「インド・オブ・ザ・デッド」

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2013年の映画「インド・オブ・ザ・デッド」を見たよ!予測変換で「インド・オブ・ザ・デッド」って出るんだけど、そんなにタイピングした覚えがない。
それはおいといて~!
この映画はゾンビ好きなら見逃せない!てっきり「ゾンビ大陸アフリカン」と同じテイストの話かと思いきや、違いました。ホラーコメディ要素がとても強かった。
個人的には楽曲がいいし、俳優さんもキャラ立ってるし、ゾンビの出来もスゴイし、とても見やすくて楽しいゾンビ映画です。そもそも映画のキャッチフレーズが「きっと、うまくいかねぇ!」ですもん。

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映画大国インドで製作されたゾンビ・コメディ。

インドのおバカ3人組、ハルディク、ラヴ、バニーがやって来たのは、“ヒッピーの聖地”として知られるリゾート地ゴア。さっそく怪しげな情報を聞きつけ、離島で開かれているロシアン・マフィア主催のレイヴ・パーティに忍び込む。そして、期待通りの乱痴気騒ぎを満喫した3人だったが、翌朝、事態は一変する。パーティで出回った新型ドラッグが原因で島中ゾンビだらけに。たまたまドラッグを買えなかったおかげでゾンビ化を免れた3人は、途中でラヴの意中の美女ルナ、そしてパーティを主催したロシアン・マフィアのボリスと合流し、彼らと一緒に決死の脱出劇を繰り広げるが…。
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=351631

登場人物

ラヴ:すごい名前だけど男。彼女のためにダメ人間脱却を試みるも、彼女があんまりいい女じゃなかったことを知り、失恋
ハルヴィク:クスリ大好きな男。ラヴの親友だが、女好きなのが玉に瑕。彼女と職場でマリファナ吸ってたのを見つかり、クビになる
バニー:もちろん男。ラヴとハルヴィクが居候している家の家主。トリオのなかで唯一の成功者であり、仕事人間でもある。
ルナ:ヒロイン。かわいい。初対面でグイグイしたラヴをあしらう。
ボリス:ロシアマフィア。インドの哀川翔さん的な感じか??

この映画の特徴として挙げられるのは、とにかく「楽曲がいい」「お笑い要素がいっぱいある」というところでしょう。
楽曲がインド特有の感じなのもいいですね(ただ、ミュージカル要素はないです)。また、ゾンビ映画へのぬる~いリスペクトがあるのも面白い。

ネタバレ

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マイケル・ジャクソンの有名ゾンビMVのパクリ映像から始まるこの映画。インド風味のマイケル・ジャクソンはナンカチガウ感がすごい。
だらだらくっちゃべっているラヴとハルヴィクですが、一瞬暗転し、横にいたバニーの顔が血まみれに!
しかしそれはケチャップでした、チャンチャン。というオチがありますが「これってなんだっけ?」「ほら、あの、ゾ、ゾン……」みたいなところでOPへ。

出勤する3人の映像にタイトルロールがかぶさるのですが、静止画を続けて再生するという演出で、歩いてないのに移動している!みたいな印象のOP(説明下手でゴメンナサイ)なのですが、このOPの歌がいいのよね。
「血まみれの月曜日 俺の血を吸いに来たんだろ」
というのがサビの歌。そんなに出勤するのイヤか!出勤していない(私は在宅で仕事してます)私が言うのもなんだが。

ラヴは失恋、ハルヴィクは失業。2人は出張でゴアに行くというバニーにくっついて、フォルクスワーゲンに乗って3人旅です。
(なぜかフォルクスワーゲンがスポンサーだった。社内にゾンビファンがいるのか?)

そしてゴアで出会った美女・ルナに一目惚れするラヴ。
彼らは孤島で行われるクラブイベントに忍び込み、イベントに参加しているルナに近付きながらパーティを満喫。
でも、グイグイ行こうとするラヴを「信用できない」とばっさりするルナちゃん。

そしてクラブイベントでは、ある新ドラッグが出回っています。
実はこのドラッグがゾンビになる感染源なのですが、ラヴもハルヴィクもお金がないから買えません。だからおバカトリオや一部の人だけは生き残ります。

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(左からバニー、ルナ、ハルヴィク、ラヴの順。バニーがTBSの蓮見アナに見える

翌朝、ビーチで目覚める男たち。
しかし、とにかくゾンビがウロウロウロウロしまくっていて、自然と胸が高鳴ります。
オクスリ大好きらしい白人さんもいっぱいいて、面白い。アジア人はそういえばほとんど見なかったな。

彼らはルナを助けに行き、4人で脱出を試みることに。
ゾンビとヴァンパイアや魔女がごっちゃになる彼らですが(そう、リスペクトといっても「ジャンルを間違える」くらいなのである。インド人にはゾンビあるあるとか伝わらなさそうだもんね。どこまで流通しているのかな?)けっこうグログロしいのがびっくり。
ゴアシーンもあり、キスシーンもあります。最近のインド映画キスしていいんですね。(昔、本で「インドでは映画でもほとんどキスしない」と読んだから)

