「ストレイン」シーズン2・第4話のネタバレ

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第4話「銀の天使」(THE SILVER ANGEL)

冒頭では、モノクロの吸血鬼映画が延々と流れる。
プロレスラーのエンジェルが吸血鬼たちを退治するというビデオ映画を見ているのは、年を取ったエンジェル本人だ。彼は既にプロレスラーを引退して店員として働いているらしく、他の店員から呼ばれ、重たい腰を上げて地下室から出ていく(膝を壊している)。ビデオテープのタイトル部分が大写しになる。

ブルックリン キャロルストリート
ヴァシリーの運転でエフたちは街中に向かい、ストリゴイ(老夫婦の夫のほうであり、ストリゴイを殺す菌に感染させている)を街に放つ。だが、老吸血鬼は彼らの巣に向かわず、どこかに歩き出す。彼が向かったのはブルックリンにあるメンタルクリニックだ。
エフ「セラピーには遅すぎる」
ヴァシリー「4人に1人は精神的に不安定だって言うしな」
ノーラ「私たちは3人でよかった」
ヴァシリー「俺の見えない友達ドニーもいるぞ」
と、そこにストリゴイが襲いかかる!子供のストリゴイを容赦なく射殺するヴァシリー。
病院内には彼の息子が入院しているらしい。病院内にしたたる血の跡を見て「パンくず(をたどる)よりも簡単だ」というヴァシリーだが、感染者の群れの中で“彼”が眠り始めたのを見て、“感染の感染”が始まるとエフは確信する。

ハーレム 2番街と116丁目の角
街をブラつくガスの横を、略奪者たちが駆け抜けていく。ふと食事をするためにレストラン「タンドーリ パレス」に入ったガスだが、そこには冒頭のエンジェルが働いている。当初はチンピラ風のガスを警戒して追い出そうとするエンジェルだが、この店の看板娘・アーニャが彼をフォローする。「パスタのようなものを食べたい」と無茶な注文したガスだが、アーニャは「見繕う」と微笑んで厨房へ向かう。だが、エンジェルは厳しい目で彼を見ている。

エイブラハムのもとを、今度はダッチが訪れる。彼に対して、パーマーを前から知っているのか聞くダッチだが、それをエイブラハムは肯定する。執事のフィッツウィリアムが辞任した後、彼は後釜として金髪の美女を秘書にしたことをエイブラハムに伝えるダッチ。ダッチはフィッツウィリアムが退職した後、スタテン島の兄のもとに身を寄せていると言う。「いいところに目を付けたな」と言うエイブラハムは、ダッチと共にスタテン島へ出かける。

フェリーの上からは、スタテン島の塀に吊るされたストリゴイの死体がたくさん見える。
「まるで魔女狩りじゃん」
呆れるダッチ。エイブラハムと顔を見合わせる。

1966年 ウィーン大学
オクシド・ルーメンの情報をつかんだエイブラハムのもとを、パーカーが訪れる。フィッツウィリアム(父のほう)と一緒だが、パーカーは顔色がとても悪い。競売でオクシド・ルーメンを手に入れた男の行方を探し続けていたエイブラハム。どうやらそれは、オーストラリアのベルンドルフにある修道院にあるようだ。

1966年 オーストラリア ベルンドルフ修道院
エイブラハムとパーマーが修道院を訪れたが、そこにはアンモニア臭がたちこめるだけで誰もいない。既にストリゴイが現れたのか。物音がする戸棚を開けば、そこにいたのは……少年だった。パーマーは少年にオクシド・ルーメンについて尋ねる。「呪われた本だ」と彼は怯える。「邪悪な本だから、修道院長が処分されました」という言葉に、パーマーは激昂する。とにかく「案内しろ」というパーマーだが、助けを呼ぶ声にエイブラハムは駆けだす。パーマーには武器を渡し、彼は置き去りにされる。
パーマーの目の前に現れたのはアイヒホルストだ。
「永遠の命の秘訣を探していらっしゃいますね。でも、あなたが求めている答えはここにはない。もっと知りたいですか?」
「何を知ってる?」
「あらゆることを」

地下に降りていくエイブラハム。ストリゴイになりかけている修道士を見つけ、首をはねる。先般の少年・ラドヤードを探すエイブラハムだが、さらにストリゴイが現れる。少年は追い詰められているようだ。だが、日光が彼を守っており、ストリゴイはそれ以上近づけない。ラドヤードに逃げるように言い、戦い続けるエイブラハム。逃げるラドヤードを、大人のストリゴイは追いかける!あらかたストリゴイを始末するが、ラドヤードは既に姿を消している。

