「モンスター上司2」

Horrible-Bosses-2

2014年のアメリカコメディ「モンスター上司2」。
1はまったく!素晴らしい!と言いたくなる優秀なコメディでしたが(アメブロのほうでも触れていますが、バナナマンのコントに通じるくらい、テンポがよくてキャラがよくてやりとりが面白い)この作品はややパワーダウンしている感が否めない。
それでも充分面白いんですけど!ジェニファー・アニストンのコメディエンヌ(と言うかマジキチ)ぶりを見ているだけでも、心が洗われます(嘘)。

あらすじ

前作のモンスター上司から逃れ、自分たちで会社を設立した3人のおバカトリオ。しかし、せっかく設立した会社を、新商品ごと乗っ取られそうになってしまった彼らは、悪徳社長の息子を誘拐する計画を立てるのだが……!?

登場人物

ニック(ジェイソン・ベイトマン):ひたすらマジメ。他の2人にツッコミまくるが、突然大ボケ発言を繰り出す隠れ問題児。元エリート社員。今回はデイルの元上司であるセックス依存症の女性歯科医・ジュリアに恋をしてしまったようで……
演じる役者は「マイレージ、マイライフ」といったドラマから、おバカコメディまで幅広く出演。「JUNO」や「トロピック・サンダー」にも出てます。
デイル(チャーリー・デイ):高い声と小さい身長が特徴的な、天真爛漫オバカ。唯一の既婚者・子持ち。嫁大好き!やることなすことトラブルを引き起こす。
演じる役者は「パシフィック・リム」にも出演。
カート(ジェイソン・サダイキム):女に目がないおバカ。しかし、女たらし以上にはしゃぐと始末に負えない。デイルと共にニックをイライラさせる。
演じる役者はコメディやラブコメ中心に出演。同じコメディなら「なんちゃって家族」がおすすめです。

ジュリア(ジェニファー・アニストン):デイルの元上司。セックス依存症を治す気はまったくなし。未だにデイルを狙っている。
マザーファッカー(ジェイミー・フォックス):前回、彼らを騙した黒人詐欺師。今回も彼らから金を搾り取ろうとするが、味方してくれる一面も……!
レックス(クリス・パイン):三バカが開発した商品を持ち込んだ、大手通販サイトの社長の御曹司。3人に負けず劣らずのバカかと思いきや……!
バート(クリストフ・ヴァルツ):レックスの父。やることなすこと、非常にあくどい。

あと、ケヴィン・スペイシー(ニックの上司役。パワハラしまくりの上司を演じました)も特別出演みたいな感じで出てきます。

ネタバレ

前作で散々上司に振り回された彼らは、3人で会社を作ることに。新しいシャワーヘッド(水とシャンプーが同時に出てくる商品)を開発して、地元テレビに出演します。
テレビで実演したら、そのシルエットがまるでホモ○ックスに見えるという突然の下ネタギャグをはさみつつ、その商品が大手通販サイトからオファーを受けます。

その会社まで行って社長を名乗るレックスと面談する彼らですが、実は本当の社長は父のバート。取引はなかったことになりかけますが、父親は突然、彼らに大量の商品を発注します。

大喜びで会社を借り、商品を作り、採用をする面々。(面接コントがまたくだらない!なんだかんだで全員雇っちゃうとか)
しかし、商品が完成したところで「やっぱやーめた」と言われてしまいます。つまり、注文キャンセル⇒銀行から融資されたお金が返せない⇒銀行に不渡りが出る⇒会社が競売に出て、それをバートが買い取って安く買い叩くという計画らしい。さらに、特許もとって中国で安く作るよ!とまで言われます。

あくどいやり方に、「バートを殺す!」といらだつデイルとカート。
そうではなく、誘拐をするべきだ!ということでマザーファッカーに相談したり、なぜかニックの元上司であるケヴィン・スペイシーに相談したり(彼は刑務所に収監されている)するのですが、歯医者の笑気ガスを使ってレックスをさらおう!と言う話になります。

そこでデイルの元職場である歯医者に忍び込んでガスを盗もうとするものの、セックス依存症のセミナーとかぶってしまい、ニックが潜入してごまかすはめに。
ニックはアル中のセミナーと勘違いしているため、会話をしているうちに同性愛者のレッテルをはられてしまいます。しかし、それがジュリアの興味を引き、彼らは関係を持つことに。

レックスの家に忍び込もうとするも、一度は失敗。しかしニックのクレジットカードを家の中に入れてしまい、何としても潜入しなければいけないことになります。と、帰ってきたレックスと家政婦の後について自宅に侵入する彼ら。しかし、クローゼットに隠れるうちにガスが漏れてしまい、そのガスを吸って倒れる3人。

