「喰らう家」

kurauie

2015年のアメリカ映画「喰らう家」。「少女生贄」の時と同じ配給会社なのでしょうか?「グゴッ ゲゲゲゲゲェェェェ」とか言われてもね。面白くも怖くもない。
・息子を亡くした夫婦が田舎町に引っ越してくるが、異常な目に遭う
・友人夫婦が遊びに来るも、巻き込まれていく
・そこには、閉鎖された村の恐ろしいしきたりが存在していた
なんとなく、楳図先生の漫画でありそう。と思いながら見ていたら楽しめます。

登場人物

アニー:息子を亡くして意気消沈している妻
ポール:アニーに比べると気丈に振る舞う。超常現象や霊を信じていない
ボビー:死んだ息子

メイ:霊能力があるアニーの友人
ジェイコブ:メイの夫。ヒッピー。
ハリー:ボビーの元ルームメイトであり、メイとジェイコブの息子でもある

ネタバレ

ある田舎町に引っ越してくるアニーとポール。息子の写真を飾っている。
地下室に降りるアニーだが、そこには何かの気配がする。野球のボールがどこからともなく落ちてくる。

地下室が焦げ臭いので、修理を頼むポール。アニーは息子を感じると主張するが、彼は本気にしない。

この家をある男女が訪れる。彼らの家がいわくつきであることを初めて知る夫婦。昔住んでいた葬儀屋は死体を横流しして儲けていたこと(東洋人にスープの材料として売っていたという話もある。東洋人も人肉は食べないわい!)、彼が家族に疎まれて自殺したことなどを知る。

アニーは眠れなくなってしまう。

修理人を呼ぶが、彼は何かに攻撃されたように地下室で倒れ込む(修理人は、壁の中から人が走ってきて、黒焦げの人間に攻撃されて倒れる)。アニーは友達のメイとジェイコムを呼んだとポールに事後報告する。死んだ息子の友達であるハリーも来る。

アニーは友人たちと再会する。ハリーは恋人と遅れてやって来るらしい。夫婦は友人たちと食事を取りに街へ出かける。だが、彼らはレストランに入っても浮いている。街の人たちは彼らを警戒している。

ハリーたちは家に着くが、誰も帰ってきていない。だから、飲み始めてしまう彼ら。だが、ハリーは物音が聞こえた地下室に降りてしまい、真っ黒な男に掴まれて絶命する。指を目に突っ込まれ、壮絶な死を迎えるハリー。その頃、メイは何かを察知したのか、レストランでやたらと咳き込んでいる。
ハリーの恋人は車で逃げようとするが、運転中に座席ごと体を焦げた腕に貫かれ、殺されてしまう。

何も知らずレストランから戻る彼ら。ポールはメイたちのことを信用していない。

夫婦が訪れたレストランは店じまいの準備をしている。そこに、アニーたちの家を最初の方で訪れた男女が入ってきて、ウェイトレスを撃ち殺す。恫喝されるレストランの女。
「放っておくと、闇が街に広がる」
夫婦は家の生贄なのだ。“ダグマー”(最初に家で死んだ男)は家の中のものを殺す。30年おきに、闇が血を求めて蘇るのだ。彼らが死ななければ、村人が死ぬ。
レストランの女から、彼らが何を話していたのか聞き出す男(男女のうち、男が街のリーダーのようだ)。

メイは地下室のそれがボビーではないという。フリをしているだけだと。
「闇を呼ぶ必要はない。ここにいるから」
だが、アニーがその言葉を信じているかというと怪しいものだ。

ポールが夜中に目を覚ますと、ドアの外に誰かが立っているのがドア下の隙間から見える。焼け焦げた人間が廊下に立っており、しがみついた嫁も焼け焦げている。そしてベッドサイドにも焦げた男が!それは夢だったが、起きたポールはアニーに泣きつく。

朝、幽霊を見たと告白するポール。メイも何かを感じていたようだ。
気分転換にとメイとアニーは連れ立って買い物に出かけるが、残された男たちは勝手に降霊会をすることにする。
買い物をしているメイたちに話しかけてくるデイヴ。メイは彼を警戒する。

ジェイコブは徐々に変なことを口走り始める。そして、後ろのほうに引きずられていき、壁に激突までする。ジェイコブには誰かが憑依した。
「お前の息子は死んだ!今は地下室の中だ!アバズレと一緒にな!」
ジェイコブは明らかにおかしくなるが、一瞬正気に戻り、自分を縛るように求める。

メイはデイヴを警戒するようにアニーに言う。だが、アニーはハリーがやってこないことを気にしている。帰宅する2人。ジェイコブの様子を目の当たりにする。

電話がかかってきて「警告したはずよ」と女の声がする。その電話口では、刺された女が血まみれで倒れている(デイブと一緒に家に来た女性??)。
メイは息子が死んだとジェイコブの中にいるモノから告げられ、ジェイコブをフライパンでブッ叩く。彼女はそれを信じられない。だが、ジェイコブは自分を縛った縄を筋肉で弾けさせる!そして大暴れしながら、自分の手首を折る。だが、その痛みは感じていないようだ。

ジェイコブのなかのモノは話し続ける。
彼は生贄にされたのだ。家を建てている途中、村人たちは悪魔を掘り起こしたのだ。「この家は俺のモンだ!」ジェイコブはそのまま、自分の目に火かき棒を突き立てる!

とにかく家から逃げようとする3人。だが、最初にドアを開けたメイの頭が吹っ飛ぶ。村人たちが外にいるのだ。夫婦は家の外に出られない。窓から入ろうとする手を、夫は刺し貫いて攻撃する。
焼け焦げた男と子どもが、廊下からこちらを見ている。

村人たちは家の中にどんどん侵入してくる。夫婦を殺して、生贄にしようとしている。もう時間がない。彼らは巻き込まれて死にたくないのだ。
アニーは「母さん、逃げて」というボビーの声を耳にする。

村人たちは夫婦を捜すが、どんどん攻撃される。
・腹を裂かれる
・足首をつかまれて焦げる
・燃えカスを踏んで、その中に引きずり込まれていく
・テーブルの下に引きずり込まれて消える
・部屋の上角にある見えないモノに釣り上げられ、首を絞められながら焦げていく
村人たちはたまらず逃げていく。だが、デイヴは家の中の存在を煽り続ける。

レストランにいた女も襲ってくるが、それをアニーが撃退する。女は首から血を噴き出させながら、白いシーツを血で汚す。アニーの顔もなんだかサイコめいて見える。

デイヴは「家の意志だ」と主張しながら、彼らを殺そうとする。だが、彼は焦げた男に顔を掴まれ、そのまま圧迫されて頭を砕かれる。飛び散る血。そして、焦げた男は妻や子どもと手をつなぎ、姿を消す。
「怖がらないで」
アニーはフラフラと地下のほうへ足を進める。夫もそれを追いかけて、地下室を覗く。
そして微笑む。
「やあ、ボビー」

ここからは新聞記事のスライドショー(という名のエンディング)。
・死体置き場に家を建てる
・家畜が謎の大量死
・農作物に「悪魔の呪い」
・葬儀屋で謎の火事、一家は行方不明
・街が発展する
・死の呪いのニュース
・干ばつが起きる
・30年おきに、なぜ悲劇が繰り返されるのか?
・雨が降った!
・奇病が流行する
・流産激増
・川が真っ黒になる
・検疫が実施される
・一家が行方不明に
・また街は元気を取り戻す

最後、静かな家の中で、ピアノがポーンと鳴り響く。