英ゾンビドラマ「ゾンビ・アット・ホーム」シーズン1・第3話(最終話)のネタバレ

In-The-Flesh

ネタバレ

帰宅しないキーレンを心配している両親。彼はまだ荒野を歩いている。キーレンを追い越していくビルの車。リックとかすかに目が合うキーレン。網をかけられたゾンビたちが荷台で唸っているのがわかる。

自宅で、皆の前で恥をかかされたと怒るビル。リックを睨みつける。
前回、ゾンビに足を噛まれたHVFの隊員・ディーンは、仲間・ゲーリーに監禁されてしまう。

キーレンは、かつて自分がリサを襲ったスーパーマーケットを訪れる。徐々に記憶がよみがえるキーレン。
リサ(実はジェムの友人)を襲ったキーレンとエイミー。そして、そこにはHVFの隊員として乗り込んできたジェムの姿があったことを思い出す!つまり、キーレンを間接的に助けてくれたのはジェムだったのだとわかる。

ジェムの部屋を訪れるキーレン。彼は「ゾンビが人を襲うのは生存本能ではない(そういう衝動が人間のほうの自分にあったという)」「人(リサ)を殺したことを後悔している」と語る。
一方、ジェムは自分を臆病者だと責めていた。リサの両親を騙し、キーレンを殺さなかった事を隠し続けていることを、彼女も後悔していたのだ。キーレンはジェムと一緒に、リサの親のところに謝りに行こうと決める。

一方、キーレンや他のゾンビたちを殺す計画を立てているビルとリック。しかし、リックは当たり前だが乗り気になれない。妻のジャネットも心配そうだ。

リックは父の目を盗んで小銭を母からもらい、キーレンに警告の電話をかける。しかし、つながらない(ずぼらな家族が、子機をどこかに置いたままにしているため)。キーレンとジェムはでかけてしまう。

神父に電話をかけ、礼拝に息子を連れていきたいと伝えるビル。しかし、フィルの来訪でビルは外へ出る。フィルが、ゾンビがいる家にペンキで目印をつけてまわっているのだ。べったりと車庫に塗られたグリーンのペンキ。ビルはフィルを追っ払う。彼の家の隣のバスケットゴールに監禁されているディーンは、肩をすくめてそれを見ている。

リサの両親のもとを訪れたキーレンたち。彼らは、彼女がゾンビとなって蘇り、いつか自分たちのもとに戻ってくると信じている
キーレンは彼らに、リサを襲ったのは自分だと告白する。しかし、「よかった」「安心した」という2人。

実はリサの死体は消えてしまっているのだ。だから、キーレンがリサをゾンビにしたのなら、彼女が帰ってくる望みがあるのかもと考えたのだ。
(しかし、実はキーレンに脳を食べられている)

しかし、蘇ったゾンビたちは「反乱」の前に死んだ人間たち限定だ。「反乱」の後に死んだ人間は、蘇らない。キーレンはそう伝えようとするが、ジェムに遮られる。
ゾンビに噛まれた人間は生き返るかもしれない。リサは戻るかもしれない。その祈りが、彼らを生かし続けているからだ。

ディーンは糖尿病で食べ物を欲しているが、感染者だと思われ、冷たくあしらわれる。子どもですら彼を相手にしない。

礼拝で神父の過激な説教が続けられている。ゾンビを殺せと強く主張する神父。多くの人間たちはそれに聞き入っているが、リックはその言葉に戸惑っている。

神父はビルにこっそり告げる。きっと二度目の復活があると。その二度目の復活の日は、復活に値する人間だけが生き返るはずだと。この言葉が、ビルを惑わせる。

家で、キーレンも見ていた“預言者”のHPにアクセスしているエイミー。彼女の家にも、印をつけにHVFの隊員・ゲーリーが訪れる。しかし、横暴なゲーリーは彼女の家のなかにまで入り込み、差別的な発言を繰り返し、「ゾンビなんだから化粧をしろ」と口紅をめちゃくちゃに塗りつけて去っていく。侮辱されて傷付いたエイミー。

正直に事実を打ち明けつつも、リサの両親のことを思いやったキーレンの態度にジェムは感動。2人の仲はまた温まりつつある。

駅にいるエイミーを見つけたキーレン。彼女に話しかけに行く。しかし、村を出て預言者の共同体のもとに行くことを決めたエイミー。閉鎖的な村に嫌気がさしたのだろうか。
エイミーに一緒にくるように勧められたキーレンは「今はまだ行けない」と断る。ハグをして、別れを惜しむ2人。エイミーは電車に乗り、旅立つ。

PDS患者を家族に持つ女性たちの集会。キーレンの母・スーや、リックの母・ジャネットもいる。スーはキーレンを失った後の話を始める。妹は荒れ、夫は落ち込み、脱力化。キーレンに怒りすら感じたというスーの話に触発され、ジャネットも語り始める。戻ってきたリックが怖かったと。

ビルはリックにゾンビの殺し方を指南している。しかしリックはトイレに入り鏡を見つめ、自分の顔に走る大きな傷跡を手で隠して見る。それはまるで、普通の人間の顔のように見える。不意にこみあげた笑いはすぐに消え、彼はペーパーを手に取り……。

ジャネットは息子の帰還について、自分の気持ちを述べている。リックが戻ってきてくれてよかった。あの子は変わりない、自分の愛すべき息子だと語ったのだ。

リックはコンタクトを外し、化粧を落として、死体の顔色と目で父の前に姿を現す。キーレンを殺したくない。自分も彼と同じだから。そう告げるリックを、父は容認する。「苦しいのか」と聞くビル。「良心が痛むのか、そうだろ」と続けるビルの言葉に、泣き出すリック。親子は抱き合う。

監禁されているディーンは、ケンに声をかける。先日、妻の射殺に関わった彼はケンに謝罪して、食べ物を買ってきてと頼む。言うことを聞いてあげつつも苦々しげに立ち去るケン。決まり悪そうなディーン。

自室でゾンビを殺した際の記念写真を剥がし、迷彩服を脱ぐジェム。彼女は昔の自分に戻ることを決めたようだ。

ビルも何やら身支度をしている。車庫にあったペンキを消し、何かを捨てている。

ジェムは銃を納屋に隠しているが、そこで電話の子機を見つける。留守番電話に残されたリックのメッセージを聞き、慌ててキーレンを探しに走るジェム!

