰かがいると気付き、身をこわばらせる。だが、そこから顔を出したのはカールだった。2人は見つめ合い、ニヤリと微笑みあう。

感想

・やっぱりマギーとサシャ回でした。久しぶりに登場したグレゴリーはやっぱり嫌な奴枠でしたが、そのぶんジーザスのカッコよさが目立つ。棒術のモーガンに対して、体術のジーザス。パルクール風の動きでカッコイイ。
・同じ人の死があったのに、リックの回のほうがすごくシリアス。マギーとサシャは既に行動を起こしているというのがスゴイ。ミショーンもロジータもそうだけど、このドラマの女性陣は本当に一筋縄ではいきませんね。ローリ以外は全員好きです。アンドレアも好きだったなー。
・ふと気づいたのですが、サシャはボブもエイブラハムも付き合ってすぐに失ったのか……。
・カールとイーニッドの恋がかわいすぎて……。
・そういえば、タラはどこに行ったんでしょうか……そろそろ再登場するかな。と思ったら、次回はタラがメインの回みたいです!