さて、「Zネーション」シーズン2です！
FOXの「ウォーキング・デッド」が人間同士の醜い争いやサバイバル、“極限状態ならば、人を殺していいのか？”というテーマなどが描かれてきていますが、ワーナーの「Zネーション」はもろにロードムービー。
ゾンビ抗体を持つ男を運ぶグループを描いています。登場人物は「ウォーキング・デッド」より少なく、その代わり1話ごとにゲストのキャストが入れ替わりで登場する感じです。
今シーズンで、「ウォーキング・デッド」との差別化をかなり図ったようですが、脚本がかなりユルユルのご都合主義なので、けっこうビックリする。
前シーズンでは
・目標としていた研究所に到達するも、裏切られたと感じたマーフィが逃亡
・核兵器が研究所と基地に撃ち込まれ、多くのエリアが核汚染される
・ゾンビ化したカサンドラが皆を助けてくれるものの、ドクが撃たれる
・ノーザン・ライト基地（北極）にも迫る核兵器を、呆然と見上げているサイモン
という感じで終わりました。
登場人物
ロベルタ：前作でリーダーとして活躍する。逃亡したマーフィを追い続けている。
マーフィ：元犯罪者・囚人。人体実験を受けた結果ゾンビ抗体を持ち、ゾンビを操ることができる。前シーズンのラストで、ロベルタたちを信用できなくなり、逃げ出してしまった。
今シーズンでは、殺されて利用されるゾンビに同調することも増え、絶望を深めていく。
10K：射撃の能力はずば抜けて高い。“10K”人のゾンビを殺すことを目標にしている。シャイであり、女の子には弱い。カサンドラのことが気になっていた。
頭につけたゴーグルが目印。童貞であることをたびたびネタにされる。
サイモン：アメリカ国防総省の諜報機関である米国家安全保障局NSAの機密情報収集員。単独で基地におり、ロベルタたちに有力な情報をもたらし続けた。孤独な生活を送るが、前シーズンの途中で出会ったシベリアンハスキーを親友にしている。コードネームは「市民Z」。前シーズンから、アディに好意を寄せている。
マック：アディの彼氏。アディを奪還すべく、彼だけはコミュニティ近くに留まる。
アディ：トゲつき金属バットを使いこなすほど運動神経は良く、サイモンとの交信のために機械を自作できるほどの頭脳派。前シーズンで、女性と子どもだけで生活するコミュニティにて洗脳され、そこに留まることを選ぶ。
ドク：ヤク好きのじいちゃん。よくへらず口を叩くが、グループのみんなから愛されている。そのポジティブさで、ロベルタたちを慰めることも。10Kを自分の子どものようにかわいがっている。
カサンドラ：前シーズンで死にかけるが、マーフィが彼女に噛みついたことで蘇る。
クリアン：前シーズンで核爆発に巻き込まれた博士。ゾンビウイルスのことに詳しいが、その冷酷さ、ズル賢さからマーフィには嫌われている。
マーチ：前シーズンで、マーフィにウイルスを投与した女博士。カリフォルニアのCDC（疾病対策センター）でマーフィを待っているらしい？
セリーナ：マーフィと関係を持った女性。彼の子どもを妊娠しているが……！？
新キャラ
ヴァスケス：今シーズンより登場。麻薬組織を捜査していた捜査官であり、報奨金目当てでロベルタたちの仲間になる。だが、本当の狙いは別のところにあった。
ワイルド系のイケメン！
エスコーピオン：麻薬組織「ゼロ」の幹部。頭がキレて冷酷であり、しかも戦闘能力も高い。行く先々でロベルタたちと遭遇する。
ラレイナ：麻薬組織「ゼロ」のトップに君臨する“死の女王”。マーフィを手に入れ、ワクチンを作り、そのワクチンを世界に流通させることをもくろむ。
※ワーナーHPのキャラ紹介には一部ネタバレあります！ご注意ください！
