第6話 選ばれた者たち(Choices)
イーサンはウェイワード・パインズの管理施設に案内され、街の実態を説明される。ピルチャーとパムがどのような経緯で、この計画を実行したかを聞き、アーノルドやメーガンがその途中で仲間に加わったことが明らかになる。一方、ケイトは、ハロルドたちと何かを企んでいる。テレサも独自に怪しい空き地を調べる。ピルチャーは改めて、街を新たな脅威から守ってほしいとイーサンに頼み、イーサンは住人の命を守ると宣言する。
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ネタバレ
荒れ果てた街。燃え上がる車や木々、死んだように横たわる人間たち。燃えるメリーゴーランド。荒廃した街を歩いているのはピルチャーだ。彼はその光景に圧倒されている。
ヘリで山の上に連れてこられたイーサン。中では工場で働く人たちがいる。衣服や食料などをこういった工場で作っているらしい。イーサンを惑わせた電話の交換手が働いているところも見える。ピルチャーは別の人間に呼ばれ、パムが彼の手当てをすると言う。イーサンは彼女についていく。
様子が変なベンを気遣うテレサ。自分のちっぽけさについて落ち込むことがあったというベン。だが、ちっぽけじゃなく、本当は自分が重要な人物だったら?そっちの方が怖い、とベンは漏らす。テレサは優しく息子を抱きしめる。
宅配の仕事をしているテッドがケイトのおもちゃ屋を訪れる。そしてハロルドもいる作業場の中に入る。入った瞬間、彼らは言い争いを始める。どうやら彼らは、何かを計画しているらしい。ビッグ・ベンの不動産屋に、彼らの探しているものがある。
不動産屋では、ピーターの後釜に入れなかった事務員のヘンリエッタが仕事をやめるといって出ていく。ヘンリエッタを引き留めようとするテレサは、会話の途中でまた詮索を始める。
「ピーターは33区画が出口だと思っていた」
とヘンリエッタは口走り、テレサはそれをはっきりと耳にする。
イーサンの手当てをしているパム。彼女は穏やかな表情になっている。彼女は看護師ではなく、本当は医師らしい。
イーサンは諦めなかった。その努力を認めながら、でも街は何よりも重要な存在なのだとパムは強調する。そして、ピルチャーを助けてという。
ピルチャーとパムは兄妹なのだ。
イーサンは施設の中を1人で歩き始める。透明な檻のなかには、アビーが監禁されている。驚くイーサンの前に、ピルチャーが現れる。
檻の中にガスが噴射され、アビーは倒れてしまう。
1990年代後半、ピルチャーの会社は人間のDNAが変化しつつあることを知った。人間は少しずつ変わっていった。だが、人間はそのことをなかなか信じようとしなかった。
回想。ピルチャーの発表を、他の人は嘲笑している。それを応援するのはパムだけだ。「まだ時間はある」と励ます妹。「その考えが危険なんだ」というピルチャー。まだ時間があると信じ、先まわしにする。それが諸悪の根源なのだ。それでも、パムは彼を励ます。ここでパムが元薬物中毒であることも明かされる。
ピルチャーは気付く。世界丸ごとは救えなくとも、一部は救える。ピルチャーは本を書き、その収益を全て研究につぎこんだ。ピルチャーの会社の駐車場では、警備員としてポープが働いているのが見える。
勝手に調べ物をしているテレサを咎めるビッグ・ベン。「33区画」について口にした彼女を、静かに見ている彼。また彼女に警告する。
ピルチャーは話し続けている。人々の“失踪”のせいで、ピルチャーのしていることはたびたび気付かれそうになった。
イーサンとピルチャーの前で、また新しい人を蘇生させられている。彼らはまだ人間をたくさん保管しているのか。イーサンに質問され、ピルチャーの動きが止まる。