パーマーの元に戻るエイブラハムだが、彼は急激に冷めてしまっている。化けものの存在を知っていきりたつエイブラハムとは対照的だ。
「退治するのを手伝ってくれ」
「いつの世にも悪魔はいるものだ、早くこんな場所から連れ出してくれ」
パーマーは車イスを押して去る。

ハーレム 東115丁目
ガスは久しぶりに、自分の家に戻ってくる。服をバッグにつめていると、ストリゴイと化した母がやってくる。母は殺せないと涙を流すガス。しかし、その母越しにマスターが話しかけてくる。
「オーガスティン、お前はつく相手を間違えた」
「お前を知ってるぞ」
「長老たちは過去の遺物、私こそが未来だ」
「おい、いいか。長老のためじゃない、俺は俺のために戦っているんだ」
「やはり臆病で愚かな男だな。お前が橋を渡って私の棺を運び込んだ時に、気付いていた」
「だったら俺に、何の用だ?どうしろと?」
ガスの母の愛と悲嘆がまだここに残っている、まだ生きていると彼を挑発するマスター。
「お前はいつも自分のためだけにしか戦わない」
ガスは母の体を投げる。そして、母にとどめを刺さずにマンションを後にして、外から鍵をかける。

エフとノーラは隠れ家に戻ってくる。そわそわするエフに、息子を連れて出かけることを提案するノーラ。ザックは1人でゲームをしている。
「ゆうべ、どこにいたの」
「ヴァンパイアのベビーシッターさ」
2人は思い出のファウルボール(野球観戦をした時の思い出の品)を見ながら、久しぶりに思い出話をして笑う。
「おひさまが出てる」
「だから?」
「何か楽しいことをしよう」

ヴァシリーは爆弾を準備している。テレビでは、ニュースでフェラルド議員がレッドフック一帯から吸血鬼を一掃すると発表している。ヴァシリーはノーラを呼びつけてこのニュースを伝える。ヴァシリーは彼女を称賛するが、ノーラはその一方的なやり方に共感できない。

ザックとエフはバッティングセンターにやってくる。まさに貸し切り状態だ。エフはザックにいろいろ指示を出すが、彼はどうしてもうまく打てない。ケリーとここにきたことを思い出すザック。バットを下ろしてしまう。球は終わり、ザックはバットを投げて出ていってしまう。

マンハッタン ブロードストリート ニューヨーク連邦準備銀行
財政救済銀行の会議で、パーマーが喋り続けている。明日から市場取引が再開されるというニュースに、抗議しようと集まった市民や、それを取材しようと来ていたマスコミが建物の前にいる。しかし、そこに片っ端からストリゴイが飛びついていく。ニュースのレポーターは混乱し、カメラマンは困惑している。男の血をゆっくり吸っているボリバルと目が合うパーマー。彼はゆっくり車を出す。

フィッツウィリアムは兄と共に消防署に入っていく。
「話があるってなんだ?」
そこに、エイブラハムとダッチが登場する。
ダッチ「覚えてる?」
フィッツウィリアム「どういうことだ」
兄「彼らと話せ。自分の過去と向き合うんだ」
フィッツウィリアムは彼らを拒否しようとする。エイブラハムとは初対面だが、彼の存在は知っている。ダッチは彼に協力を頼む。ハッカーをしたダッチに言われたくない(頼まれたくない)というフィッツウィリアムだが、「あれは過ちだった」とダッチは言う。
財政救済会議の直後にメンバーが襲われ、市場は大暴落。銀行には長い列ができている。その会議で唯一無事で助かった男とは?もちろんパーマーだ。
なぜ、世界一の金持ちであるパーマーがそんなことをするのだろうか?エイブラハムは答えをフィッツウィリアムに求める。
エイブラハムはせめて、オクシド・ルーメンについて教えてくれと言うが、フィッツウィリアムはパーマーはそれを諦めたと認識している。
「ストーンハートは辞めても、パーマーを慕っているな。君の父上を思い出す」
エイブラハムはフィッツウィリアムを見つめる。
「誤った忠誠心の鎖をきっかりと断ち切れ。パーマーを恐れてはいないが、手遅れだと思っているな。既に悪が勝ったと。わしはそうは思わん」
彼に自分の連絡先を渡すエイブラハム。
「気が変わったら連絡をくれ」
「気が変わることはない」
「変わるよ。もう変わっている」
エイブラハムとダッチは立ち去る。