※ロベルタは本編中で「ロバータ」とされており、ヴァスケスは反対にワーナーのHPで「バスケス」になっております。ただ、ロベルタは普段「ウォレン」と呼ばれているのでほぼ気付かず、また私個人も馴染み深いHP表記の「ロベルタ」で統一してしまいました。ヴァスケスは、響きが好きなので「ヴァスケス」で統一しています。
しかし、なんでHPと翻訳・字幕で表記が違うんだろ？
第1話のネタバレ
追われるマーフィ/THE MURPHY
ファースト･シーズンの終盤、マーフィの行動がきっかけで核爆弾が放たれた。今シーズン、各自が危険から逃れようとしてチームは散り散りになる。一方、南極で凍っていたゾンビが解け、彼らとの戦いを強いられた市民Ｚは、チームとの連絡が途絶える中、マーフィをカリフォルニア州の研究所に送り届けるため、彼に懸賞金が付いたという偽情報を流す。マーフィを捕まえようとする人々。そこには、謎のハンター、バスケスの姿もあった。
http://wwws.warnerbros.co.jp/kaidora/znation/ep.php
ネタバレ
基地では、大量の核ミサイルが移動している様がモニターに映し出されている。外では、サイモンが自分の方向に飛んでくるミサイルを見つめ、呆然としている。
ロバータは爆発から逃れるため、車を走らせる。
マーフィは脱皮して、ブルーの肌になっている。彼も車で逃亡している。
遠くで核が爆発する。10K、そして撃たれたドクもまだ生きていて、それを車の中から振り返って見つめる。
クリアン博士も放置されていた冷蔵庫の中に隠れていたが、扉が吹き飛ばされ、激しく肌が焦げていく。
ノーザン・ライト基地の迎撃ミサイルが、核ミサイルを砕いた。サイモンは吹き飛ばされるも、まだ生きている。氷漬けだったのが、熱で溶けてきたアメリカの軍用機の中では、ゾンビらしき操縦士がピクピクと体を動かしている。
マーフィはゾンビを轢いてしまい、ビビってしまう。
爆風から身を守るため、ロベルタはトンネルに車を滑り込ませる。その瞬間、爆風が彼らに追いつき、車は横転する！
核兵器の直撃を受けた施設からは、カサンドラが這い出てきた。
ロベルタは気が付くと、車は反対になっている。
目覚めて車から脱出したロベルタ、ドク、10Kはトンネルの外を見つめる。そこには、放射能の“死の灰”が降り注いでいる。
基地のそばでは、飛行機から大量のゾンビが這い出している。サイモンはそれを射撃しているが、動きが早すぎて当たらない。なんとか1体殺すが、ドジなサイモンは追われるばかりだ。基地の中まで別のゾンビが追いかけてきて、彼は組み伏せられる。だが、やっとの思いでゾンビをもう1体やっつける。
サイモンは壊れたモニターのまわりに簡易バリケードを築いて、緊急放送を試みる。
彼は全国民にカリフォルニアの疾病対策センターにマーフィを運ぶ必要があること、何があろうと彼を殺さないようにすることを呼びかけ、「疾病対策センターが彼に高額の懸賞金をかけた」とでっち上げる。そして、彼を疾病対策センターまで連れていった人間は、優先的に治療を受けられるとも言う。
サイモンの背後では、ゾンビが蠢く音がする。
マーフィは、「閉店セール」と掲げられた店に入っていく。
マックはトラクターで移動している。すると、トゲつきバットをゾンビに突き刺しているアディと出会う。コミュニティは廃墟となっており、アディは「全員死んだ」と言う。
・アディは丘の上から、コミュニティのメンバーと共に核が爆発するのを見ていた
・追放された13歳の少年がコミュニティに戻ってきて火をつけ、ゾンビ熊を逃がした
・そのせいで、仲間は全滅した
