「エンカウンターズ -侵略-」

encounters

2014年のスウェーデン/デンマーク映画。「エンカウンターズ -侵略-」を見ました。「グレイヴ・エンカウンターズ」とタイトルが似ててよくわからなくなりますが、個人的におすすめなのは我慢して1を見て、2でおおお……となっていただきたい。「グレイヴ・エンカウンターズ2」の“出られない感”の絶望はホント、異常なほどです。と、関係ない話でした。

それはおいといて、こちらはPOV×森の中で迷子×得体のしれないものに追いかけられる系のお話。ジャケットに掲載された大きい何かは、「ミスト」とか「モンスターズ」(この映画大好き)からヒントを得たのかな?という感じです。

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あらすじ

映画クルーが森の中で迷子になってしまう。
彼らは果たして生還できるのか。そして、この森に隠された秘密とは……?

登場人物

アナース:映画監督。この映画の中では比較的まともな男
ヤネ:女優。アレクスと恋人関係にある
アレクス:俳優。イケメンであります。
フィヨルド:撮影と編集担当の男。すげぇデブちん。

ネタバレ

冒頭は、スウェーデン映画の撮影クルーが失踪したという設定がテロップで説明されます。動画は政府に没収されていたものの、ハッキングで動画流出。という設定。

森の中で映画撮影をするために、車で向かっている最中の男たち。
とはいえ、ひたすらダラダラしたシーンが続いております。途中でメシ食ったりとか、ヤネとアレクスのエッチな動画を盗撮したフィヨルドが彼らをからかったり、そのせいで森の中に置き去りにされそうになったりという旅動画。誰が見たいんだよ!

とはいえ、途中からスリリングな展開も増えてきます。それまで耐えましょう。
・謎の男、森の中で立ち尽くしている。ハイカーかと思って車に乗せないで立ち去る
・森の中に踏み込むが、だらだらと迷う
・GPSを忘れたフィヨルド。居場所がわからなくなる

と、お決まりの展開。
そして、ドンキで売っているような衣装を着て、非常に安っぽい映画を撮影し始めるクルー。スタッフ2人キャスト2人って、規模が小さすぎやしないでしょうか。

しかし、映画の撮影中に湖畔の対岸からライトがチカチカ。さらに、アレクスが行方不明になってしまいます。

これはいたずらなのか?それとも??
実はアナースとアレクスがいたずらを計画していたことも明らかになるのですが、「あそこまではやっていない」と主張するアナース。

と、突然すっぱだかのアレクスが登場。ガクガクして倒れちゃいます。
そのアレクスを解放するヤネですが、とにかく森を脱出することに。
他にも
・食べ物が全部腐ってしまう(水だけは無事)
・携帯電話がつながらない
・実は、森に入った日から時間が経過していない?
という謎現象が起こります。

すきっ腹を抱えながら、アレクスを即席たんかに乗せて引っ張っていく一同。フィヨルドは使えないでぶちんなので手伝いません。カメラを延々と回し続けます。

しかし、またまた森ですっぱだかの男と遭遇。別に変質者の集まる森じゃないんですよ。
ちなみにここらへんでビンタのシーンがあるのですが、非常に威力が弱そうだと思いました。キャストの皆さん、お疲れだったのでしょうか。

とにかく具合の悪そうなアレクスに「そうだ!食塩水を血液に注射したらいいんじゃない?」とか言い出す主人公たち。試しにやってみたら死にそうになったという、どうしようもないシーンもあります。

ここで小屋を発見して、ポルノ雑誌や賞味期限切れのスパムを見つける彼ら。まずそうなスパムをデブちんがむしゃむしゃ食らって「まじぃー」という、しょうもない場面まで収録されております。
小屋の近くに落ちていた旧型のカメラを再生してみるフィヨルド。そこに映っている男は、冒頭の森で見かけた男にどこか似ていて……??

この小屋で一夜を過ごしますが、カメラには起き上がってカメラの方を見るアレックスが映り込んでいます。
また、朝になって外に出ると、なぜか裸のフィヨルドがカバンを漁っていて……??
まあ、このあたりから「森の中にいた人間が、なぜかクローンを作られている」「そのクローンは裸でうろついている」ことが推測できるようになります。

ここで唐突にでっかいメカ的なものがガンガン襲ってきて、走って逃げる一同。SF展開なんでしょうけど、こんなんが森を練り歩いていたらさすがにバレるだろ。Googleアースに映りそう。
主人公たちは見つけた地下室に逃げ込みますが、まるで研究所のようです。まるでトップガンの曲のようなきしみ方をする地下。

ここからのざっくり展開
・アレクスを家まで戻って連れてくるが、案の定偽物。翻弄される
・本物を見つけて保護する
・施設内の電気が消える
首の後ろに三つの点がついている人間は、クローンを作られていることがわかる。確認すると、全員の首の後ろに小さなキズがついている。

と、ここからクローンやら人間やらがバタバタと入り乱れて大ハッスルするシーンがあるのですが、画面が暗くて非常に見にくいので割愛。
ガチャガチャ ウワー ゴトッ ギャー みたいな感じの展開なんだけど。ごちゃごちゃ揉めている間に、男性陣は全員やられてしまいます。
えっ、ヤネが最後に残るの?と思っていたら、すっぱだかの自分のクローンとばったり会うヤネ。と、ここで画面が途切れ、クローンらしきヤネだけが施設の中で座っていて、画面が乱れて終わり。

どういうこっちゃという気持ちにしかならない映画にも思えるのですが、森を満喫するにはいい映画かもしれないですね。スウェーデンの森の空気の濃密さみたいなものは、ホラー映画とわりあい相性がいいような気がします。