「戦慄病棟」

senritubyoto

2015年のアメリカ映画「戦慄病棟」。
「退院したい!退院したぁぁぁぁい!!」というパッケージがただ哀しい。
※こんなシーンはありません
「パラノーマル・アクティビティ」プロデューサーと「テキサス・チェーンソー」監督が組むんですから、当然ポカーンな出来かと思いきや、意外と怖いんですね。
・不遜な若者が廃墟と化した病院でパーリーピーポー状態に
・メンバーの中に、どんどんおかしくなる人が出てくる
・次々死んでいく人たち。なぜ、こんなことに……?

登場人物

パトリック:主人公。マジメだが、友達はヤンチャ
ロリー:パトリックの弟。マセガキである
ノウルズ:メガネをかけたぽっちゃり悪友
ブラッド:イケメン悪友。女癖が悪い
アンバー:ブラッドの彼女。なかなかのバカ
ドリュー:ヤク中のアホちん
レイン:ヒロイン。街にたまたま来ていた少女

神父:パトリックの父親代わりになっている神父

ネタバレ

下着姿の女の子。ドラッグをやり、レコードを聴きながら自殺する。

廃墟となった精神病院を片付けているパトリック。彼は大学に出願していないことを父代わりの神父に咎められ、「いい友達を作れ」と言われてしまう。

だが、パトリックは友人たちに誘われ、片付けている最中の病院でパーティを開く。盛り上がる彼ら。朝まで残っていたメンバーは、この病院のことについてネットで調べ、空中浮遊の動画を見つける。自分たちもマネしてみることにした彼ら。体重の軽いロリーを浮遊させることにする。
だが、失敗してしまう。

レインは他の者たちがロリーを軽んじていることが許せない。複雑な家庭で育っているレインに、パトリックも自分も父がいないことを明かす。

その頃、バカ友たちはロシアンルーレットのアプリを使って脱ぎまくっていた。

ロリーはおかしくなっている。悪魔が憑いているように悪態をつき、顔を歪ませている。

そこに、解体業者?のような男がやってきて、鎖でつながれたロリーを目にする。彼はロリーを助けようとするが(にしても、そこそこゲスイ男ではあるのですが)、首を折られて自分で自分をヘッドショットする。
パトリックが呼んだ神父もやってくるが、逃げようとしたブラッドが彼をはね、アンバーの太ももに着地する神父。

神父をバラバラにして、証拠隠滅することを提案するブラッドたち。
レインは調べ物をしていて、「デヴォン」という名前の人物のファイルを見つける。その凶暴な少年と同じことが、ロリーの身に起こっている。

建物の鍵は閉まり、彼らは閉じ込められる。
ロリーは空中に浮きすらする。彼らの儀式が、悪魔をロリーの体に招き入れたのだ。

彼らは、悪魔祓いのアプリを使用してロリーを祓おうとする。しかし、それはもちろん失敗してしまうし、神父の姿も消えている。
パトリックはまた悪魔祓いに挑戦し、ロリーを元に戻す。だが、ロリーはまた悪魔に戻る。鍵はデヴォンという精神病棟にいた男性なのか?

だが、ロリーはようやく元通りになる。ノウルズをスプーンで刺されてしまったが……。
そして、天井には「私に聞け」というメッセージが残されている。
その代わりに、今度はアンバーに悪魔が乗り移る。悪魔の憑いたアンバーはノウルズを刺し、仲間を襲う。
(棒でつながった選手を操って遊ぶサッカーゲームの台の上で揉みあったりもする)
ブラッドは彼女の目に洗剤をかけ、目つぶしをする。

しかし、今度はドリューにのりうつる悪魔。
(舌がとれる衝撃的な場面も……)
上からシャンデリアの枠が落ちてきて、そのまま下敷きになった彼は死亡する。

ロリーと見張りのノウルズを残して、レインとパトリックは血痕を辿る。だが、ロリーは勝手について来る。だが、悪魔に乗り移られたアンバーが彼らを追う。
パトリックたちは、本棚の裏にある隠れ部屋を見つける。彼らは、ロリーの額に出てきた傷は、デヴォンと共通しているものだと知る。

さらにデヴォンのメモには、神父と彼は関係があると記されていた!

(ここらへんで、ブリッジで歩行する悪魔憑きが出てきます)

汚い風呂場に、トイレットペーパーを辿って歩いていくパトリックたち。猫に驚かされつつ、そこにあったブラに気を取られ、きたねぇ風呂に落とされる。レインは消火器で悪魔憑きのアンバーをブン殴る。そして歯ブラシで目つぶしをして、後ろから頭蓋骨を刺して頭を潰す。

神父と遭遇したブラッドは、ずっこけて胸にツルハシが刺さって死亡する。

ここで、ノウルズの口から全ての諸悪の根源が「召喚のせい」で、生きている人間のせいでこうなったのだということが語られる。そして、悪魔憑きになった彼はパトリックを襲う。
だが、彼は反撃され、顔半分を切られて落とされる。その落ちた顔は、目をギョロギョロさせながらこちらを睨んでいる。

パトリックとレインは、デヴォンを閉じ込めていたという箱を探すが、それはなかなか見つからない。デヴォンは生きているのか?そして、この事件の黒幕とは?

と、パトリックはレインと神父が喧嘩をしていたのを目撃していた。
ここで、レインが神父の娘だと明かされる。レインは足や腹を刺されてしまう。
パトリックは神父に立ち向かう。
「デヴォンはあんたの息子だ」
「私には、息子なんていない」
「息子に謝れ!」
神父に火を付けるパトリック。

だが、真相は違っていた。デヴォンは男の子ではなく、女子だった。その少女こそ、レインだったのだ。彼女の腕のブレスレットには、「DEVON」と刻まれている。
彼女は自殺した母(冒頭の女性)を復讐のため、この街にやってきたのだ。13歳で施設に入り、この精神冒頭に監禁された。レイン(デヴォン)は生き延び、病棟で虐待された人の霊を呼び起こしたのだ。そして神父を、息子代わりのパトリックに殺させたのだ。その方が彼が悲しむから、という理由で。

しかし、無事だったロリーが兄をかばい、パトリックとレインが取っ組み合いの殺し合いを始める。レインのほうが有利だが、パトリックは芝刈り機でレインの足を攻撃し、枝切りハサミを腹に刺してデヴォンを入れていたという箱(悪魔を封じる箱みたいなもの)に入れる。

燃える施設を見ているパトリックとロリー。ロリーは「母さんには秘密だ」と呟く。

感想

・次々に憑依者が変わっていく、というところは今夏レンタル開始となった「サマー・インフェルノ」に近いかも。ただ、「さっきまでの味方が敵になる」というほどの恐怖はないです。
・とはいえ、若者のバカさ加減もちょうどいいし、謎もほどよく「ああ、そういうこと」と思える気もする。お色気もホラー映画らしい感じ。
・しかしながら、デヴォンが男だった!なんて思わないんだよな。普通にボーイッシュな女の子かな?と思ったので(そもそも、悪魔に憑依されるのって圧倒的に少女のほうが多いイメージ)、むしろ展開に戸惑うところもありました。
・ロリーはよくわからないキャラだなあ。トラブルメーカーかと思いきや、最終的にはちょろちょろ逃げ回って助かるし。
・とはいえ、満足感はある映画であります。