まだ、ゾンビ熊の咆哮が聞こえてくる。アディはマックを再び頼り、マックは彼女を許す。彼らはトラクターに2人乗りして去る。
だが、森の中には、マーフィの子を妊娠している女（セリーナ）が生き残っている。
買い物を楽しむマーフィ。ウサギちゃんスリッパを履き、ヘッドホンで音楽を聴いている。女性用のガウンを着て、後ろをついてくるゾンビに荷物を持たせてすらいる。
そこで人間の男に声をかけられるマーフィ。
男はマーフィが本物かどうか、彼の肌（ゾンビの噛み跡）を見て確かめ、彼に賞金がかかっていることを告げる。電気ショックでマーフィを痺れさせ、脅す男。だが次の瞬間、誰かが男を殺す！
そこにはカサンドラが立っている。マーフィに飛びつき、再会を喜ぶカサンドラ。前シーズンでマーフィは瀕死の彼女に噛みつき、生き永らえさせた。だが、彼女の知能は低下している（人の言葉を理解するが、会話のテンポは非常に遅い）。ゾンビ化した男をさらに殺そうとするカサンドラを止めるマーフィ。
次のシーンでは、ゾンビ男に荷物持ちをさせ、カサンドラには白のミンクコートを与えているマーフィの姿がある。彼らは荷物を抱えて外に出て行く。
ロベルタと10Kは、ケガをしているドクを抱えながら歩き続けている。ドクは自分を置いていくように頼むが、彼女はそれを拒む。ロベルタは10Kにドクを見ているように頼み、ひとりで食糧や水、もしくは助けを探しに行く。
基地では、サイモンがバリケードの影に隠れている。大量のゾンビが徘徊しているなか、彼の愛犬（シベリアンハスキー）が空腹で唸る。サイモンは「僕も同じだよ」と犬を撫でる。
アディとマックは、鉄塔を光らせて仲間に知らせようとしている。ラジオでは、謎の数字を繰り返している無線も流れている。スペイン語や中国語が飛び交うなか、「マーフィ」と言う単語を聞き取るアディ。もしかして彼は生きているのではないか？と彼女は推測する。「マーフィが生きていることに意味があるのか」と後ろ向きのことをいうマック。
「じゃあ、どうしてウォレン（ロベルタ）と連絡をとろうとしているの」
「他にすることがないから」
ロベルタは森の中で力尽きかけている。長いこと食事も水も口にしていない。
「死ぬな、死んだら自殺できなくなる」
彼女は自分の銃を見つめて、「お前に慈悲を施す」と自殺しようとする。
と、彼女は死ぬのをやめる。ウォーカーに襲われている女の子を見つけたのだ。
ロベルタは立ち上がり、貴重な銃弾を、少女を守るために使う。次々と、ゾンビの脳を撃ち抜く彼女。ゾンビを貫通した弾が、別のゾンビを貫通して殺す。ロベルタは戦い続ける。
そして最後のゾンビを倒した後、彼女は気を失う。
カサンドラを自分のアジト（寂れたストリップバー）に案内するマーフィ。金色のタンクトップにホットパンツの彼女に抱きつく男ゾンビを、ボコボコにするカサンドラ。
「私はゾンビじゃ……ない」
「わかってる。お前はゾンビ以上だ」
マーフィは、ゾンビに仕込んだあるコトをカサンドラに見せようという。2人の女ゾンビの前に座る2人。レズプレイとしてキスを始めるゾンビたちだが、ゾンビはお互いを食べ合い始める。
ロベルタは目を覚ますと、家の中にいる。少女の家族が、恩人である彼女を迎え入れる。両親と少女、それに彼女の弟もいて、彼女を食事に招待する。
アディとマックは塔の周辺を巡回している。と、マックはゾンビに襲われる！まごまごするアディだが、彼を助けようとバットを持ち上げる。しかし、ゾンビは誰かにヘッドショットされてしまう。
10Kだ。光を見て、ドクと10Kが彼らのもとにやってきたのだ。
歓迎されているロベルタ。少女は彼女を慕っている。