そして、ここでロシアン・マフィアでありながら実はインド人のボリス、そして彼の用心棒的腹心のニコライ(ザンギエフに酷似しているような気がしてならない、顔違うんだけど)とも合流。
ボリスが銃をバカコンビに渡したら興奮してあさっての方向に全部撃っちゃったり、ハルヴィクが「ゾンビに感染しているんじゃないか」と疑われてかけ算を言わされるもバカだから言えなかったり。という、王道のバカシーンが続きます。

しかし立てこもっていた家ではラヴの告白がやっぱりルナに拒否されたり、ゾンビが侵入して来て逃げたりなど目まぐるしく展開が続きます。
「ショーン・オブ・ザ・デッド」でもおなじみのゾンビになりきって逃げればいいんだ!という作戦は完全に失敗。
ちなみに、ゾンビの顔に懐中電灯を突っ込む残酷シーンもありますぞ(口に懐中電灯を突っ込んだら貫通、柄の部分がうなじから出てくる。そして口から光がピカピカ!)。

ゾンビの群れのなかには、ラヴの元カノやらその浮気相手やら、ハルヴィクの元カノ(クビになった現場におり、彼をかばわなかった)もいます。偶然過ぎる。

なお、おバカトリオはラヴとハルヴィクがボケ役、バニーがツッコミ役なのですが、途中でハルヴィクとバニーが喧嘩して「俺なんてどうせ死ぬんだ!」とバニーが単独行動をするフラグを立てたりもします。
そしてひとりになってぼーっと排尿をしていたら、そこにゾンビが!ゾンビにかかるお●っこ!
という、なんともいえない展開がありますが、ハルヴィクがフラグを折ってバニーを助けにきます。

しかし、ビーチにやってきた彼らは大量のゾンビに追い詰められます。
ちなみのこの映画のゾンビ、のろのろしているかわりにパワータイプな印象。ドアも開けられないし道具も使えません。
そしてビーチでテントに逃げ込んだバニーくんが不意に食べられちゃいます。悲しみながらも逃げる面々。
しかし、遅いんだか早いんだかわからないゾンビですが、でぶちんの白人が混ざっているせいかけっこう怖い。ナイスキャスティング!

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そしてボリスの腹心、無口なニコライも噛まれちゃいます。
車を降りて(無人島だけど車はある)メンバーに「アバヨ」とするニコライ。カッコイー!

ハルヴィクは友の死を悲しんでいたのですが、バニーは生きていたことが発覚。実はテントの中で食われたのはバニーじゃなく、そこに隠れていた知らないおっさんでした。
バニーはたまたま投げつけたコカインの粉がゾンビにかかった瞬間、彼らの動きがストップすることを見抜き、足止めして逃げたのです。

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しかしとにかく瀕死なのがボリスくん。
孤軍奮闘してビーチで戦う(そもそも、ボリスが皆を逃がしてくれたのですが)ボリスに、彼が隠し持っていた大量のコカインの包みを投げて撃つように命じるラヴとハルヴィク。
これでコカインまみれになったビーチのゾンビは全員ぴたりと動きを止めます。
ニコライもゾンビとなってよみがえって襲ってきますが、ここはどうしてもバイオハザードの中ボスみたいとしか思えなかったな。

ラスト、ボートで逃げる際にハルヴィクはゾンビ元カノと追いかけっこをする羽目になります。少女漫画のような追っかけっこをゾンビとするというベタをインド映画で見られるとは思いませんでしたが、たしかに面白い。自由ですね。
ボートでゾンビ溢れる孤島から逃亡する彼ら。
「ドラッグはよくない!ゾンビになるからネ!」「女性は敬うべきだな!急に噛みつくからネ!」と笑点の大喜利みたいな教訓を述べて勝手にしめようとします。
ちなみにラヴとルナは吊り橋効果のせいかラブラブであります。
しかし、彼らが帰りついたゴアもゾンビに支配されていて……!戦いはまだ終わらない!というエンド。
「THE END」にワードが加わり「THE END OF NEAR」(終末は近い)というフレーズに変化します。

なお、スタッフロールはドラッグを称える歌が流れるのですが(高度なギャグ?)、ラヴ、ハルヴィク、バニーが出演していて、本編とは趣が違うので面白い。
(DVD特典で日本人バンドのカバー曲も入っていたけれど、あれはどうしてカバーしたんだ?)
魚眼レンズのせいで青鬼みたいなカットがあって怖かったです。

今年見たゾンビ映画のなかでも、3本の指に入る面白さ!
そもそも、ゾンビ映画がそんなにリリースされてねぇじゃねーかよというツッコミはなしでお願いします