「テスター・ルーム」

The Quiet Ones

2013年のイギリス映画だったように思う「テスター・ルーム」を見ました。この映画、TSUTAYAだけ!シリーズなのですが、当たり外れが多すぎるというよりも駄作が多すぎる当該シリーズのなかでもまあまあおそろしい気がする映画。主演の女の子の熱演はとにかく素晴らしい。色白で、お湯につけたら溶けちゃいそうなほど儚い感じです。

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あらすじ

オックスフォード大教授と、その学生たちによる実験。悪魔が宿っていると言われる少女に対して行われる実験を記録するために呼ばれたブライアンだが、常軌を逸する奇妙な出来事が続き……!?

登場人物

ブライアン:イケメン青年。カメラマンとしてすべてを記録する約。悪魔付きの少女、ジェーンと惹かれあうようになる
ジョセフ:教授。オックスフォード大で悪魔について授業を担当していた。この実験のすべてを司っている。
ジェーン:自分のなかに「イーヴィ」という者が住んでおり、時たま出てくると主張する少女。彼女のまわりでは奇妙なことが起こりつづけ、そのせいで天涯孤独の身。
クリッシィ:美女学生。研究熱心であるが、ジョセフとハリーで二股をかける
ハリー:男子学生。同じく研究熱心。クリッシィとは自由恋愛?

この映画のお話もあってないような印象。
どちらかというと、オカルト現象と悪霊にとりつかれている女の子を堪能する映画です。
ただし、普通の青年と悪魔憑きの少女が惹かれあうというのがちょっと面白いですね。

ネタバレ

The Quiet Ones

オックスフォード大で悪魔のことを研究している教授と、それに心酔する学生。彼らは悪魔の能力を借りて不思議なパワーを発揮する少年の映像を見せられて「おお~」と盛り上がっています。

ブライアンはその教授に雇われ、ジェーンという少女に対する実験に参加することに。怯えるジェーンの異様な姿に、実験の怖さをひりひり感じるブライアンであります。
しかし、大音量で音楽をかけて「これで悪魔が来ないぜ」というハリーはどういう了見だとは思いました。

ちなみに、ジェーンはかわいそうな女の子です。両親もおらず、里親にもらわれては異常な現象が起こるので捨てられの繰り返し。教授に拾われてからは、変な実験を延々受けさせられてちょっと怯えています。

彼女のなかには「イーヴィ」という何かがおり、時々外に出てきます。そのせいで不思議なことが起こるのですね。テレキネシスはもちろん、ジェーンの声が変わったり、名乗っていないブライアンの名前を当てたりという現象が起きます。

そんなこんなで、何の効果があるのかわからない実験が続きますが、この実験の正当性が認められず、大学から予算をガクッと減らされることに。めっきり貧乏になったせいか、早くテレキネシスを出現させたい教授と、イーヴィを呼び出せないジェーン。教授のイライラは募ります。

その一方、ブライアンとジェーンは惹かれあいます。普段は女の子っぽくて静かなジェーン(何よりかわいい)とイケメンでおとなしいブライアン。お似合いのカップルです。

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でも不思議な現象は続きます。
ジェーンが血まみれの傷だらけになったり、赤ちゃんの声が遠くからしてきたり、ジェーンの人形が急に燃え出して手が焼けたり。
個人的には、ジェーンが人形の髪の毛を延々とむしってたのが超怖かったです。髪の毛がむしられている人形って怖いですよね。

なお、ジェーンの不思議現象のクライマックスシーンはこちら。
のけぞったジェーンの口から、髪の毛を束ねたロープのような質感で、ウン○のような色合いの虫的なものが口からにゅるにゅる~と出てくる場面でしょう。これはびっくりします。口から出てくるならエクトプラズムという印象があったのですが、茶色だとある意味とっても嫌な気持ちですね。
また、この実験を行っている家のなかにあったベビーベッドに、赤ちゃんの輪郭が黒焦げで浮かび上がります。この場面も怖い!

徐々に学生にも不思議な現象が起きます。お風呂に入っているクリッシィにも迫る影。ぬるっと浴槽から出てくる幽霊。さすが、セクシー要員はされることが違いますなあ。
クリッシィは死なないまでも、けっこう手痛い目に遭います。

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このあたりで、ジェーンの中にいるイーヴィが悪魔崇拝をしているカルト教団の申し子的存在なのだという展開になります。が、しかし、それよりショッキングなのが教授の話。
実は冒頭で見た映像の悪魔憑きの少年は、教授の息子だということが判明するのです。息子を救うすべを探していたのか、許しを乞うための行為だったのか。公私混同していた教授に幻滅する学生たち。教授と関係を持っていたクリッシィもこれにはお怒りです。
一度は実験から抜けたクリッシィやハリー。

とはいえ、もう一度実験場であるお屋敷に再結集する5人。ここでイーヴィが暴走して、ジェーンも止められなくなります。この影響でブライアンや教授、クリッシィやハリーの体に悪魔崇拝のマークが浮き出てきて大やけど。パニックになったクリッシィは外に飛び出した瞬間、空中に浮かび上がり、そのまま逆さになって天窓から中に飛び込まされてダイナミック☆お帰りなさいで帰還。ハリーも首を折って死亡します。

ここで教授は「よし!ジェーンを殺そう!」と決意。動けないブライアンの目の前で、ジェーンに薬物を投与します。なぜ殺すのかは教授理論なのでよくわからない。しかしジェーンが好きなブライアンは激怒し、教授をボコってジェーンにアドレナリンを投与。素人なのに心臓にちゃんと注射!彼女を蘇生させます。
ジェーンとブライアンはキスをしてお互いを確かめ合いますが、ジェーンはブライアンを部屋の外に出し、火をつけます。

実はイーヴィとジェーンは別人格でも別人物でもなく、ジェーンがイーヴィそのものだったのです。イーヴィというカルト教団で奉られていた少女が彼女に憑いていたのではなく、彼女がその人自身だったということ。それを彼女自身が自覚して、死を選ぶのです。

唯一生き残ったブライアン。
しかし、彼は「この映像を見ればわかる」とカメラを握りしめ呟き続けます。「フィルムは全部燃えたよ」と言われてもその意味も理解せず、旧式のカメラでガンガン頭を打ち付けるのです。
最後、いつもカチンコ代わりに叩いていた彼の両手が、またカメラの前で打ち鳴らされて終わり。

正常だったはずのブライアンがジェーンと同じような状況になってしまったという恐ろしさ。
この映画、実話風に語られているのですがこんな実話があっていいものでしょうか。とりあえずオックスフォード大ってスゴイな~(棒)。