朝起きるとレックスはいないし、とりあえず帰ることに。しかし、車のトランクを開けると縛られたレックスが!しかしそれは本人のいたずらだったというオチ。実はレックスは自分の誘拐にノリノリ。お金をパパから搾り取りたいようです。
ここで偽装誘拐をすることになってしまうのですが、バートに電話したところ、速攻で警察に通報されて落ち込むレックス。「警察に電話したら息子を殺す」と脅したのに、父は金を選んだのだ。
本格的に偽装誘拐をしてやる!と決意したレックスに、三バカも協力するハメになります。

①縛ったレックスを倉庫に監禁
②プリペイドケータイで電話、バートが金を持って移動
③指定先に、もうひとつプリペイドケータイを用意。警察が傍受できない状態で、地下駐車場に誘導
④携帯の電波が入らない駐車場で、顔を隠した3人がお金をとる。この時に、ダミーの金をカバンにつめて、本物の金は没収する。
⑤バートの扮装をしたカートが、代わりに車を運転してフットボールの試合場へ。たくさんの人がいる中でカバンをごみ箱に捨てる。それを拾った人(ホームレス)が逮捕されている間に、扮装をといてカートは人ごみに紛れて逃げる。
⑥息子はパパと感動の再会!やったね!
⑦お金もたくさん!やったね!

という計画を立てるのですが……

・指定先に用意するはずのプリペイド携帯が、間違ってカートの携帯になっている。
・バートを見張るためのホテルに、ジュリアが登場。デイルが寝てくれなきゃ警察に電話すると言い出す
・そこにデイルの嫁も登場。ジュリアを見て絶叫!
・デイル、怒ってジュリアを風呂場に閉じ込める
・地下駐車場に行くも、お面が小さすぎ!顔が相当はみだしてる
・イマイチ、バートとの交渉もうまくいかない

そこに登場したのが……レックス!
彼は縛られて倉庫にいるはずなのですが、バートを射殺してしまいます。つまり、罪を三バカになすりつけて親から莫大な遺産を相続しようとしたのです。全て計画のうちだったんですね。

レックスは倉庫に向かって車で走り出します(警察が来た時に、そこで監禁されていたふりをするために)。しかし、それを助けに来たのがマザーファッカー。受けわたしが失敗して3人が殺された時に、レックスを殺して身代金を横取りしようと思って……という彼に一斉に「いや、横取りしないで助けろよ!」とツッコむ3人です。
倉庫までカーチェイスをするマザーファッカーの車とパトカー!しかし、振り切るとどこにいったかわからなくなるので、踏切の向こう側でパトカーを待つ彼ら!「あいつら何なんだ?」と謎だらけの警察官であります。
フェンスをかっこよく突き破ろうとしたらそのままひきずるはめになったり、先についたと思ったらレックスのほうが1枚上手だったりと、絶体絶命!

でもそこでカートの携帯がなりはじめます。ケイティ・ペリーの着信音に、「あれ?レックスが持ってる携帯ってバートが誘拐犯から渡されて指示を受けた携帯電話じゃね?」と気付く警官たち。そもそも、どうして携帯があるのに助けを呼ばなかったの?としげしげと聞かれます。

全てがバレ、とうとう警察官を人質にとって逃げようとするレックスですが、レックスが三人にプレゼントした映画「プレデター」の小道具(プレデターのつめ)を手に(たまたま現場にあるんですね、これが)、襲いかかるデイル!彼はレックスに撃たれてしまいます。

結局、レックスは逮捕。デイルは生還し、彼が命を張って警官を助けたことでお咎めなしに。ただし会社は差し押さえられ、競売にかけられてしまいました。
その会社で従業員として働く彼らは、社長に報告をするために外出。それがなんと……ケヴィン・スペイシー!そうです、刑務所のなかでニックの会社を買い取り、モンスターぶりを発揮しているというわけ。

そして倉庫につく前に姿を消したマザーファッカーは、まんまとかすめとった身代金を手に、ずっと夢だったヨーグルトのお店を開こうとしているところで終わります。

ラストにはNG集もついているし、レンタル版にもメイキングが付いているのが面白い。とにかくアドリブばっかりだったらしいこの映画、参加する俳優もかなり大変だったようです(アドリブに上手に合わせたり、何パターンもセリフを撮影するため)。さらなる続編もありそうな、なさそうな……?続編のコメディのなかではかなり優秀なほうかもしれませんが、「1」の出来が素晴らしすぎただけに、なんだかもったいない気もするのであります……。

「今度は本人たちがモンスター上司になる」というオチなのかと思ったのですが、そういうわけじゃなかったのでガッカリ。アホな新人社員と戦ってほしかったですね。