「コープス・パーティ」

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2015年の邦画ホラー「コープスパーティ」を見た。原作はゲームだそうですが、
・都市伝説(学校の怪談?)をモチーフに、異世界に迷い込んだ高校生が体験する恐怖
・親友の裏切り、好きな人を巡っての裏切り、信頼関係なんてこの世界にはない!
・意外とスラッシャー描写がはっきりしている
・制服がギャルゲーみたい

あらすじ

同名の人気ホラー・アドベンチャー・ゲームを乃木坂46の生駒里奈主演で実写映画化。共演は池岡亮介、前田希美。監督は「ひとりかくれんぼ 劇場版」「トイレの花子さん 新劇場版」の山田雅史。高校生活最後の文化祭を終え、クラスメイトたちと後片付けに取りかかる直美。すると怪談好きの委員長あゆみの提案で、ここにいるみんながずっと友だちでいられるおまじないだという“幸せのサチコさん”をすることに。しかし、そのおまじないは実は呪いの儀式で、直美たちは陰惨な殺人事件で廃校になった閉鎖された異空間“天神小学校”に飛ばされ、閉じ込められてしまうのだった。
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=352671

登場人物

直美(生駒里奈):主人公。まじめな性格。
哲志(池岡亮介):直美のことが好き。妹の由香と一緒に騒動に巻き込まれる。
あゆみ(前田希美):哲志が好き。直美のことを心のなかでうとましく思っている。

岸沼:金髪が目印。あゆみのことが好き
世以子:直美の親友。おっとりしている。
鈴本:これから転校を控えた女の子。ふんわり系。
森繁:ガリベンメガネキャラ。鈴本と好意を持ちあっているようだ。
由香:哲史の妹。

先生:「サチコさん」ゲームに加担。

サチコさん:幽霊として彷徨う少女
少年と少女:サチコ同様、学校の中を彷徨う
用務員:高校生たちを容赦なく襲う

ネタバレ

文化祭終わり。名残り惜しくて帰れない面々は、「幸せのサチ子さん」というゲームをすることになる。皆がずっと友達でいられるおまじない。人型の紙をみんなでつかみ、酸化している人数の回数分「サチコさんにお願いします」と唱え、そして全員で紙をちぎる。その破片を持ち歩けば、友情が続くというのだ。彼らは先生も交えて儀式を行う。

しかし、その儀式が終わった瞬間、教室がひび割れ、奈落の底へと皆が落ちていく。

そこは、昔、高校の前にそこに建てられていた「天神小学校」だった。保健の先生が階段から落ちて死に、さらに2人が殺されたという噂が残っている。
なぜ彼らはそこに迷い込んだのか?しかも外には出られない。電話もテレビもつながらない。

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だが、有名なオカルト研究家・鬼碑忌コウもここに来たことがわかる。「幸せのサチコさん」は、本当は「死逢わせのサチコさん」だった。サチコの怨念が作り出した、異世界に彼らは迷い込んだのだ。

「大丈夫よ、誰もいないわ」と廊下を見ながら言った教師がまず、顔をつぶされてぺったんこになる。生徒たちはウジのわいた死体を発見する。彼らを、謎の少年と少女(1人ずつ)が追いかけていく。

恐ろしい殺人鬼が小学校の中に潜んでいるようだ。用務員の柳堀ヨシカズが犯人なのだろうか。死体からは、舌が切り取られている。それはなぜなのだろうか?

鬼碑忌の残した書籍から、「さかうち」すれは外に出られることを知った彼ら。だが、ページが破れていて正確なやり方はわからない。

倒れた直美を、世以子は介抱する。彼女は直美を愛してしまっている。だからこそ、彼女が落とした生徒手帳を取りに行く(そこには哲史の写真が入っている)。

あゆみは、皆を巻き込んだ責任をとろうとするが、岸沼がそれに付き添う。あゆみは彼女の生徒手帳を見つけ、ポケットにしまう。

用務員は、目から血を流しながら校内を彷徨う。保健室では、勝手に鉛筆が持ち上がり、すらすらと文字を書いている。

目を覚ました直美は誰かのブローチを見つける。血まみれの少女の死体を見つけ、かつ襲われて逃げる直美。世以子は戻ってくるが、直美は彼女に喧嘩をふっかける。「こんな時にまでヘラヘラしてんじゃねぇ!気持ち悪いのよ、近付かないで」
世以子は傷付き、去っていく。

あゆみたちは鈴本と再会する。鈴本は、幽霊のような少年と少女と仲良く会話をしている!「お姉ちゃんが探してあげるからね」と、彼らと心を通わせているようだ。
彼らを攻撃しようとした岸沼は謎の力で吹っ飛ばされ、森本は子供たちに掴まれて連れ去られる。そしてそのまま廊下の壁に体を叩きつけられ、べったりと壁に肉片が飛び散る。もう、原型がわからないほど、グチョグチョになってしまっている。内臓も付着している。

失神した後、目を覚ましたトイレで直美は自殺している世以子を発見する。だが、そこで哲史と合流する。

森本の死体を見つける森繁。「他人の不幸だけが唯一の救いだ!」と、スマホで写真を撮り続ける。だが、鈴本から電話がかかってくる。

「私の……見ないで?私の……内臓、見ないで」森繁は絶叫する!