キーレンは橋の上でぼうっとしている。そこに現れたビルの車!しかし、彼はキーレンをスルーする。

自分の気持ちを吐露したせいか、朗らかに帰宅したジャネット。しかしリックの姿は家に見えず、ビルは虚ろに「リックは5年間帰ってきていないじゃないか」と言う。リックの写真には黒いリボンがまたかけられている。

キーレンの家を心配そうに見ている隣人・ケン。キーレンが帰宅して家の前で見つけたのは……リックの息絶えた姿だった。
頭にナイフを深く刺しこまれたリックの遺体を見つけ、涙を流し、耳元に何かを囁くキーレン。彼の頭に刺さったナイフを抜き、それを握りしめてどこかへ向かう。そこに帰宅するジェム。ジェムもリックの遺体を見つけ、慌てて両親を呼ぶ。

ビルの家を訪れたキーレン。「出入り禁止だぞ」と言われた彼は、例のナイフをソファに突き立てる。「出入り禁止なのは彼に贈り物をしたから(それだけの理由だ)」と言い返すリック。

「次に戻ってきた時にはもう会わせないぞ」
「次ってなんだ?次なんてない」
第二の復活で善き者だけが蘇る。キーレンも、死んだリックも偽物だ。本当のリックが蘇ってくるから、あいつは殺した。そう語るリックに唖然とするジャネット。
しかし、あくまで「偽物退治」だと言うビル。
「二度とこんな奇跡はおきない(英語では「これは神様からのギフトなのに」というような表現があるのかもしれない)」というキーレンの言葉に、ようやく事態を理解して暴れ出すジャネット。ビルに切りかかる。その手のひらの痛みで、なぜか我に返るビル。ジャネットを抑え込むキーレン。

泣きながら家の外に出たビルは腹を撃ち抜かれる!銃を持っていたのはケンだった。彼はそのまま去っていく。ケンにもらったサンドイッチを食べているディーンは「俺は何も見ていないよ」と慌てる。ケンの背中は、そのまま小さくなっていく。

そのまま立ち去るキーレン。パニックになるジャネット。いろいろな家をまわり、印をつけ続けているフィル。

キーレンは思い出の洞穴に入っていく。洞窟に閉じこもり、リックと共に掘ったサインを見つめていたキーレン。そこにスーがやってくる。
自分を責めるキーレンをなだめる母。自殺しそうなキーレンを説得する。
「こんな僕なのに生きていていいのかな」
「当然でしょ、帰ってきてくれたら溺愛しちゃうわ」
と冗談を飛ばすママ。

ママは思い出話を始める。
空軍パイロットとの恋。彼の裏切り。親友と彼の交際発覚。大学中退と帰郷。そして、自殺を考えるようになった。
しかし、深夜営業の薬局で(自殺用の薬の)注文を断られ、その店員に親切にされた。そしてスーを笑わせてくれた人。それがパパ。

無口で映画マニアだけど、パパは息子と話すことを望んでいるんだと母は伝える。だから、もう二度と自殺しないでほしい。そうスーは息子に伝える。

家に帰り、父に本音を言うように願うキーレン。息子への不安や怒りを思いきって口に出した父は、キーレンが自殺した時のこと、彼を抱きしめて病院に走ったものの、その魂が抜けていくさまを思い出してしまい、泣き出してしまう。抱き合う2人。

そして、リック(とビル)の葬儀。もう二度と蘇らないだろう、リックの棺桶を見つめるキーレン。その上に土がかぶさっていく。

第3話であったこと・感想

3話完結なので、非常に話が濃いです。
義勇軍とPDS患者やその家族の諍い。そして、患者とそれを受け入れがたい家族の対立。この映画では「キーレンが脳を食べるシーン」や「患者がゾンビに戻って暴れるシーン」「野生のゾンビが動物を食べているシーン」はあるものの、ゾンビそのものはほとんど登場しません。その試み自体が面白いし、「家族の話」が好きな人にはたまらないシリーズだとは思います。

リックとキーレンの引き裂かれた恋。
自分の息子を、愚かな妄想のせいで死なせた(しかも自分の手で殺した)ビル。
ようやく息子を受け入れられたところで、また失ったジャネット。
兄と友人の死の板挟みになっていたジェム。
息子の死がショッキングすぎて、どうしても本音でぶつかれなかったキーレンの両親。
自分でも違和感がありつつ、世論に従わざるを得ないティム。
自由の代償として、傷付けられ続けるエイミー。

キーレンのお父さんの思い出の話(息子を運んでいる最中に彼が死んでしまった)は胸に刺さるものがありますね。

なお、シーズン2ではより濃い話になります。
・人間とPDS患者の対立が深まる
・PDS患者への差別が強まる
・「第二の復活」のデマが広がり、それがとんでもない悲劇を招く
・純愛も生まれる(このエピ大好き)
すごく見ごたえがあるお話ですので、やはりおすすめ。ただ、「Hulu」限定なのはホントに癪ですね。限定配信とか限定レンタルとか嬉しくないのでやめていただきたい。