だが、ロベルタは仲間の元に戻ることを選ぶ。父は、彼女に道と汚染されたエリアを教える。彼女は生きる理由を見失っていたが、子どもたちが生きる理由になったと述べて出て行く。
そして、ひたすらまた歩き続ける。すると、そこに車がやってくるのが見える。警戒するロベルタだが、それを運転するマックの姿を見て微笑む。
マーフィを捜して、シャイアンにやってくるロベルタたち。ドク（なぜか全快している）は、車ですれ違うも彼らを警戒する女性を見て、「シャイアンの人は気さくだな」と皮肉る。
自分がマーフィならどうするか？と想像する彼らだが、ストリップバーを見つけた10Kがそれを指差す。
酒を飲んでいるマーフィのところに、ドヤドヤと入っていくロベルタたち。
ロベルタはかなり怒っており、マーフィに掴みかかる。ゾンビたちが反応するが、マーフィがそれを制止する。だが、マーフィは謝らない。自分を守ることが人類の最優先事項だったはずだと言う。10Kも怒りをあらわにするが、そこにカサンドラが現れ、マーフィを守ろうとする。カサンドラを抱きしめる10K。だが、彼女がゾンビだということに気が付く。カサンドラは10Kを受け入れない。
ロベルタはマーフィを説得しようとするが、彼は裏切られたことから「人類を救うのに気がすすまなくなった」と言う。「（ゾンビになったほうが）腹がへって、臆病で、乱暴で、意地の悪い人間でいるよりマシじゃないか？」という彼の言葉に、誰も反応できない。
そして、マーフィは自分が考えた出し物を彼らに見せ始める。ゾンビのポールダンスを見て「やばい、デジャブを感じる」と酒を煽るドク（つい興奮してしまいそうだ、という意味だろう）。ポールダンサーはスピードをあげていくも、そのスピードに耐え切れなくなった体がちぎれ、彼女は手首だけをポールに残して吹き飛ぶ。
悪趣味な出し物にうんざりする面々。
と、バーに謎の男（ヴァスケス）が乱入する。マーフィを追って来たのだろう。男は自分がマーフィをカリフォルニアに連れていくといい、ロベルタたちから横取りしようとする。
だが「俺は誰ともどこにも行かない」と明言したマーフィは、突如ゾンビたちに彼らを襲わせる！
まばゆい照明とカントリー音楽が交錯するなかで、彼らは戦う。10Kはビリヤードの球を使って、ゾンビの頭を砕く！マーフィとカサンドラは裏口から逃げようとする。
謎の男はマーフィの後を追って駆けだしていく。ロベルタもその後を追うが、彼に追いつけない。ドクもラッパーゾンビにつかまれてしまう。
ロベルタを掴んだゾンビに消火器のノズルを刺して、爆発させる10K。ゾンビは粉々になる。その破片が飛び散り、彼らをうんざりさせる。
ロベルタは少女とした約束を果たしたい。カリフォルニアのCDCにマーフィを連れていき、ワクチンを作って世界を救うのだ。そして、それを邪魔する賞金稼ぎは全員殺すつもりだという。逃げたマーフィを、ロベルタたちも追う！
サイモンはバリケードから抜け出し、物資を調達に行くつもりだ。犬をなだめ「何があってもここにいろ」と命令して、彼は外に出て行く。
サイモンの子を宿しているセリーナは、道に立っている。彼女は「パパのいる方角を教えて」と腹に話しかける。すると、腹の中から赤ちゃんが腹を引っかく。まるで、彼女の腹を破りそうな勢いで左の方向を示した胎児に、セリーナは優しく微笑みかける。
感想
・アディが洗脳された！狂った集団（男は13歳で追放して、侵入してきた男はゾンビ熊に食べさせる）から救い出さなければ！という展開で前シーズンは引っ張りましたが、「全滅したわ」とサラリと言われても……。
・冒頭は説明することがたくさんあるのか、めちゃくちゃ詰め込んだ展開になっています。
なお、今シーズンはサイモンがまったく登場しないエピソードもかなりあります。