ガスはまたタンドーリの店を訪れる。だが、エンジェルは中に入れてくれない(営業中だが、泥棒を防ぐためか扉には鍵がかかっている)。他に行くところがないというガス。店は年中無休、親の方針のせいだと肩をすくめるアーニャ。アーニャは母らしき女性と言い争った結果、「料理は母が運ぶって」と唇を尖らせる。
「あのさ。母の愛は最強だ。かわるものはない。失った時、何より恋しくなる」
「母はあなたみたいな人と口聞くなって」
「俺のことで喧嘩したのか?」
母はまたアーニャを呼びつけ、エンジェルはアーニャに手を出すなとガスにすごむ。追い出されたガスは、追ってきたアーニャに「あんたは悪くない」と言って出ていく。

足の悪いエンジェルは、外でゴミ捨てをしている。ガスは外で彼を待ち受けているが、復讐に来たのではないようだ。
「エンジェル・デ・ラ・プラタ。“銀の天使”だろ」
ガスは、彼の映画のファンらしい。ガスは「ヒール(悪役)には共感できる。でも、アンタは最高のベビーフェイス(ヒールとは対照的な、ヒーロー的な立ち位置のプロレスラー)だった」と興奮する。だが、エンジェルは「人違いだ」とかみつきそうな顔で怒鳴り、「二度と顔を出すな」とガスを押しのける。ガスはそこから立ち去るしかできない。

ヴァシリーとエフ、ノーラはストリゴイを放った精神病院に戻ってくる。だが、感染源のストリゴイもその他のストリゴイも姿を消している。例のストリゴイを探そうとするエフだが、ヴァシリーは他の選択肢を提案する。
まさかまだ地下鉄の一部を爆破する気なのかと問うノーラに「お互い好きにしよう」というヴァシリー。ヴァシリーの計画を止めようとするエフだが、彼はそれを聞かない。トラックの鍵をノーラに投げ、彼は立ち去る。

「感染スピードを遅くしすぎたのかも」と心配するエフ。だが、まだ実験は始まったばかりだとノーラは慰める。
ふと物音を聞きつけ、エフはそちらの方へと向かう。そこには実験体となったストリゴイが息も絶え絶えになっている。感染は広がっていることを確信するエフ。だが、他の感染者はどこにいるのか?視線の先には、感染した他のストリゴイが倒れている。しかし、その次の瞬間、ストリゴイが空から降ってくる。彼らはなんと“自殺”しているのだ。マスターは感染したストリゴイに自殺をさせていることを確信し、エフは大笑いする。彼らの実験は成功したのだ。

ブルックリン レッドフック キャロルストリート駅
ヴァシリーは爆弾を仕掛けている。
「ワイリー・コヨーテ。これで泣きを見ろ」
葉巻の火で爆弾に火を付けて、彼は颯爽と歩いていく。だが、自警団らしき男たちがヴァシリーを捕まえにくる。ヴァシリーは彼らから距離をとったまま歩きながら、映画の話を始める。彼は「後ろで大爆発が起きても主人公が後ろを振り向かない映画は現実的じゃない」という。「俺なら立ち止まって、自分の仕事をうっとり眺めてやる」次の瞬間、爆弾が爆発する!自警団は苛立ち、彼を逮捕しようとする。4人がかりで袋叩きにされるヴァシリー。そのままひっとらえられていく。

戻ってきたエフは祝杯を挙げようとするが、ノーラは「先走りすぎ」と心配する。ワシントンD.C.に行こうというエフは、ロブ・ブラットリーという男に会おうとノーラに持ちかける。
「なぜあの人に?」
ノーラは彼を嫌っている。しかし、エフはその男の人脈を信頼しているようだ。しかしノーラは早すぎるとそれを拒み続ける。
ザックはCDを聞きながら眠ってしまっている。それはあのボリバルのCDだ。再生を止め、息子に毛布をかけるエフ。

昼間に親子が立ち寄ったバッティングセンターで、“感知者”たちが臭いを嗅ぎつけている。ケリーもそれを見つめている。バットやヘルメットの匂いを嗅ぐ感知者たち。感知者たちを抱きしめ、ケリーは「ザックが近くにいる」と呟く。