あゆみは、鬼碑忌の残した映像を見つける。職員室でそれを再生しようとするが、用務員がウロウロしている。どうやら、幽霊の子どもが探しているものは「冷蔵庫の中」にあるようだ。

由香は森繁と遭遇する。彼は顔面血まみれで「逃げてもムダだ」「繭(森本)が寂しがってるから、写真をとらせろ(?)」などと詰め寄る。だが、そのまま用務員に殺されてしまう。由香自身は、不思議な少女に助けられる。

由香の居所を案じる他のメンバーだが「由香ちゃんは優しい子だから大丈夫」(森本の例から、優しい人間は殺されにくいと思っている)と信じる。

残された映像を再生する高校生たち。鬼碑忌、カメラマン、ディレクターが同じ世界に侵入している。舌を切り取られた死体、首を吹っ飛ばされたディレクター。彼らはさかうちに失敗したらしい。「さかうちの方法を、絶対に間違ってはいけない」
テープはそこで終わる。
まず、被害に遭った児童を供養しなければいけない。そして、彼らが儀式で使った紙を持ち、その場にいる人数+サチコ1人分の「サチコさんにお願いします」を唱え、紙切れを合わせる。紙切れは儀式で使用したものを使わなければいけない。そして、子どもたちの供養をしよう。

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そう決めた彼らだが、直美が生徒手帳がないことに気付く。彼女の紙は、そのなかにあるのだ。直美と哲史を見て、あゆみは拾った生徒手帳をひっこめる。そして、適当な紙をちぎって渡す。森本の落とした紙を拾ったというのだ。だが、哲史は森本の持っていた破片とは形が違うことに気が付く。

とりあえず、彼らは由香(と森繁。だが、既に死亡していることを彼らは知らない)を探すことにする。

幽霊の子どもたちは舌を切られていた。冷蔵庫の中には、彼らの舌が入っていたのだ。それに気が付いた高校生たちは、彼らと遭遇した際、舌の入った瓶を投げつける!「もう苦しまないで、巻き込まないで、自由になって」

だが、彼らは気付いてしまう。
「お母さんが寂しがってるんだ、だから死んでよ」
由香を助けてくれた幼女こそ、サチコ。そしてサチコこそ、皆を苦しめて人を殺してきた犯人なのだ。

その一方、岸沼はあゆみに告白する。だが、フラれてしまう。
そしてあゆみは直美の紙を燃やしてしまう。「あの子は帰れない……」

由香はサチコに捕まっており、サチコは哲史の傘(由香はこれを届けに来た)で彼女の腹を刺す。そして、由香の舌すら切ろうとする。

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見つけた由香をおぶって逃げるあゆみ。だが、用務員に襲われてしまう。それを助けたのは、岸沼。「お前をひとりにできるかよ!」だが、岸沼は用務員に抱きしめられて圧迫死する。

血まみれの傘を持つサチコを、哲史が追う!

鬼碑忌コウの設置していたカメラを見つける直美。世以子の死の全貌が映っている。なんと、彼女を殺したのは自分だった。
哲史はサチコに襲われるが、見つけた由香と共に助かる。直美は由香を保健室に寝かせて看病する。鉛筆がまた立ち上がり、メッセージを伝えようとしている。
「早く薄暗い地下室から、サチコを出して」
と、また襲われる彼らだが、保健室で見つけたブローチが直美を守ってくれた。

実は保健室の先生はサチコの母親であり、校長にセクハラされていた。振り払おうとした先生は、階段から落ちて死んでしまう。それを目撃したサチコも、そのまま殺されてしまったのだ。しかも、舌を切られて。

サチコの遺体を見つけよう。地下室に向かう直美と哲史、あゆみ。その前に、哲史は直美の紙の切れ端を預かる。
サチコと対面する彼だが、哲史は殺されそうになる。ボコボコにするが、気が付けばそれは由香だった。サチコに直美も刺されそうになる。だが、それを哲史がかばう。
「こんなことをしても、お母さんは喜ばない!」
説得が通じ、母に抱きしめられるサチコ。建物が崩壊を始める。彼らは現世に戻る儀式を始める。文化祭の思い出がよぎる。

ふと気が付くと、そこは校庭だった。
「哲史、帰ってこれたよ」
あゆみ・哲史・直美の順でつないでいた手。直美は笑顔で哲史を見る。だが、そこには彼はいない。直美とあゆみはそれぞれ、哲史の手だけを握りしめている。彼の手だけが現世に戻ってきており、血まみれの腕を握りながら、彼らは呆然とする。

直美は、家のベッドに腰掛けて足をブラブラさせている。サチコのくせだ。ふと、直美の顔をサチコが覗きこんでいる。直美の表情は硬く、何もわからない。

感想

・子どもたちが舌を切られていたのは、「何も言えないように」(母が死んだ真相を、サチコが別の人に離さないように)。校長もサチコに殺されている。母は暴走するサチコを止められず、子どもたちが犠牲になった。用務員さんは忘れました!(ただこいつは仲間だったのか、変質者だったのかよくわからん)
・金山一彦さんが出るとなんだかおかしい(ホラーへの出演率が高い)のはなぜだ。
・前田希美さんがうまかった。
・続編はどうなるのでしょうか?そんなに見る気持ちもないのですが。
・廃校の雰囲気最高。グロ描写も最高。ラストも好き(両手がちぎれてるってとこ)。
・ただ、殺人鬼が幼女っていうのはまったく美学を感じず。あと、主人公が親友を「ヘラヘラしてて気持ち悪い」とか、ガリベンくんが死体の写真を撮りまくるとかさすがにないと思う。
・また、サチコ、死んだ子供たち、用務員さん(そういや、この人の死の真相はあんまり覚えてない)と、彼らがどうつながっているのか、もしくは従属関係にあったのかがわからなかった。
とはいえ、この感じ、私は好きです。