第4話 奇妙な新生活(One of Our Senior Realtors has Chosen to Retire)
イーサンたちは異様な街からの脱出を目論みながら、表向きには街に溶け込んだフリをしようとする。そんな中、ポープ保安官の後釜としてイーサンが保安官に任命される。保安官には住民の過去の経歴を見る権限があった。就任すると早速、パムがピーターという反逆者を連行してきて、イーサンに処分を下すよう求める。一方、ベンは学校に通い始め、フィッシャー先生やエイミーという生徒と出会い、テレサには不動産会社の仕事の紹介が届く。
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ネタバレ
逃げるように街に戻ってきた一家。
街中が監視されていることを妻に告げる夫。だが、監視しているのは誰なのか?イーサンも知らない。そして、彼は初めて自分の任務(ケイトを捜しに来たこと)について明かす。そして、自分に何が起きたのかも。ケイトを探す任務だったというのを聞いて、テレサは驚く。夫婦は何もなかったフリをして、そのまま街で過ごすことを決める。
ふと気が付くと、ベンがいない!と思いきや、そこには郵便局員から何かを受け取るベンの姿があった。それは学校の制服だった。登校を促す手紙も同封されていた。
翌日保安官事務所を訪れたイーサン。すると、彼が新しい保安官に任命されたことが明かされる。町長や新聞記者も待っている。町長は、イーサンの過去をある程度は知っているようだ。その一方で、彼はイーサンにも住人の過去を知る権利がある(保安官だから)と目くばせする。
ベンは母と登校する。フィッシャーという女の先生が彼を出迎える。登校してくるベンを、上級生らしき男の子の集団が2階の廊下からガラスごしに眺めている。
パムは保安官事務所にピーター(前話で登場した不動産屋の男)という男を連れてくる。彼は街の建造物に落書きをしており、反逆者として扱われている。これで3度目のルール破りだ。この街には「掟を3回破ると厳しく罰せられる」というルールもあるらしい。
ベンはフィッシャー先生に故郷について聞かれる。まるで洗脳するかのような口ぶりで、「なぜ帰りたいの?」「(わからないとの答えに)帰りたいのに、理由がわからないの?」と問いただす。そしてベンに対して、イーサンへの信頼を揺らがせるような発言を繰り返していく。
「欺瞞のはびこる時代において、真実を語ることだけが革命をもたらすのだ」
ピーターが書いた落書きを、テレサは街で見つめている。
そしてテレサは、ケイトを見つける。彼女のいるおもちゃ屋に入っていくテレサ。ケイトと対峙する。見せかけの会話を交わす2人。オルゴールを鳴らしている間だけ(会話が聞こえないようにしている)、2人は本音で語り合う。
テレサは自分が母親になりたかった、家族を優先してきたと語る。そして、イーサンとケイトの不倫を責める。ケイトは謝罪しながら「もう状況が違う」と言う。テレサは「それは違う」というが、ケイトは「いずれあなたにもわかる」と言う。
学校終わりのベンに、エイミーと名乗るクラスメイトが話しかける。彼女に連れられて帰宅するベン。入れ違いでテレサがやってくる。
前の学校のことや、彼女の存在を聞かれてドキマギするベン。だが、フェンスのことを話し出したベンにエイミーは動きを止める。そして、その向こう側にいる何かについてベンは尋ねる。エイミーは「どうしてそのことを?」と口走る。しかしそこにテレサがやってきて、ベンを連れて去っていく。
問題の男・ピーターを取り調べしているイーサン。ピーターの「過去」(ウェイワード・パインズに来る前の家族の姿)を見せるイーサンだが、ピーターは激しく動揺する。彼はこの街に来て10年近くたつらしい。
崖を越えようとして、ピーターは足にケガをしたという。それ以来、杖をついている。誰も街から出られないことについて、ピーターからヒントを得ようとするイーサン。ピーターは街から出る唯一の方法を知っているという。