ケイトとテレサは、コーヒーショップで会話をしている(テッドが不動産屋であるモノを回収するため、ケイトがテレサを外に連れ出したのだ)。店員が「(2人が古い友人だと聞いて)だからケイトとイーサンは良く話していたのね」と余計なことを口走る。
不動産屋に宅配に来たテッドは、テレサの机の周辺から箱を回収する(盗みだす)。だが、ビッグ・ベンは彼から目を離さず、ケイトとテッドの仲について詮索する。ビッグ・ベンは彼を警戒しているようだ。
ケイトはテッドが外に出てきたのを確認して、テレサに対して「あなたを呼び出したのは状況を変えたかったからよ」と呟く。
テッドはハロルドに盗んできた荷物を渡す。
ケイトは何かを決意しているようだ。「今の私にできるのは新しい決断だけ」「幸せに生きているフリはもうやめる。状況を改善したい。だからあなたと話に来ている」「きっとまだ間に合う。だって今しかない。チャンスはないのよ。力を合わせないと」
イーサンはピルチャーと共に、人間たちが保存されている倉庫に足を運ぶ。そこには大量の人間が入れられた機械が見える。
イーサンは「自ら望んでここに来た者はいるのか」とピルチャーの行為を責める。拉致は許されるのか?ピルチャーは「隣人が火事を起こしたら助け出すだろう」とあっけらかんとしている。そして「好きでやったわけではない、やるべきことをした」と明かす。
回想。パムがメーガンを連れてピルチャーの前に現れる。メーガンは「理解しない人は置いていくべき、自業自得」と声を荒げる。
ピルチャーはポープにも声をかける。彼はこの頃からアイスが好きなようだ。ピルチャーは彼を車に乗せ、駐車場で話を聞く。ピルチャーは既に彼のプロフィールについて調べあげているようだ。ポープは恵まれない子ども時代を過ごし、前科もある。警察学校を受験して落とされた過去もあった。ピルチャーは彼をスカウトする。
ポープは、医師免許をはく奪されたチャールズ・キーンという男を襲い、ガスで気絶させる。そして、ピルチャーとパムは彼を機械に入れて保存する。
仕事の後、テレサは33区画を訪れる。
ピルチャーとイーサンの意見は対立している。運命は他人が決めるべきではないというイーサンと、運命は常に誰か他の人間に左右されているというピルチャー。
ピルチャーたちもは2000年間眠り、浄化された世界で目を覚ました。ウェイワード・パインズは2年で再建されたとピルチャーは明かす。
アビーは凶暴だが、動きを読むのは難しくない。自分こそ救世主だといわんばかりのピルチャーに、処刑についても問いただすイーサン。
ケイトは店に戻ってくる。ハロルドが作っているのは爆弾だった。ケイトやハロルド、テッドたちは壁を壊し、外に出ようとしているのだ。彼らは真実を求めている。
ピルチャーは統制をとるために、処刑と監視は必要だと主張する。イーサンは真実を明かすべきだ語るが、ピルチャーは「一度試した」という。
すぐに真実を話したAグループは、外に逃げてアビーに喰われたり、自殺をし続けた。
(冒頭のシーンは、その光景)
だからこそ、イーサンがいるBグループには真実を隠し続けている。人間が適応するまでは時間がかかるのだ。「若者が種をまくまで」このことは隠し続けるというイーサン。若者は適応が早いから、とピルチャーは微笑む。そしてイーサンは、ベンがすべてを知っていることを悟る。
家にいるベンは、ふと級友たちが奏でたリズムを思い出して顔をこわばらせる。
ピルチャーはイーサンに協力を求める。第一世代を守るために、と。彼は反乱分子の存在をイーサンに明かす。人数もメンバーもわからないが、彼らは壁を壊そうとしているのだ。イーサンは住人たちの命を守ると誓う。反乱分子からも、外の怪物からも、「あんたからも」とピルチャーを見つめる。
ハロルドはオルゴール型の爆弾を完成させる。