そこに電話がかかってきて、ピーターを処分するように指示がある。だが、イーサンはその電話を切って「セールスだった」とうそぶく。
テレサとイーサンは、浴室でシャワーを出した音で盗聴器をごまかしながら会話をしている。保安官になったこと、町長と会ったことを話す2人。「この街では、誰かを殺したらその仕事を奪えるらしい」と聞き、テレサは戦慄する。町長は何かを話したがっていたことに気付いていたイーサンは、彼に接近することを決める。
だが、町長の妻であるメーガン・フィッシャーは、元催眠療法士だったらしい。怪しげな彼女こそ、ベンの担任教師だ。
翌日、テレサはメーガンをディナーに誘う。夫婦同士で親睦を深めようというのだ。メーガンはそれを快く了承する。
ピーターにコーヒーを出すオーサン。「最後のコーヒーか」という彼に「何も起きやしない」と約束する。ピーターはかつての記憶を語る。酒場である女性と意気投合して、ホテルに連れ込んだこと。ドラッグをやり、そのまま気を失ったこと。気が付いたら、別のホテルにいたこと。バーであった女もそこにいたが、年を取っていた。名前もデニースではなかった。彼女の本当の名前は、パムだった。
ベンは、メーガンの罠にはまり、だんだんと自分の故郷についての気持ちが揺らいでいく。メーガンは彼にギターを贈る。
夜、町長夫婦と一緒に店で食事をすることにしたイーサンとテレサ。その店に、ハロルドとケイトもたまたま居合わせる。テレサとメーガンはトイレに立つ。町長から、彼が隠している何かを聞き出そうとしているイーサン。
家に1人でいるベンのもとを、エイミーが訪れる。
町長はこの街を統べている何かは、教育に力を入れているという。子供たちの意識を形成しようとしているのだ。彼は自分の妻について「用心しろ」と囁く。
処刑について意見を聞かれたメーガンは「街のルールだから変えられない」とケロリとしている。その表情に、不安を感じる夫婦。
ポープ保安官の退任について嘆くアリー。それを、ホテルの支配人とパムが慰めている。パムはイーサンの就任についてスピーチを始める。処刑の実行を強いるような内容に、イーサンはそれを遮って自分で話し始める。「必ず、街の悪を白日にさらす」「そして、真の悪に裁きを下す」ことを明言して(宣戦布告)、パムと笑顔で乾杯をする。
ドクター・ジェンキンスとたまたま遭遇するイーサン夫婦。イーサンはドクターに、保安官として処刑を強いられていることを告白して、「そんなことは許されない」と断言する。だが、ドクターもまた、街の掟に従うべきだと肩をすくめる。
ベンとエイミーは外へ抜け出している。ベンは前の学校で孤独だったことを明かす(人気者だと嘘をついていた)が、エイミーは気にしない。
ピーターを連れ出すイーサン。ピーターの逃亡を助けるというのだ。ピーターは「逃げられない」と主張するが、しぶしぶイーサンの後を追う。
帰宅したテレサはポストを覗き、不動産屋に就職が決まったという通知を受け取る。
ピーターとイーサンは壁の前にいる。
過去を永遠には忘れていられない、いつかは思い出してしまうと語るピーター。彼は脱出するための道を示す。壁のそばにある切り立った崖を指すが、ピーターはこのままここで死ぬという。イーサンが信頼を勝ち取るために、自分を殺すべきというのだ。それを拒否するイーサンだが、ピーターは自分がイーサンに押されたように見せかけ、電流の流れる壁にぶつかって自殺する。
帰宅したイーサンは、ピーターの指し示した道を辿ることを決意して準備をする。その前にパムが現れ「保安官合格ね」と微笑む。だが、パムだけは彼が自殺したのだと見抜いているようだ。彼女はイーサンが出て行った後、保安官のデスクに座り、深く息を吐く。
ベンとエイミーは壁の向こうについて話をしているが、ふとキスをする。
イーサンはピーターの示した崖に戻り、そこを登る。それを、木の影からモンスターのようなものが覗いている。